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敬語は大切だけど・・・

 通販番組を時々見ている。
モノを増やしたくないという気持ちがあるので、明確な理由がないとモノは買えない。衝動買いは極めて少ない。
 ナビゲーターやプレゼンターがどんな風に話すのか、どのように視聴者の購買意欲を上げていくのかを見る。
 ファッション系のものは、時々ナビゲーターのキャピキャピがすごい。
視聴者の気持ちは置いてけぼり。スタジオだけで盛り上がる。
何が面白いのかな?やたら笑ったりもする。
「さあ、皆さまご覧くださいませっ。この質感っ!」
商品を持つ手先の角度までも、気を配っているねと感じる。
指の動きでこちらもこそばくなる。

そんな中、さらに気になってしまうのは、敬語とていねい語。

お届けお支払いはまぁよい。
お品物、お背中は・・微妙
お素材お袖丈・・・?
普段あなたそんな言い方しないっしょ。
お分割おプリーツとか、絶対アウトーー!ってのを言わないかなーと、野球の主審みたいに前のめりで見る。
しかし向こうもギリギリを攻めるので、首をかしげながらも「ボール」という。
一度、お裾というのに手を握り締めてアウトにしてみた。
ま、一人でやってるんで、どうなるもんでもないけど。

モノ(特に食べ物)を丁寧にいうのは大阪や京都の女性によくある。
お芋さん(基本サツマイモをさす)
お揚げさん(主にきつねうどんのきつね)
おみかん
飴ちゃん(ガム君は無い)
おせんべ(煎餅)
お餅
おうどん・おそば
お豆腐
などなど

もちろん他の地域でも、「お」は付けるのだろうが、必ずなのである。
京都出身の母は、「お」をつけずに「うどん」と呼び捨て?にしたり、「芋」とぞんざいに言うのも聞いたことがない。

そんなふんわりな言葉遣いの母は、それ以外の「お」には非常に厳しい。
料理番組の
お粉
お小皿
は許せないという。
お砂糖は良くて、お粉はダメとはこれいかに。
理由はないのだ。ダメなもんはダメ。完全に自分尺度。
「お差別」である。

モノの名前以外で、超気になるのが、
「させていただく」
というフレーズ。
なぜか、とっても気になる。
セールス電話でこんな感じのがあった。
「今回お電話させていただいたのはですね、弊社の〇〇をご紹介させていただきたくて、ご連絡させていただきました。今から少しご説明させていただきたいので、お時間少しよろしいでしょうか?」
よろしくないよっ!時間も敬語も。
 あまりに気になって、調べてみた。
私みたいに気になってる人はいるみたいで、やはり場合によっては間違っていることもあるという。

 ボランティアで留学生のホストファミリーをやっている。
ホストファミリーと言っても、一緒に住むわけでなく、週末など遊びに来たり、一緒に出掛けたり、場合によっては色々な相談に乗る。
 何人かご縁があった子たちの中に、中国人の男の子がいた。
彼はもう結構日本語ができていたが、マンションの契約をするのに、気付かないこととか、自分には不思議な慣例など、日本では普通なのかジャッジして欲しいと、契約について行った。
 不動産屋の担当者は若い人で、とても丁寧だった。
一緒に説明を聞いていたが、彼はとても不安そうだった。
なぜなら、
「ご本人様がよろしければ、ご署名ご捺印いただき、それを一度審査させていただいて、審査がOKであれば、こちらからまたご連絡させていただき、またお客様にご来店いただき、確認いただいたうえで、本契約のご署名ご捺印をいただくことになります」
「はいはい、わかりましたー」と私。
 帰り道、彼に「あの人の話、あの速さでよく全部わかったね。すごいね。もう途中から全然わからなかったけど、ねこにゃんさんが大丈夫と言ったから決めた」と言われた。
 彼は、語学学校で敬語を習ったが、「いただく」のは誰なのか全然わからなくなったそうだ。敬語の嵐に彼はズタボロにされていた。

署名捺印→留学生
審査→審査会社
連絡→不動産屋
来店→留学生
確認→留学生と不動産屋
署名捺印→留学生

確かにややこしー。
「OKならハンコ押して、審査パスしたら連絡するからハンコ持ってまた来て」
とだけ言って欲しかったそうな。

おっしゃるとーーーり!
 









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