FP1級基礎2023年9月3/5様

FP1級学科試験 202309基礎編③
~21問から30問~

 今回はお立ち寄りいただきありがとうございます。

 こちらには、2023年9月に行われたFP1級学科試験基礎の21問~30問の私見を書かせていただいています。

 FP1級に最新版のテキストの必要性を伝えたくて書かせていただいてから1ヶ月が経ちました。
 いまだにどうすればいいのかまったくわかりませんので、2023年9月試験の答えがテキストにのっていたかどうかを数えてみました。急ごしらえですので誤差ももちろんあると思いますし、今回の問題がテキストでそこそこ見かけたような気がしたので、ちょっと数えてみるかという無責任なものでもあります。そして何よりテキストの優劣を計るつもりもありません。もし、不足している箇所が事前に見つかったら、書き足したり出来るかも、といらぬお節介を思いついただけです。
 なお、3冊の出版社の方から了承を頂きましたので書籍名を書かせていただいております。
 この場を借りまして、ご了承をいただいた関係者の方には改めてお礼を申し上げます。

 ひととおり問題とテキストをつけあわせをしてみましたが、今回の問題ではテキストのヒット率はなかなかなものだったかもしれません。
 特に、基礎編の計算問題は100パーセントヒットしていたようです。
 ざっくりですが、手が出なさそうな問題は、問2(テキストによっては一部記載されていましたが印象が薄いため記憶に残らないかもしれません)、7、8、9、10、16(微妙です)、36(テキストにはないようでしたがどこかで見たような気がします)、42のようでした。
 残りは、直取りか消去法、二者択一そして過去問の情報から正解を取れる可能性があるような気がします。

 集計は、2023年9月学科基礎問題の正解部分のみです。1問1個で数えていきますので、合計数は50問です。
 その結果は以下の通りです。答えが直接わかりそうな記述がある時に○として数えています。
 「’23~’24版 FP1級技能士学科合格テキスト」(テキストB)→29/50(58%)、「’23~’24版 合格テキストFP技能士1級 TAC FP講座」(テキストC)→32/50(64%)、「’23~’24版 みんなが欲しかった!FPの教科書」(テキストD)→29/50(58%)でした。テキストによって大きな違いはなさそうですので、今回の試験では、どのテキストでも6割前後を正解できるチャンスはありそうでした。そして、他の方法で得た情報でいくつか上乗せできれば7割近くはいけたような気がします。

 文章の私見の説明には、テキスト4冊(’22~‘23 1冊、’23~’24 3冊)に参加いただき、各テキストでの取り扱いの有無や取り扱い方、また、付け加える情報などをなんとか交えつつ投稿させていただきました。
 今回より、○は、○の変わりに参考となるページ数を記入して、△にはページ数を加えました。ただ、他にも書かれている可能性は大いにありますので、ページ数は参考程度ということでお願いいたします。

 実力が伴っていませんので、そんなもんだろ、な出来上がりになっています。もし、お読みいただくようでしたらその辺は差し引いてお願いいたします。

 なお、こちらの文章は私見になりますため、不都合などが発生しても責任を負いかねますことをあらかじめご了承ください。
 また、気になることがありましたらお調べ直していただきますようお願いいたします。

 問題文利用の了承はいただいておりませんので、問題文はお手元にご準備いただきますようお願いいたします。

 お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

A(確実に正解を取ります問題)
B(過去にも出題されていないようだしテキストにも記載されていない。鉛筆コロコロ問題です。)
C(迷いながらも正解を取りたい)
D(頭をかかえる問題。わからなくても仕方がない)

問21 ① C 言い回し的には聞きなれたところのようですので消去法でも可能かもしれません。CAPMとβです。宇宙語の代表格です。
肢1、× CAPM=無リスク資産利子率(A)+(市場の期待収益率(B)-無リスク資産利子率)×(β=1.1) の式に当てはめて考えてみます。
ア)A=0.05、B=1.00としてみます。0.05+(1.00-0.05)×1.1=0.05+1.045=1.095
イ)B=1.00×2=2.00 0.05+(2.00-0.05)×1.1=2.195 ア)×2=2.190≠2.195 みたいです。βが1を超えるところが問題の大事なところを握っていました。β=1としたら2倍になってしまいます。テキスト:(A)○(B)P245(C)P125(D)P332
肢2、○ そういうことになるらしいです。テキスト:(A)○(B)△P244(C)※P125(D)※P333(△おそらく同じことだとしても答えに直結は難しいかも ※書かれているβの式よりそのように推測可能)
肢3、○ その通りです。ジェンセンのアルファ=ポートフォリオの収益率-CAPMによる収益率の式からも推測できるようです。テキスト:(A)○(B)P247(C)P128(D)P338
肢4、○ その通りです。CAPMの式で、β値だけが変わることになりますので個別資産の期待収益率はβ値に直結します。テキスト:(A)○(B)×(C)P126(D)P333

《βの正体を探るヒントとなりそうな計算式がありました。》
 β=市場ポートフォリオと個別資産の共分散÷市場ポートフォリオの分散(標準偏差の2乗)。テキスト:(C)P125(D)P333
・市場ポートフォリオ→対象とする市場の全資産を時価総額で配分する仮のポートフォリオだそうです。テキストでは書かれていないようです。
 この式より、βは市場ポートフォリオ全体における活発具合に個別のリスクを混ぜ込んだ場合、そのゆれ具合の変化を市場ポートフォリオだけの場合である1を基準として数値で表しているということになりそうです。
 CAPMは、市場が持っている潜在能力に個別資産の要素を混ぜ合わせたリスクをかけています。つまり、市場の力と掛け合わせたとしたら、市場デビューを果たしたらこのくらいはいけるはずだという個別資産の潜在能力を指数化したと考えてもいいかもしれません。
 そして、トレイナーレシオは個別資産の超過収益率をβで割っていますので、市場を土俵としたときの潜在能力で個別資産を計りなおしたパフォーマンスといえるのかもしれません。
 そして、ジェンセンのアルファです。
 ジェンセンのアルファ=ポートフォリオの収益率-CAPMの収益率、ですので。「でっ、実際のところはどうなのよ」の計算式になりそうです。

 CAPMの解説を検索しますと、ほとんどの場合、「株主資本コストを算出するための理論」とされているようでした。「個別資産の期待収益率」との違いは、支払い側(会社)からの目線と受取側(投資者)から目線の違いというところらしいです。

問22 ① A 直取りです。正解は外貨建て商品でも代表的な問題です。
肢1、× 外貨預金の利子は、利子所得として源泉分離課税になります。(海外口座の預金利息は総合課税らしいです)テキスト:(A)○(B)P255(C)P142(D)P252
肢2、○ 過去にも出題されているようです。テキストで記載されていたらと探しましたが見当たりませんでした。テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)×
肢3、○ 外貨建てMMFの譲渡益は申告分離課税で20.315%だそうです。テキスト:(A)○(B)※○(C)※○(D)P247(B※制度説明P224税率P255、C※制度説明P88税率P142)
肢4、○ テキストでは特定公社債と一般公社債で分かれて国内課税方法と同じとなっていました。(A)×(B)△P249P255(C)△P139P142(D)△P252(△:外国株式で外国税額控除が書かれていた。)

 外貨建商品として見出しはありますが、扱いにそれほどの違いはないようでした。おおよそ数ページ程度の解説です。ただ、Dは大見出しでまとめて解説を展開しています。
 解説には国内の扱いと同様という説明もありますので、国内の課税関係をしっかり抑えておく必要がありそうでした。
 外国税額控除は、外国株式で対象と書かれているだけでした。外国債券ではどのテキストも外国株式と同じような「外国で源泉徴収された場合は、外国税額控除の対象になる」と書かれていませんでした。ネットで検索をしますと外国債券も二重徴収になった場合は外国税額控除の対象になると説明されているようです。テキストで債券に書かれていない何か理由があるのだろうかと読み返してみましたが、それらしき理由が見当たりませんでした。今回の問題でも、肢4は適切になっていますので対象になるということでしょう。

【肢2について】
国税庁のホームページでは1,同一の金融機関に、2,同一の外国通貨で、3,継続して預け入れる場合の預貯金の預入についてはとされていました。そうすると設問では、同一の金融機関が引っかかってきます。そのあたりの説明がありましたので、以下に国税庁のホームページを一部参照して書き出しました。

◆外国通貨で表示された預貯金を受け入れる金融機関を相手方とする当該預貯金に関する契約に基づき預入が行われる当該預貯金の元本に係る金銭により引き続き同一の金融機関に同一の外国通貨で行われる預貯金の預入は、上記の外貨建取引には該当しないものとされています(所得税法施行令第167条の6第2項)。
 外貨建預貯金として預け入れていた元本部分の金銭につき、1同一の金融機関(※)に、2同一の外国通貨で、3継続して預け入れる場合の預貯金の預入については、外貨建取引に該当しないこととされていますので、その元本部分に係る為替差損益が認識されることはありません。
 この所得税法施行令第167条の6第2項《先物外国為替契約により発生時の外国通貨の円換算を確定させた外資建資産・負債の換算等》の規定は、外貨建預貯金の預入及び払出が行われたとしても、その元本部分に関しては、同一の外国通貨で預入及び払出が行われる限り、その金額に増減はなく、実質的には外国通貨を保有し続けている場合と変わりはなく、このような外貨の保有状態に実質的な変化がない外貨建預貯金の預入及び払出については、その都度これらを外貨建取引とすることにより為替差損益が認識されることは実情に即さないものであると考えられることから、所得税法第57条の3第1項《外資建取引の換算》でいう外貨建取引からは除かれることを明らかにした例示規定であると解されます。

 (※)このようなことを踏まえると、本件預金の預入及び払出は、他の金融機関へ預け入れる場合であるとしても、同一の外国通貨で行われる限り、その預入・払出は所得税法施行令第167条の6第2項でいう外国通貨で行われる預貯金の預入に類するものと解され、所得税法第57条の3第1項の外貨建取引に該当しない、すなわち、為替差損益を認識しないとすることが相当と考えられます。(国税庁ホームページより一部抜粋)(※印はこちらでつけました。)
 つまり、1同一の金融機関でないとしても2および3に該当すれば為替差損益は問われない、と言うことになりそうです。それで、選択肢2は金融機関が違っていても適切となるようです。

問23 ④ A 直取り。預金に関する問題ではよく見かける問題が3問、そういえばあったなー、な問題が1問のようでした。ただ、適切はおなじみですので直取り可能と思います。
肢1、× 当座預金も含めた決済用預金(無利息、要求払い、決済サービスの3条件)です。テキスト:(A)○(B)P257(C)P147(D)P45
肢2、× 仕組み預金の元本部分と利息の一部が預金保険制度の対象になります。テキスト:(A)×(B)P258(C)P147(D)P45
肢3、× 名義貸しはそもそも名寄せの対象になりません。テキスト:(A)×(B)×(C)P148(D)P45
肢4、○ 順番に1)担保権のないもの2)満期の早いもの3)金利の低いもの、となります。テキスト:(A)○(B)P258(C)P148(D)※P45(※:担保権が書かれていなかった)

 仮払い制度があるようです。どのテキストでも書かれていて、1口座につき上限は60万円となっています。
 そして、被相続人が死亡した場合の名寄せに係る分岐条件が書かれているテキストが多いです。テキスト:(A)○(B)P258(C)P148(D)×

問24 ③ C 直取り。申込みの取消しと該当する部分のみの無効についてです。改正消費者契約法ですが、テキストには改正後とは書かれていないようでした。選択肢の2、4が改正された内容に含まれている部分らしいです。
肢1、○ 言い回しへの読解力を求められる問題かもしれません。リスクを伝えずに事実と異なることを説明をしたと解釈していいような気がします。つまり、うそ(不実告知)をついたということになりそうです。テキスト:(A)○(B)△P261(C)△P159(D)P50(△不実告知と直結できるかどうか)
肢2、○ 改正で追加された部分のひとつです。テキスト:(A)-(B)×(C)×(D)×
肢3、× 契約の条文に関する不適切はその部分だけ無効となります。テキスト:(A)○(B)P261(C)P159(D)P52
肢4、○ 改正で追加された部分のひとつです。テキスト:(A)-(B)×(C)×(D)×

 テキストによっては消費者契約法の解説に改正後に追加された部分(取消:「監禁・退去妨害」、「霊感等を用いた告知」など)も書かれているところもあるため、テキストは改正後を念頭に解説をされているようです。しかし、選択肢2、4に関するところは見当たりませんでした。
 また、「霊感等で惑わさして告知」の場合は、取消権の時効期間(◆Ⅱ参照)が1年→3年、5年→10年に延長されているようです。

肢2、肢4に関する条文
◆ 消費者契約法

(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
二 (省略)
2 事業者は、消費者に対し、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に基づき損害賠償又は違約金の支払を請求する場合において、当該消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠(第十二条の四において「算定根拠」という。)の概要を説明するよう努めなければならない。(消費者契約法より一部抜粋)

◆Ⅱ 取消権の時効に関する条文
・霊感などで不安をあおり契約をした場合の取消権の時効は以下の通りらしいです。

(取消権の行使期間等)
第七条 第四条第一項から第四項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間(同条第三項第八号に係る取消権については、三年間)行わないときは、時効によって消滅する。当該消費者契約の締結の時から五年(同号に係る取消権については、十年)を経過したときも、同様とする。(消費者契約法一部抜粋)

(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一(省略)
二(省略)
2 (省略)
3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一~七(省略)
八 当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、当該消費者又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、又はそのような不安を抱いていることに乗じて、その重大な不利益を回避するためには、当該消費者契約を締結することが必要不可欠である旨を告げること。(消費者契約法一部抜粋)

 どのテキストも説明が不十分ではと感じました。肢2、肢4の追加部分について匂わせ程度でも触れてもらいたかったのと、また、「2023年6月より改正消費者契約法が施行されました。」の一文が欲しかったような気がします。法律のかわりっぱなは要注意です。

問25 ③ C 直取り可能でした。退職所得の不思議なところからの出題でした。ただ、正解は過去に出題されていたような気がします。消去法ではもつれることになりそうです。
肢1、○ 休職した期間も勤続年数に含まれます。テキスト:(A)○(B)P283(C)P29(D)P51
肢2、○ その通りです。テキストでは書かれていない部分でした。が、なんとなくそうだろうで適切を選べそうです。テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)×
肢3、× 長い勤続年数に重複していない期間を足して勤続年数とします。テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)※P51(※計算例もあり)
肢4、○ その通りです。テキストでは書かれていませんでした。こちらは、4年以内とする具体的な期限をどう判断するかです。3年、5年だったらなんとなくですが。テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)×

 退職手当には通常と異なる計算方法がいくつか出てくるようです。20年以下と20年超以外の計算方法が出題の主流になるかもしれません。そして、障害者となったことが直接の起因の場合は100万円加算も見逃せません。

肢2、肢3、肢4の合算方法が若干違っているようでしたので参照ホームペページは以下となります。


問26 ① A 直取りです。正解は見慣れた問題です。不動産分野で解説されています。
肢1、○ その通りです。居住用不動産譲渡の冒頭で共通要件として説明されている場合(A,B)と譲渡損失と繰越控除項目内で含めて説明している(C)パターンがあります。テキスト:(A)○(B)P393(C)P135(D)×
肢2、× 取り壊した日の属する年の1月1日で5年超です。
テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)×(どのテキストも説明が見つかりませんでした。)
«ここからはテキストに関する一考です»
テキストには正答に繋がる文言は見当たりませんでした。したがって、正解が、居住しなくなってから5年超と迷うかもしれません。そこで、以下の取り壊し要件を思い出す方法も有りかもしれません。
▪設問の条件も含めて建物を取り壊した場合の要件a)取り壊してから1年以内に譲渡契約を結ぶ、b)居住しなくなってから3年目の12月31日までに譲渡するc)土地を貸したりしない、などを満たすことも必要です。
肢3、× 合計所得金額3,000万円以下の制限は損益通算ではなく繰越控除の年ごとで判定します。損益通算に合計所得金額の制限はありません。テキスト:(A)○(B)P398(C)P136(D)P159
肢4、× 住宅借入金残高-譲渡価格=控除上限金額(>0)です。控除上限金額と譲渡損失のうち低い金額となるようです。テキスト:(A)○(B)P398(C)P137(D)P159

 改めて「(特定)居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を見直してみますと、勘違いして覚えていたところをいくつか発見しました。なお、「特定」がついている場合は買い替え資産がないことになります。
 まず、大きなところでは、敷地面積の500㎡以下の部分が対象要件は「買い替え資産」ありの繰越控除のときのみでした。そして、控除する金額は、買い替え資産ありは、譲渡損失の金額(譲渡資産の取得価格-譲渡価格)となり特定の場合は、ア)住宅借入金残高-譲渡価格(住宅借入金残高>譲渡価格)、イ)譲渡損失、のうち低い金額、でした。要件のひとつである、どちらか低い金額の注釈が見当たらないテキスト(B:P398)もありますので余白に書き加えてもいいかもしれません。
 そして、取り壊した時における要件が特例ごとに微妙に違っているようです。上述の要件を雛形にして、有り無し、一部変更を整理しておくのもいいかもしれません。国税庁のタクスアンサーが参考になるようです。

問27 ④ C 配当控除は時折参上します。今回の問題は計算ではなく、言い回し解釈当て問題のようでした。肢4の言い回しに惑わされると迷走するかもしれません。
肢1、○ 株式と同じ扱いになりますので、総合課税を選ぶことにより配当控除可能です。テキスト:(A)○(B)P301(C)P84(D)P159
【解説は金融資産運用分野でもされているようです。テキスト:(A)○(B)P254(C)P141(D)P224】
肢2、○ その通りです。「配当所得の金額=収入金額-負債の利子」という式がテキストどれにも書かれています。テキスト:(A)○(B)P273(C)P8(D)P17
肢3、○ その通りです。直に説明されているのは(A)だけでした。でも、さりげなさ過ぎて目立ってないかもしれません。テキスト:(A)○(B)×(C)△P84(D)△P159(△:課税総所得金額の説明で推測。)
肢4、× 1,000万円を控除した金額に達するまでの金額については5%、その他の金額については10%になります。テキスト:(A)△(B)△P301(C)P84(D)159(△;設問の言い回しに対応できるかどうか、(A)(B)(C)は計算例あり)

 肢4は独特の言い回しを超えてしまっているような気がするほどの文章でした。分解して考えて見ます。「1,000万円を控除した金額に~」は、1,000万円を引いた残りの金額のことで、「~達するまでの金額」とは、総計額から1,000万円に向かってということになるのでしょうか。つまり、1,000万円を超えた金額のようですので、5%になります。
 所得税はかかれていますが、まだ、住民税と投資信託がありそれぞれの税率があるようです。住民税は、所得税10%の部分→住民税2.8%、5%の部分→1.4%だそうです。テキスト:(B)P301
 そして、投資信託の収益の分配金だそうです。所得税10%→投資信託5%、5%部分→2.5%が象徴的でした。でも、条件によって税率はいろいろらしいです。テキスト:(C)P84

問28 ① D 直取りが無理なら消去法で何とか。正解は過去にも出題されているような気がします。そこで直取りが出来れば他は気にしなくていいかもしれません。
肢1、○ 同族会社の役員等が給与以外に同族会社から利子や賃貸料を受け取っている場合は金額に関係なく確定申告が必要です。 テキスト:(A)○(B)P307(C)P84(D)×
肢2、× 原則は出国するまでが期限になりますが、納税管理人の届出をした場合は通常通りになるそうです。テキスト:(A)×(B)×(C)△P97(D)P160(△:納税管理人がいない場合で説明されている)
肢3、× 相続人のうち一人がまとめて提出します。準確定申告が4ヶ月で相続税の申告期限が10ヵ月ですので期限的にそれぞれで申告は無理があるようです。テキスト:(A)×(B)△P306(C)△P97(D)△P160(△:相続人が届出(それぞれとはなっていない)と説明から推測可能)
肢4、× 中途で退職して年内に再就職をしたときは再就職先で年末調整をまとめて行うそうです。テキスト:(A)×(B)△P307(C)△P96(D)△P159(△:裏を返せばなんとか、でも判断は難しいかも)

肢4に関して
【国税庁ホームページより】
大部分の給与所得者は年末調整によって所得税の納税が完了しますので、原則として確定申告の必要はありませんが、年の途中で退職しますと所得税が納め過ぎになる場合があります。
このうち、中途退職した同じ年に再就職をした場合は、原則として新しい勤務先で前の勤務先の給与を含めて年末調整をすることになっていますから、所得税の納め過ぎは解消します。
しかし、中途退職したまま再就職しない場合は年末調整を受けられませんから、所得税は納め過ぎのままとなります。
この納め過ぎの所得税は、翌年になってから確定申告をすれば還付を受けられます。
この申告は、退職した翌年以降5年以内であれば行うことができます。(国税庁 よくある税の質問より)

問29 ② D 消去法でも可能です。正解以外は答えのありかははっきりしています。ただ、正解はあわせ技の意味合いがありそうな問題でした。
肢1、○ 個人事業税に青色申告の控除はありません。控除額は290万円です。テキスト:(A)○(B)P315(C)P109(D)P176
肢2、× 管理責任はないため不動産所得になるようです。ただ、構造物があるため無条件に事業的規模としてよいそうです。テキスト:(A)△(B)P275P315(C)P12P109(D)P26P177
肢3、○ その通りです。どのテキストでも業種の区分と税率は表とともに書かれています。テキスト:(A)△(B)P315(C)P109(D)P176
肢4、○ その通りです。個人事業税に繰戻還付はありません。テキスト:(A)○(B)P315(C)×(D)×

 個人事業税の業種の区分と税率は、目を通しておかなければいけない分類になりそうです。業種の区分は3業種で、一種→個人の事業・不動産業など。二種→水産畜産業(農業に付随する以外のもの)など。三種→医業、歯科業、士業、デザイン業など。だそうです。
 税率は、3%、4%、5%です。(B)※P315(C)P109(D)P176(※文章により税率3%~5%など枠組みを説明)

 肢2は、「事業所得または事業的規模で不動産所得を営むもの」に当てはまるかどうかをまずは探ります。駐車場は、管理責任有り→事業所得または雑所得、管理責任無し→不動産所得だそうです。10台未満の月極の場合は、月極は管理責任なしと判断できるようです。あとは、事業的規模かそうでないかの判断ですが、駐車場における事業的規模の目安は50台以上だそうですが構築物が建てられていると事業的規模と判定されるようです。不動産所得の事業的規模とされるので個人事業税を収めることになるようです。

問30 ② D 消去法で何とかでした。申請書類に関する問題でしたがテキストでは弱いところかもしれません。直取りできなかった場合は、肢4の正答をとれたかどうかが鍵を握っていました。
肢1、○ その通りです。テキストA、Bはそのまま同じ文言で書かれていました。そして、調べましたら同時に都道府県税事務所にも届けが必要らしいです。こちらはおおよそ1ヶ月以内らしいです。テキスト:(A)○(B)P317(C)×(D)×
肢2、× 廃業手続き書は所管の税務署に原則1ヶ月以内に提出だそうです。提出をしない場合は、毎年の確定申告を忘れないようにすることが大切とのことでした。テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)×
肢3、○ その通りです。一期目から青色申告の承認を受けるための期限問題は定番中の定番です。テキスト:(A)○(B)P319(C)P149(D)P232
肢4、○ その通りです。年金事務所関係は5日以内だそうです。記憶に残っていましたがどこで見たのか覚えていませんでした。そして、雇用保険・労働保険関係はハローワークおよび労基署に10日以内だそうです。テキスト:(A)×(B)×(C)×(D)×

 法人成りに関する設問と考えてよさそうな気がします。法人成りの手続き関する説明はどのテキストでも書かれていないようです。書いてあったとしても法人税の冒頭で法人設立書は税務署へ2ヶ月以内とだけで、それも一部のテキストのみでした。法人税ですので税金と直接つながりのないところが書かれていないのは当然といえば当然なのですが、今回のような問題はこれからも出題されてもおかしくないと考えて、法人になるまでの手続きに関する見出しがそろそろ求められているかもしれません。

問21~問30は以上となります。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。