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ネッシーに会いに行った日

トップ画像を選んでいたら、ふと目に入ったこのイラスト。
本から出てくるのがネッシー。
これを描いてみましょうってなかなかステキ。

若かりし頃、一人でスコットランドに行った。
ご存じの方もたくさんおられると思うが、スコットランドはいわゆるイギリスの北部にある。
同じ国の中の一地域と思われがちだが、スコットランド人たちは、あくまでイングランドとは違うのだという。
カタルーニャがスペインから独立するか議論されるように、自分たちスコットランドがUnited Kingdom から独立すべきだという意見も多い。
2014年の独立是非の住民投票で、否決されたことが記憶にある方も多いと思う。

日本からスコットランドに向けて、行ったわけではなかった。
イギリスに短期留学していて、次のコースまで1週間空いた。
下宿先に1週間いても良いわけだが、せっかくなのでどこか行こうと思ったのだ。
誰かと行きたかったが、結局一人になった。
現地にいた日本人が「スコットランドすごい良いよー」と言っていたので、決めたのだ。

南部に滞在していたので、一気にスコットランドに行かず、ヨークにも寄った。
そこから、エディンバラ、アバディーン、インヴァネス、スカイ島、グラスゴーと回った。

前置きが長くなったが、このインヴァネスの南側に、細長いネス湖がある。
そこが、伝説のネッシーが住むというネス湖。
インヴァネスで、B&B(ベッド&ブレックファスト)という、老夫婦がやっている民宿に宿泊した。翌朝「今日はどこに行くの?」と宿のお母さんに聞かれた。
「ネッシー見に行ってきます」
「そう。それは良いわねー」
とフフと笑いながら言われた。

ネッシー博物館へも行く。
「え?これが・・?」
「おー、それっぽいね」
などと思わせる写真を見て回った。

その後、ネス湖のほとりへ。
湖岸に座って、水面を凝視。
ずっとずっと凝視・・・
静かな水面。
ちょっとだけ影があるような無いような・・・
でも、私も数少ない目撃者になるのかもしれない。
カメラを片手にずっと座っていた。
本なども読んでいる場合ではない、よそ見したすきにネッシーが浮かんできたらどーするの。

ネス湖と言えば、観光地としてもう少しにぎわっているのかと思ったが、本当に誰もいなかった。
その日だけなのかもしれないが、軍用機が訓練のためか、何度も湖面を低空飛行している。
隊列を組んで飛んでくるので爆音だ。
「これじゃネッシーが出てこれないっ」

我ながら本気半分、えーまさか嘘だろ、の半々な気持ちで見ていた。
寒い中ここで過ごした1時間は、人生に何の意味があるのだろうと考えてみたりもした。
私が立ち上がって、帰る瞬間に、後ろに出たりして・・・
などと考えて、何度も振り返りながら湖を後にした。

数年前だったと思うが、ネッシー話は嘘であると発表された。
心の中で思いっきりずっこけた。

そのあとの旅行もなかなか珍道中であった。
スカイ島で最終バスに乗り遅れ、小さな港町で、見知らぬおばあちゃんのお宅に泊めてもらったりもした。
訛ってて何言ってるのかほとんどわからなかったけど^^;
最終バスがまさか15時台だなんて!!

このかわいらしいイラストで、懐かしい思い出がよみがえった。




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