「海辺のストルーエンセ」について考えすぎてわからなくなっている①

「海辺のストルーエンセ」
観れば観るほど発見があって色々と考えることができて面白い作品。(裏を返すと初見で理解するのは難しい)
公演中から色々と考え、考えすぎて迷走してるのでせっかくなので文字に残しておこうと思いました。
もちろん初見でも絵が綺麗で、華やかなミュージカルシーンがあって、輪っかのドレス着てるってだけで美しい!麗しい!!!、心に残るシーンもある、お話もざっくり言えば1人の男の栄光と挫折、結ばれない三角関係って宝塚らしくて楽しいと思う。何より素敵なストルーエンセ先生に精神的に治療される♡
でも私は初見ではお話になぜなぜ?が続き、noteを開設するまでになりましたとさw

まず記念すべき(?)初回投稿では初日に戸惑った①1幕のキス、②ひかりふる路みたいな急な方向転換、③助けに来たブラント君について、の感想メインで。

①    1幕のキス

急展開にどこかで意識飛んだか?と焦り、幕間にあれは一緒に何かやってる間に盛り上がっちゃったサークルとか文化祭とかの感じか!?いや、理性を重んじる先生がそんなことするの!?と考えていました。
初日はあまりに先生と王妃の年齢差がありすぎて、お互いに恋愛の対象範囲外じゃないの?ってなったのもあったと思う。でも後半に観たら年齢差が縮まってて良かった。
ストルーエンセはいつから好きだったの?と言うのは、気付いたらだと思っているけど、印象的だったのは軍服姿で生き生きしているカロリーネ様を優しく満足げに嬉しそうに見ていたヨハンの表情。初めて誰かの「何者か」になれたと無意識に感じたのかなと解釈しました。
王妃様は、年上のカッコ良くて自分の気持ちを理解して開放してくれて何でも話せる先生、そりゃ好きになるのはシチュエーション的には理解できるようになったけど、舞台ではずっと王妃として接している感があり、カロリーネとして距離が詰まっている空気があんまりなく一部脳内補完した感は否めない。はばまいちゃん、ヒロインボイス過ぎて硬質で甘さを出しにくいのかな…歌の方が感情乗ってると感じる。
この作品の仕掛けの中で「役割を演じる」という要素があって、ストルーエンセが軽い先生モードとヨハンとしての本音モードの声結構わかりやすく変える分、カロリーネちゃんも難易度高そうだわ。

②    ひかりふる路みたいな急な方向転換

ヅカオタであれば誰もが思いだしたであろうロベスピエールの恐怖政治への導入と被る場面。ほぼ伏線がなく「あなたの作る世界にいられて幸せ」「私も無敵になった気がする」(「無敵」って小学生男子みたいな言葉のチョイスはどうかと思っている)の1ターンで無敵モードに入る力技と解釈。でもそれなら「あなたの~」って麻薬的な劇薬で危険すぎる台詞だと思うんだけど結構さらっと発されるし、全部が上手く行きすぎたのが積み重なって無敵モード突入なのかな…わからん。
あと、今回敵対側の宮廷チームがそこまで悪くも非協力的にも描かれてないし、安定性抜群の上級生で固めすぎて、この人達排除したくなるほど無能じゃないのでは?って舞台を観ると感じてしまう。紅茶飲んでるシーンとか、クリスチャン含む下級生中心組と後ろの上級生中心組の芝居力の差がすごすぎて、学芸会と演劇の対比?遊びみたいな子供たちとしっかり国を治めて働いてる大人たちとの対比の演出?と深読みしたりもした。配役の時点で勝負つきすぎ。
愛すみれちゃんもかのゆりも(特にかのゆりw)THE悪役で作ってくださいと言われたら作れると思うけど、ユリアーネ様文句言いながら舞踏会で仮面被ってゴリゴリのサウンドに合わせて踊っちゃうし、鬼ごっこも端で見てるとかじゃなくてちゃんと走り回るし、テニスもあんな重そうなドレスでちゃんとやってくれるし、かのゆりも舞踏会でノリノリで踊るし、ラケットでユリアーネ様の頭叩いちゃうし、敵対する側の人物として破綻しない程度に憎めない人物になっているのは演出だろう。
ただその分、ヨハンがどうしてそこまで思いつめたのかは仮面舞踏会のエピソードと議会のやり取りだけになるけど、民衆そんなに不満持ってなさそうだし…この答えは梅田まで持ち越し。
にしてもサンジュスト以来のキマりまくったあーさの目最高ですねw

③    助けに来たブラント君

「朝焼けが綺麗だった」に力技で何となく説得力を持たせた諏訪くんお疲れ様です!!!
「初めて宮廷を歩いた景色~」が伏線なのは後々わかったけど(あそこのゆきのちゃんの台詞好き~)、その後宮廷で期待通りうまくやってるソフィーの言葉に、綺麗な朝焼けを見たときに想像していた現実を迎えていないブラントの心が動いたのは考えすぎてしまうと疑問。もう少し良い思い出(一緒に明るい未来に向かって政治やってるシーンとか)観たかった…
ついでに彼ヨハンを助けてどうしようと考えてたんだろう。王妃と恋仲になったとしてもヨハンはクリスチャンにとって大切な人だと信じたんだろうか、それとも笑いあっていたあの頃に戻れると思ったんだろうか(ただその時期を思い出しているであろう描写の子役は王太子≒クリスチャンと貴族の娘≒カロリーネと庭師≒ヨハンの3人…)、彼の胸中を想像すると切ない。

一旦ここで切ります。恐らく次回は、衣装の金箔とか右腕とかこの物語で言いたかったことetc.について考えていることを。

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