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愛は突然に

車椅子2年目の今年、2試合、いろいろ作戦は考えるのですが、全くうまくいきません。試合に出られるレベル以前の状況です。車椅子のうえで、どうやって射てばいいのかを試行錯誤です。とはいえ、思うようにはいきません。が、それでも練習をしています。そんな状況ですが、車椅子の前は52年間立ってアーチェリーを毎日やっていたので、少しはアーチェリーのことを知っているつもりです。

もちろんうまくなるには、練習しなければなりません。初心者であれば、力を付けて、基本の射ち方、基本のフォームを身に付ける必要があります。そのレベルは、練習をすればするだけ、うまくなっていきます。問題はそこからです。今悩んでいるアーチャーもそうですが、上級者の方にも重要なことです。アーチェリーという競技はあるレベル以上になると、練習すれば当たるようになる、たくさん練習すれば練習量に正比例してうまくなるかというと、決してそうではないのです。中級者や上級者がうまくなる時は、突然やってきます。
もちろん初心者や200点しか出ないアーチャーは、練習すればするだけうまくなり、点数は伸びていきます。しかし、240点しか出ないアーチャーが一生懸命練習すれば260点になって、もっと練習すれば280点になり、もっともっと練習すれば300点を超えるかというと、そうではないのです。アーチェリーは練習量とは関係なく、何かがひらめいた時、「突然」280点になり、そして「突然」300点が出るのです。突然、壁を飛び越えます。
例えば、260点のアーチャーが300点を出したいと思い、一生懸命練習しても越えられないのが、ある日全然手が届かない、想像もできない320点を想って練習した時、知らない間に突然普通に300点を超えている時があります。アーチェリーがうまくなるかならないかは、その突然をつかむかどうかです。愛は突然に。

とはいっても、何の努力もしないで「突然」が突然やってくることはありません。いろいろ考えて、いろいろトライするなかで突然はやってくるのです。これほど希望の持てる、楽しい、やりがいのある競技は他にそうはないでしょう。カラダを使う前に、頭を使い、想像し、ヒントを得、そして作戦を考えシューティングラインをまたぐ。そしてトライする。でも当たらない。だからまた考える。当たらなくても、また作戦を考え、射ってみる。でも当たらない。。。そんな繰り返しの中で、「突然」は必ずやってきます。ただ射っているだけで当たるなら、とっくにみんな当たっているはずです。


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