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仕事をどこで覚えたか振り返る

初めて働いたのは母の会社。

自営業で、その頃は自転車操業だけど仕事はあった。こまごました雑用をこなした。んだけど、母は人にものを教えることが出来ない人だ。家事も教わったことはない。

「見て、覚えろ」

口にはしなかったが、まあ、そういうこと。

出社初日。母にくっついて始業時間の40分前には会社に到着。

「私は何したらいい?」

「なんも思いつかんから、本でも読んでて」

えええええー。

そういうわけにもいかないから、掃除して、お茶くみしてた。大掃除なんてしてなかったから、掃除はいくらでも出来た。

二、三日で電話も取ってみた。これは子供の頃から会社に遊びに行って聞き馴染んでいたから出来たけど、初心者は難しいだろうな、などと思いながら、ちょっとご満悦で。

そうこうしてたら、母が雑用があることをボチボチ思い出してくれた。コピー取りとか、封筒の宛名書きとか、判子押しとか。そういったことから社会人生活は始まった。

次に勤めたのは区役所。短期の書類整理のバイトだった。毎日毎日毎日毎日、紙をめくって仕分けした。

短期の予定だったけど、勤務条件が変わって6年勤めた。書類整理だけの予定だったけど、倉庫管理やらマニュアル作成やらも出来て勉強になった。一太郎の使い方も教わった。

役所でどんな仕事が行われていて、世の中のどこに必要なのか理解できた。税制とか便利なサービスがあるとかも。ありがたし。

ここまで日給時給で働いていて、「ボーナスをもらってみたい!」と高級下着の訪問販売の会社に就職した。

面接終わって帰るとき、えらく皆がニコニコしてるなと思ったら、全員一致で採用即決だったと後で聞いた。理由は「感じが良かったから」。訪問販売で最も大切なことらしい。社用車の運転、営業電話、銀行業務、外回りの仕事は楽しかった。田舎に配達に行くときなどドライブそのものだ。

無事にボーナスももらい、3年勤めて体を壊した。そこからはまたバイト生活。クリーニング工場とか、データ入力とか、地図調査とか、選ばなければ仕事はたくさんあった時代だ。

そんなときに、師を得た。本格的に小説の勉強に力を入れた。

パソコンを使って回路図に簡単なチェックを入れていくバイトをしているときに、小説で賞をもらって兼業することになった。

小説家になって、ビジネスメールやら請求書の作り方やらMSWordの使い方やら勉強した。

ビジネスメールは勉強しておいて良かった。今の職場では、日に何度もメールのやりとりがある。小説仕事のおかげでメール文もスラスラ出るし、なんでも経験だなと思う。

これからも兼業を続けるなら、Excelは身に付けておきたい。鋭意、勉強中だ。目標は美しいグラフと表を作ること。目標は少しずつ高くしていくタイプだ。

私は教わったことしか出来ないので、起業などは夢のまた夢。これからも色々教わりながら生きていくと思う。

生きてるうちは働き続ける。自転車操業は家系のようだ。とりあえず、明日も働こう。

執筆に必要な設備費にさせていただきたいです。