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【追い切りチェック・スプリングS】

 近5年を振り返ると、1番人気こそ【1・2・1・1】で及第点ですが、2&3番人気は【1・2・1・6】とイマイチ。対照的に毎年、少なくとも1頭は6番人気以下の馬が馬券に絡んでいますから、中穴狙いに適したレースと言えます。実際、今年も中波乱になりそうな雰囲気。絶対的な主役は不在ですし、1、2頭を除けば、どの馬にも権利取りのチャンスはあるでしょう。

 追い切りで高評価できる馬は何頭かいましたが、実力も考慮すれば、ソリタリオが一番手になります。この中間は2週前と1週前に坂路でびっしりと。最終追いも同じく坂路で終いを伸ばし、2番時計となる11秒7をマークしました。前走のシンザン記念の最終追いはCWコースだったのでアプローチこそ違いますが、出来は高いレベルで安定しています。

 モーリス産駒には曲飛の馬が目立つ中、この馬は飛節に伸びがあって、トモがしっかりとしているのがセールスポイント。それゆえ、父の産駒にしては完成が早いイメージです。もちろん、モーリスらしいところも多分にあって、切れ味よりも持久力に富んだタイプ。実際、過去5戦で上がり3F最速をマークしたことは一度もありません。ただ、そういう馬だからこそ初のコーナー4つのコース、とりわけ急坂がある中山芝1800は合うのではないでしょうか。確かに体形から距離延長がプラスに出るとは思えませんが、小回りなら1800までは保つはず。相手関係を抜きにして、皐月賞の中山芝2000は少し距離が長く、NHKマイルCの東京1600では切れ負けしそう。陣営には失礼な言い方ですが〝スプリングSが春の最大目標〟ぐらいの気持ちで挑むべき一戦だと思います。

 関西馬ではもう1頭、ビーアストニッシドも良く見えました。1週前には坂路で一杯に追われ、4F51秒1の自己ベスト。そして今週は終い重点で上々の伸び脚でした。昨年10月のデビューからコンスタントに使われて6戦目。それでも好調はキープできています。

 確かにこのメンバーに入ると、馬のポテンシャルでは劣ります。しかし、ソリタリオと同じように持久力に秀でたタイプで、京都2歳S(阪神芝2000㍍)の2着が示すように、コーナー4つで急坂のあるコースは◎。母の半妹のライジングリーズンがフェアリーSとアネモネS、祖母の半兄のブルーコンコルドが京王杯2歳Sを、それぞれ中山で制しているように、母系の後押しもあります。血統や厩舎の影響でしょうか、どれだけ走っても人気をしにくいタイプですから、もう一度狙う価値はありそうです。

 他の有力馬にも触れておきましょう。関東馬ではアライバルが一歩リード。筋肉量があって距離が延びていいタイプではありませんから、1800への距離短縮はプラスです。アサヒはこの馬なりに動けているので、前走の共同通信杯と同じレベルには仕上がっていそう。ただ、四肢をしっかりと伸ばして走るタイプなので、中山よりは東京向きです。同じことはアルナシームにも言えます。最終追いはCWコースで序盤をゆったりと運び、ラスト1Fを軽く伸ばして上々の伸び。出来に不安はありません。ただ、気性的な問題から折り合い重視で運び、直線にかけるしかない現状。機動力が求められる中山への適性には疑問符が付きます。

 最後に1頭、状態に不安を覚えたのがサトノヘリオスです。1週前はCWコース単走で一杯に追われましたが、伸びがひと息。フットワークも硬めに映りました。さすがに最終追いでは整えてくるかと思いましたが、やはり動き切れていない感じ。単純にポテンシャルなら、このメンバーで一、二を争える馬だと思いますが、今回に限っては危険な人気馬だと思います。


イチオシ…ソリタリオ、ビーアストニッシド
危険…サトノヘリオス


※写真は20年前のスプリングSを制したタニノギムレット。

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