亀井水奇談~孔と裸の多聞天
孔の重要性
亀井がまちがいなく創建時の遺産だと証明する、重要な「孔」です。
この、孔、の観察と、亀井の頭が空洞であることの確認から、亀井水調査の展望が広がりました。
なぜこんな孔があるのか?注意して観察し、疑問をもてば、亀井の本質の解明にむけて展望がひろがる。誰も疑問を持たなかった。無念!
亀井(亀形水盤)の首の内側にある孔。本来の導水孔。孔の深さは8㎝。さらにその奥に空洞が続く。明治時代の亀の噴水の頭で隠されているが、亀井の頭は空洞になっている。
本来は亀井の頭に水を落とし、孔から静かに水を流し込む仕掛けであったことがわかる。
このような水盤は、四天王寺の亀井と、2000年に発見された飛鳥の亀、二例しか世界にも確認されていない。
飛鳥の亀は奈良時代に埋没し忘れられた。二つの亀形水盤が関連遺産であるならば、亀井は四天王寺創建時の遺産と考えるのが自然である。
飛鳥の亀形水盤は、斉明天皇の王権の祭祀にかかわる。不遇の時期を難波宮ですごした斉明天皇は、四天王寺にも何度も訪れ、亀井水も熟知していただろう。
亀井水の存在は、四天王寺が王権に深く関わる、官立寺院である証拠ともなる。
裸の多聞天~沙悟浄のモデル
亀井水にいらした可能性のある、不動尊に似た仏。
深沙大将。ジンジャタイショウ
写真1*奈良県平群町杵築神社の深沙大将、南北朝時代。
写真2*天寿国繍帳の謎の仏
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亀井堂の横の亀井不動尊は昭和の創建である。
建前上は聖徳太子創建の不動尊、とされています。
不動尊とよくにた仏で、深沙大将、があります。多聞天が裸になった夜の姿ともされ、白蛇を絡ませた、水神です。普通はカッパとされる西遊記の沙悟浄は深沙大将のようです。
天寿国繍帳にもそれらしい姿があります。深沙大将なら、亀井水にいらしても不自然ではないです。水神としての多聞天ですから。
深沙大将の小像が亀井水に祀られていたなら、不動尊とうけとられても不自然ではない。
空想です。
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