ジャニーズWESTさんと僕

吾輩は二次元ドルヲタである。名前はまあ適当に。


μ'sに青春を捧げ、神宮寺レンに恋をし、315プロダクションのプロデューサーとしてアイドルと共にさまざまな現場を駆け抜け(訳:ゲーム内イベントを走り)、小鳥遊事務所に足を運んではそこを取り巻くアイドルたちの感情ボクシングを見届けてきた。765プロの劇場にも赴き関西弁の美少女を担当し始めてしばらく経った。283プロダクションにも顔を出している。

これからもそれは変わらない。ずっとこうして生きていく。私がアイドルに求めるのは永遠と救済。二次元に存在する彼ら彼女らだからこそそれができる。そう信じていた。



【ジャニーズWESTさんと僕の出会い】



発端は2/14バレンタインデー。浮かれる世間を横目で見ながら仕事終わりの楽しみにしていたのは、『汐谷文康解剖白書』というWebラジオの最新回である。

汐谷文康さんとは、私のいわゆる『推し』である声優さん。315プロのプロデューサーを始めてから彼のことを知り、もっと彼のことを知りたいと思っているうちに朗読劇・舞台・イベントに足を運ぶようになった。そんな彼のラジオ、期間限定とは言えど楽しみで仕方がなかった。


帰宅後にラジオのページを開き、彼の声に耳を傾ける。同じマンションの人にすれ違いざまに挨拶をするか否かで迷うという話に、彼の心優しさが滲み出ていた。かわいい。孫の話を聞く祖母のような気持ちだった。


そんな幻想に浸っていると、ふつおたが終わりコーナーに移った。「汐谷レコメンド」。汐谷さんが好きなものについて語り倒すという微笑ましいコーナー。

この日はそれの記念すべき1回目。その大事な1回目のテーマに選ばれたのが、ジャニーズWEST。

汐谷さんがジャスメンであることは以前から知っていた。チョクメという有料メルマガのようなものをやっていたときにも度々話題にし(1月末で終了)(悲しい)(すごく悲しい)、カラオケMAXで同期の声優さんにプリンシパルの君へを歌ってもらったり、トモカラでその同期と一緒にLovely Xmasを歌ったりしていたからだ。その時は本当に好きなんだな、とだけ思っていた。


レコメンドは約10分続いた。推しがただの早口ヲタクになっていることにやや衝撃を受けたし、想像以上に好きであることがわかった。小瀧くんが好きらしい。これはもう説明するより聴いたほうが早いので「汐谷文康解剖白書」で検索して2/14配信回を聴いてください。よろしくお願いします。配信は4/9までなんです。



彼の言葉はファン的にはどうなのだろう。そう思い、数日後に職場の緑色ジャス民の先輩に聴いてもらった。


そのまた少し後、深い同意を得ると同時に私の手の中にはWESTV!のDVDがあった。
「二次元ヲタクならはまれるよ」などと言われたことを覚えている。

日頃から私には「好きな人の感じる世界を間接的でいいから私も感じたい」「好きな人のあらゆることを知りたい」という若干ストーカー気質が見え隠れする心がある。推しが読んだという本を自分でも読む、推しが好きだと言った曲を聴いてみる、なんてことはザラだ。だから再生するときも「勧めてもらったのだから何もせず返すのは、ジャンルは違えどヲタクとして失礼だ」という謎の責任感に「汐谷さんの感じている世界を私も少しだけ覗いてみたい」という好奇心が混ざったような心地だった。

さあ、ジャニーズWESTさん。あなたたちのどこが汐谷さんをそこまで虜にするのか見せてもらおうじゃない。いざ尋常に、勝負!






全てが塗り替えられる心地だった。


人間は不完全である。不完全だから、完璧な偶像になることはできない。二次元アイドルコンテンツのライブも、声優さんを通して完璧な偶像であるキャラクターたちを見ているから楽しめていた。「個人」以外のキャラクターを持たないアイドルは、私の偶像にはならない。永遠と救済はもたらしてくれない。


そんな私の考えを、彼らは自ら光を放つ恒星の如きパフォーマンスで燃やし尽くしていった。

なん、え?OPムービートンチキすぎだろ!?歌うま〜〜〜〜〜!!!!あ!汐谷(呼び捨てするな)の好きなDrift!!だ……す、すげぇ〜〜〜車に乗ってるみたいだ〜〜〜〜〜!???三次元のアイドルってすごいな!?すご……なんだこのクソ長コントめちゃくちゃ面白いぞ?めちゃくちゃおもしろ……間違っちゃいない😭😭😭😭😭😭😭お兄ちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!えっなになに緊急速報?なに?……我々はなにを見せられているんだ????(宇宙猫)てかさっきからこの黄色の人?めちゃくちゃ綺麗じゃない?中間淳太さんと言うのですか?えっ……綺麗な人が乳って言ってる………………う゛わぼくこのYSSBっていうの大好き!!!!ハァ…………アンコールめちゃいっぱい歌うやん…………おてて繋いでダッシュ!!!!??????


時間が経つのはあっという間だった。

特典映像もあった。あーなるほどバクステですね?バクステはいいよねわかる私も好き。裏でこんなことやってたんだっていうのが分かって楽しいよね。

企画構想段階から見せてくれるんですか!!!????

人が頑張っている姿を見せられて好きにならないヲタクいます?いない。
重岡さん、濵田さん、神山さんの3人が楽器の練習に打ち込む様子、合間の和やかな会話、真剣な眼差し。あの輝きの裏でどれだけ彼らが考えていたのか、頑張っていたのか。その断片を見せられて私は「ジャニーズのアイドル」としてだけでなく「1人の人間たち」として彼らのことが好きになってしまった。

リア垢でジャニーズWESTさんにどハマりしたこと、中間淳太さん好きだということを呟いたら、長年ジャニヲタをやっている幼馴染の1人から「わかる(だと思ったの意)」と言われた。顔の好みが小学生の頃からあまり変わっていない証拠である。

そんなわけで私はジャニーズWESTさんにものすごく興味を持った。この時点ではまだ沼の淵に立っているようなものだった。と思う。

しかし数日後、私の精神を揺らす悲劇が起こる。




【ジャニーズWESTさんは僕を救ってくれた】


あれは興味本位でミッド・サマーを観に行った後だった。良いハッピーエンドだった……(???)と映画館を後にし、息をするようにTwitterを開いたら目に飛び込んできたのだ。

アイドルマスター公式Twitterアカウントの「【MR ST@GE!!】【SideMプロミ2020】開催中止のご案内」というツイートが。



推しのイベントが一つ消えた。生で見られるはずだった輝く推しが見られなくなった。彼らを通して見るアイドルたちを見られなくなったのだ。

事前物販の発送が遅い時点で悪い予感はしていた。でもきっと大丈夫。大丈夫なんだと信じていた。でも現実は想像よりずっと無情。チケットが当たってから数ヶ月、プロミのために生きながらえてきた私は一瞬で体調を崩した。



暗くなった帰り道、SideMの曲を聴こうとしてプレイリストのシャッフル再生を押し、ALL nOR NOTHINGが一発目に出た時点で私の涙腺は馬鹿になった。プロミ2日目、私が現地に行こうとしていた日にこの曲のメンバーを担当する声優さんが全員集合していたのだ。AnNほぼ確定ガシャだったのだ。

SideMは私に元気をくれていたのに、その時ばかりはどれを聴いてもただただ悲しくなるだけだった。聴いていられない。悲しい。つらい。こんなはずじゃなかった。



泣きながらふと、ジャニーズWESTさんのことを思い出した。

底抜けに明るい彼らの笑顔、楽しそうな歌声。なんとなく、あれを見たいと思った。

その頃にはもう先輩に円盤を返してしまっていた。だけど見たい。今この空っぽを埋めてくれるのはきっと彼らだ。私は帰り道にあったCDショップに駆け込んだ。

解剖白書の中で、中間淳太さんが気になっているというリスナーに対してTAMER、Into Your Eyesなどがおすすめだと汐谷さんは言っていた。前者が入っている円盤は店頭になかったので、後者が入っているWESTivalを手にしてレジを通り、アパートに帰った。そして翌日仕事であることはお構いなしに再生した。




ただただ、楽しかった。

IYEやばい(遺言)

ただひたすら、輝いている7人を見て笑顔になっていた。さっきまであんなに沈んでいた心が、再生中に限っては確かに晴れ渡っていた。


ジャニーズWESTさんに、救われたのだ。
ジャニーズWESTさんが、私を救ってくれたのだ。


気づけば私はTSUTAYAのオンラインショップを開き、W troubleの初回A・Bを予約していた。

「好きな人たちのあらゆることを知りたい」という気持ちが、ジャニーズWESTさんに芽生えた瞬間だった。




【世間への興味とW troubleと僕】


黄色寄り虹色ジャス民としての自我が芽生えた私は、最後に見たのがいつかも忘れたくらい興味がなかったバラエティ番組を録画し、かけらも興味なかったファッション誌・テレビ誌を手に取るようになった。過去のアルバム・シングルはTSUTAYAに置いてあるものはとりあえず全部借りるか(九十九一希)と手に取った。先輩に借りればいいではないかという話だが、その頃先輩とシフトがずれることが多かったので待ちきれなかったのだ。それにヲタクたるもの、少しでも経済を動かしてナンボだろう。


過去に汐谷さんがWESTについて語っていたことの意味が理解できるようになったのも嬉しかった。アルバムの宣伝のためもあってか、メンバーがあらゆるメディアに取り上げられるのを追いかけるのも楽しかった。私の沼への突っ込みっぷりは闘牛かジェット機の如き勢いであり、これには先輩も「まさかここまでハマってくれるとは思わなかった……」と声を漏らした。あとはFCに入れば、と言われたが私は汐谷さんのヲタクなのでちょっと待ってほしい。誕生月までに考えておきます。



汐谷さんがハマるきっかけとなったパリピポの円盤を先輩から借り、ああなるほど汐谷(呼び捨てするな)はこれで彼らに魅了されたのか…………わかる〜〜〜〜!!!!!!!!!!などと思いながら日々を過ごし、3月17日、めでたく私はW troubleをフラゲすることとなった。

芸術が禁止された世界、空っぽの心、ディストピア、最高ワードが連なるテーマ絶対ええやん!!!まあまあ通常盤はレンタルで済ませてもいいだろうまずは初回Aのショートムービーを観ようではないか。

汐谷さん「演技をする推しが好き」
わい「わかる」

個人的に食事が配給制になったよ〜あたりで最高最高最高最高ビバビバブラボーブラボーしていた。ぼくそういうのすき。想像以上のディストピア。すき。
終わり頃に出てくる日本地図に付けられたマーク、一瞬「東京やら大阪やらはわかるがなぜ静岡……?」と思い、そのあとツアー開催地のことを思い出し福岡に付けられたマークを見て泣くなどした。まだ存じ上げて1ヶ月も経っていないのに。私は行く予定はないのですが行く予定があった人のためにも、W troubleの7人の計画を完成させるためにも、ジャニーズWESTさんたちのためにもなんとか振替公演やってあげてください偉い人。

アルバムの内容もそれはもう大満足百点満点中5000兆点だった。ヒプノシスマイクにも足を突っ込んでいるためラップやらEDM調やらにとことん弱い。先ほどWESTV!のくだりでYSSBが好きだと書いたがまあそういう系が好きなんですわ。Evokeとパリマニもすき。ところでパリマニ中間淳太さんの脇ガバガバ衣装に対して目のやり場に困っている黄色ジャス民いませんか?どこ見ればいい?顔?話が逸れましたね。
推しが仕事への活力にしているというホメチギリスト、人生全肯定ソング。褒めちぎられて笑顔にならない人間はいないと思うんです。強制笑顔作成装置ジャニーズWESTさん。アルバムの話するとめちゃくちゃ長くなりそうだから気が向いたら別に記事にします。最後に言わせて。ユニットCやばい。



【ジャニーズWESTさんの未来を見ていきたい僕】

大変まとまりのない文章を書いてしまった。

昨年バレーワールドカップのオフィシャルサポーターになっていたと知ったとき、きっかけは山ほどあったのにどうしてもっと早く彼らを知っていなかったんだと後悔した。理由は単純明快、テレビをほとんどつけない人間だからだ。ワールドカップなんて気がついたら終わっていた。その間テレビ番組などほとんど観ていない。番組のために電源を入れたことすら数えられるくらい、もう1人の推し声優がナレーションを担当する番組をリアタイするときくらいだろう。世間に興味がなかったのだ。


だがジャニーズWESTさんのことを好きになり、彼らのことをもっと知りたいと録画機能を以前よりずっと活用するようになった。そして、世のエンターテインメントは案外面白いこと、世界はあまりにも広いこと、実在するアイドルたちがこんなにも輝かしいことを知った。この前の変装かくれんぼの淳太くんめっちゃよかったです。絶叫マシンとチンピラにビビる淳太くんのSPになりたい。てかそもそもこの変装かくれんぼハイドアンドシークという番組の存在を初めて知った(超世間知らず)


好きな人たちがオリコンのアルバムランキングで1位をとるというのはこんなに嬉しいことだったのか。テレビで推しを見られるのはこんなに喜ばしいことだったのか。人生が楽しい。人生を楽しくしてくれた彼らのことをこれからも応援していきたい。彼らの歩んでいく姿を見ていたい。微力ながらも応援したい。

ドームライブ、行きたいな。


推しの好きなものを知るための行動で、いつのまにかこんな深淵まで来てしまった。後悔はしていない。するわけない。
黄色寄り虹色ジャス民として生きていこうと思っているので、まあなんかその、よろしくお願いします。

乱文長文失礼しました。


【次回(未定)予告】

「僕は最低なヲタクなので准教授には是非ともメンバー自分以外全員消されてひとりぼっちになるエンドを辿っていってほしい」

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