日常に転がる「名言集」by恵希 輝美
明け方の新鮮な空気とともに流れ込んできたのは、あの懐かしい音だった。 ザッザッザッザザーーー… ______ もこもこの布団にくるまったわたしの耳は、冷たい窓から聞こえてくるその音に釘付けになった。 ザッザッザッザザーーー… 以前、1年ほどだが雪深い地域に移住したことがあった(メイン写真はその頃のもの)。 いまここ東京も、昨晩からの雪が歩道を真っ白に染めた。 家の前の交差点は駅に近いこともあって人通りが多い。 ぼーっと寝起きの頭は、感謝でいっぱいになってぐるぐるし
えいやと引っ越してみたはいいものの、、、 住んでみると、なるほど忘れがちだが人は実のところ「生きること」それ自体が大変なことなのだと思い知らされた。 例えば、どこからか毎朝のように聞こえてくる。キツツキが「ココココココ」とどこかをつついている音。 すると数日後には、屋根裏からなにやら音がする。 小動物の歩くような音がする。 そう、キツツキは家の壁に小さな穴をあけ、そこから動物が侵入してしまったのだ。 また、不動産屋の奥様には「絶対に日が暮れてから歩いたらだめ」と再三言われて
つい先ほどのこと。 電車がゆらめき、突如、誰かの体重を右足小指に感じた。 「ごめんなさいっ!」とあっちの方を向いたまま早口でつぶやいた彼女は数メートル先にある1人分だけポッカリと空いた席目掛けて突進し、ふわりと尻を重力に任せたかと思うと勢いよく降下し、はまった。さながら人間版テトリスのようである。しかもたぶん、彼女はある瞬間に十字キーの下ボタンを押していた。 自分もスニーカーの際、よく人の足を踏んでしまう。これは気をつけなければいけないと常々思っている。 その点、着物の日と
引っ越しが好きだ。 だいたい1年半ほどで次の賃貸へ越す。 ほとんどが都内間での引っ越しなのだが、あるきっかけで森に住むことになった。 そのきっかけというのが、2023年に被災地へ訪問したことだ。 被災地での出会い 宮城県石巻市は2011年の東日本大震災で最も被害者数が大きかったと言われる場所。 綺麗に舗装された道路や、綺麗な建築物を見ると素直に「きれい」という感想だけでなくその裏に必ず「=被災したから」という事実が突きつけられる。 石巻市ではたくさんのお父さんお母さん
ある日の朝。 お局さんが 「ああ、今日は梱包の日ね。気が重いわあぁ…。」 そう、ため息混じりに独りごちて、 他のベテランさんも 「あああ、またこの日が来ちゃいましたか。」 だなんて応えてる。 え….もしかして今日って頑張らないとマズイ日!? 月イチでやってくる「重労働」!月に一度、本部教室からマガジンを発行しています。 今日はその梱包作業の日。 送り先は支部教室です。 「さ!ささっとやっちゃいましょうか!」 お局さんが言うと、作業が始まりました! わたし自身はこの作業
日本最古の神社へ…。 世界中のトレンドが物凄い速さで情報として得られる今。 ちょっと、古を感じたくなり…予定をこじ開け赴いた奈良県、大神神社。 大神神社(おおみわじんじゃ)はお酒の神さまともされ、 新酒醸成の印として酒蔵が軒に吊るす〝杉玉″は、なんと毎年ここ大神神社から全国へ配られているそうです。 丁度、雨もそぞろで、足元に気をつけながら濡れた石畳を 一歩、、 また一歩、、、 丁寧に進んでいく感覚、 その先で待っていてくれる、三輪の明神さま。 湿りけのある空気が、も
今しか食べられないよ、はい、もう時期が終わっちゃうよー!と、親父さんが言う。 ここは近所の八百屋さん。見るとプリプリのとうもろこし。親父さんが皮をむいているところだった。 じゃあこれ一本ください とひとつ手にとるとそこにはちょうど、幼虫が!! 「わー!虫っ虫虫!!」 と私が親父さんの手にそのとうもろこしを返すと親父さんはポンと叩いて虫をとってくれた。そこには虫のかじった穴が葉っぱに空いていた。親父さんは無農薬の証だわ、ガハハハと豪快に笑った。レジ番をしていたせがれは
実家で野菜のもぎ取りをしました。 母が(たまに父も…これにはくすっと笑えるエピソードも前回にあります。)お水を撒き土の面倒を見て育てた野菜たち。 もぎ取る際、 ぱきっ! とか ぷっっちん! とか ぱぁんっ! と はち切れんばかりの生命の漲りを感じます。 この歳になったからなのか、 こういう感覚から 「いただきます」 という言葉が自然と浮かんできました。 こちらはオクラです。 オクラもそら豆みたいに大空に向かっていきり立つように成長します。 お花