読了:『三体』1~3巻

圧倒的時空の幅で描かれる壮大なSFをようやく読み終わった。
23年の11月ごろから隙間時間でkindleでちょこちょこと読み進めて、今年の2月にようやく読了。
なぜ今まで読まなかったのだろうという、読みながら後悔した。
kindleで1巻『三体』を買ったのが2020年10月。長い積読だった。。。

宇宙人との戦いの話なのに宇宙人が前面にでてこないのが、この作品の凄み。
我田引水の振る舞いをする国家・組織のせいで、防衛計画の策定や技術の発展など様々な面で一枚岩になれない人類を細かく描いている点が、ほかのSFとは一線を画している。

中国発の小説であるのに、主人公のトラウマとして文化大革命を描いているのが冒頭での驚き。当局による取り締まりも現在を形を変えてきているのかも。
一方で、2巻『三体:黒暗森林』終盤でされる黒暗森林理論に基づく脅迫は、密告の文化を彷彿させる。監視カメラと検閲による、圧倒的強者の脅威が常に生活の中にある中国発だからこそ描けた防衛方法だ、と感じたのは僕だけだろうか。

日本の10倍以上の人口の中で取捨選択されて国外に輸出されている中国エンタメ、侮りがたし。
今後も中国初の作品が気になる。


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