最初のセメスター終わりに振返る”私にとってのMBA留学”

はじめに

2022年8月に渡米しあっという間に最初のセメスターが終了しました。自分への備忘録もかねて、今の心境などを綴っていこうと思います。
まずはじめにMBAを目指した背景や受験についてご紹介します。

MBAを目指し始めたきっかけ

私の場合は”MBA”というよりも”留学”に対する憧れを学生時代からずっと持っていました。ただ学生時代は資金的な理由、そして何より「何のために留学をするのか」がいまいち明確にならなかった(本当の意味で必要性を感じなかった)ため、漠然とした憧れの域を出ませんでした。
そんなこんなで、留学しないまま就職することになります。(とはいえ今思えば就職先の会社に留学制度があることもどこかで意識していたので、留学に対する憧れは結構強いものがあったのだなと感じますw)
そして入社して直ぐに社費留学から帰ってきた先輩から「海外に出たことがないなら絶対に留学したほ方がいいよ」という言葉をかけられ、それが自分の中にずっと残り続けていました。
とはいえ、就職したのはコンサル業界。当時は今ほど労務環境の改善に本腰が入ってなかったため、最初の3~4年はとにかく我武者羅に働きました。留学のことは頭の片隅に常にありましたが、自分の専門にしたい分野も見つかったため、特に留学に向けた準備もしないまま時が過ぎていきました。
しかし自分の専門性を高めていくにつれて、国内だけで閉じていてはだめだ、海外のプレイヤーも巻き込んで仕事がしたい、という気持ちがどんどん出てきました。
海外出張ベースで英語を使う機会もパラパラ出てきたものの、出張先では通訳さん頼み、英語の会議でほとんど発言できない、英語の堪能な他のプロジェクトメンバーに依存、という状況がしばらく続きその都度悔しさと、このままでは自分のやりたい仕事を作れなくなる、という焦りが大きくなっていきました。
そして自分の中で留学に対するモチベーションが高まり、何より”必要性”を強く感じるようになりました。英語(言語)の壁ももちろんですが、日本の外でどうやってチームやクライアントをマネジメントするか、どうしたら海外で自分のチームを作れるか、などを強く意識するようになりました。
このころになってようやくMBA留学することを決意しました。社会人5~6年目のころだと思います。

地獄のMBA受験

色々な理由があり社費留学をすることを選んだのですが、社内選考を突破するのに2年かかってしまい、社費の内定をもらえたのが2021年の2月です。それまではゆるゆるとTOEFLを勉強していた程度で、この時点でTOEFL80点でした(ちなみに初回のTOEFLは61点…)。
そこから急ピッチで準備を進めましたが、ここまで記載の通り高純度の純ドメである私にとってMBA受験は険しく厳しい戦いになりました。夏前にはTOEFL目途をつけ、年内にGMATを終わらせ2ndラウンドで出願しようとしていたのですが、結果TOEFLで100に到達したのが2021年の秋、GMATは年内までに4回受けるも600前半止まりで本当に絶望しました・・。結果、GMATからEAとGREに切り替えつつ3rdラウンドまでもつれ込む長期戦となりました。
2021年年末~2022年年明けは本当に地獄の日々でしたが最後まで諦めずにやり続け、なんとか3rdラウンド(しかもウェイトリストを経て・・)で第1志望校から合格をもらうことが出来ました。合格の連絡をもらった日のことは今でも鮮明に覚えています。

最初の学期を終えて今思うこと

さて、ようやくここからが本題なのですが(笑)、2022年8月に渡米し最初のセメスターが終わった今、改めて思うことを記載していきます。

MBAの価値

よくTwitter上でもMBAの価値について話題に上がることがあります。とんでもない高い学費や滞在コスト、その期間に稼げていたはずの給料など多くのコストを払って行く意味があるのか、とよく聞かれます。
こんなことを言うと身も蓋も無いですが、MBAの価値は人それぞれであって”人による”としか言いようがありません。当初から何となく思っていましたが、渡米してその考えが確かなものになりました。
少し言い方を変えると、”自分で価値を見出せなければMBA留学はしない方がいい”という事です。もっと言うと”MBAに来れば何かが変わる”とか”MBAが人生を劇的に変えてくれる”というような淡い期待だけを持ってMBA留学することはお勧めしません。
その理由についてもう少し詳しく説明していこうと思います。

MBAでの時間の使い方

上記の点を語る上で重要なのは”MBAでは時間の使い方が非常に大切”という事です。授業を中心としたアカデミックな分野、学生クラブなどのスクール内の活動、同級生たちとの親睦、インターンも含む就職活動、学外のコミュニティでの活動など、本当に多くの機会が存在します。これらの中で何を優先して何にどれだけ時間を割いていくのか、が自身のMBAがどんな経験になるのかを決めることになると思っています。
そして2年という時間はあっという間に過ぎていきます(1年制のプログラムではなおのこと)。この貴重な時間を無駄にしないためにも”自分は何を求めに来たのか”を持っておくことが重要になります。そしてこの何に時間を使うか、ということは人によって全く異なります。私が上記に記載した以外にも、直近で立ち上げたビジネスを軌道に乗せるために時間を使っている同級生もいますし、学内でビジネスパートナーを探している同級生もいます。何に時間を使うかは本当にその人次第です。そして周りの同級生たちは誰がどんなことに時間を使っているのかをよく見ています。その中で自分と価値観が合いそうな人は誰か(ソーシャル的な意味も含む)、誰と一緒に時間を過ごすと自分のためになるか、などを意識して時間を共有しています。また自分に関係のない情報が入ってきた場合も、同級生の中に興味・関心を持ちそうな人がいると情報をシェアしてくれます。この学内で回る色々な情報(特にアンオフィシャルなイベントや求人情報など)が入ってくる状況を作ることが充実したMBA生活を送るために非常に重要になります。つまり”自分は〇〇に熱を注いでいる”とか”〇〇のためにMBAに来た”などの、ある意味で自分をブランディングしていくことが求められます。
そのため、ただ漠然とMBAに来てしまうとこの輪から取り残されてしまい、淡々と時間が過ぎてしまうでしょう。

最後に

ここまで色々と書きましたが、改めて強調したいのは”MBAの価値は人それぞれ”という事です。これは、目的は自分が納得していれば何でもいい、という事に加え、(少なくとも私のスクールでは)同級生達は他の人の目的やパッションに対して否定せず受け入れてくれる、という点があります。
何であろうが自分が本当にそれを求めて行動しているのであれば、同級生達は非常にサポーティブで関連する色々な情報や人脈をシェアしてくれます。他人の目的を批判するような人は(私の出会った中では)いません。この環境こそがMBA留学最大のメリットだと言っても良いくらいです。
自分の目的に向かって突き進みつつお互いを尊重しあう環境にいると、根拠はないけど自分も何か出来そうな気がしてきます。お互い目指すところは違うけど刺激しあって一緒の時間を共有する、というこの環境こそが私が最初のセメスターを終えてMBA留学に来て本当に良かったと心から実感できる要因です。
もちろんまだプログラムの4分の1しか終わっていないので、この後も色々な発見があると思いますし、私の留学目的がどこまで達成できるのか、という事もまだこれからです。
ただ最初のセメスターを終えた今、この素晴らしい環境に心から感謝しています。

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