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手水鉢にも注目

寺社詣りの投稿をする方は多いです。日本では、堂内撮影禁止にする寺社が多いので、外観や風景の投稿が主になり、隔靴掻痒の思いは否めません。

しかし、手水鉢を撮影禁止にされることは、まずありえない。

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四天王寺西門手水鉢。なんの変哲もない手水鉢に見えます。しかし、この凸部はなんのためのデザインか?

亀井水調査の過程で、明治末に亀井水から排除された影向井を追及していて、この手水鉢が、影向井を転用した後の三代目レプリカとわかりました。初代は、この凸部に孔があり明らかに亀井の頭の空洞に水を注ぐ注水孔であった。その寸法の記録から、幾何学的に精密に設計された影向井であったことはまちがいありません。しかし、初代の本物は失われました。

なんらかの古代遺物を転用したらしい、重要な手水鉢が、奈良県の長谷寺門前にあります。明らかに亀の造形で、四天王寺亀井水との関連がきになります。

長谷寺本坊も謎の石槽と注目されていて、調査図面をコピーしてくださいました。

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大阪府高槻市の神峯山寺の蓮の葉形手水鉢は美しい。

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京都市伏見区の藤森神社の手水鉢は圧巻。

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同じく伏見区の御香宮の手水鉢は、宇治川の石塔の一部を転用した。

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大阪市鶴見区の町中の小社、住吉神社の手水鉢は陰陽石を台座にしています。

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多くの手水鉢は、類型的な新しいものですが、ときおりお宝にであいます。

兵庫県宝塚市の中山寺の、通称安産手水鉢、は、割り竹形石棺とわかり、手水鉢としては使われず展示されています。

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安産祈願の寺として信仰されています。聖徳太子の創建と伝わります。神功皇后により乗っ取られた?初期ヤマト王権の最後の皇后、大仲姫と忍熊皇子の母子の鎮魂のためのお寺です。この石棺は、忍熊皇子のものとされています。

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