最近、読んだ本のメモ

こんにちは
今回は、自分が最近読んで勉強になった本の内容を記しました。
「父が娘に教える経済の話」
著者は、ギリシャの経済学者

おそらく誰も最後まで自分のメモは、読まないと思いますが・・・。
哲学的要素や歴史的要素も絡みながら経済について分かりやすく著されてる本なので、興味持った人は、是非読んでみて下さい。

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土地を耕さなければいけない場所でだけ、農耕が発達してきた。
技術革新は、いつも始めたくて始めたわけでない。
そうせざるえをえなかった。
支配者が数多くの庶民を従わすために
「支配者だけが国を支配する権利を持っている」と固く信じさせればいい
支配者の正当化 国家と宗教は結びついてきた
格差は、余剰から生まれる。
聖職者は、力を信じさせることで権力を保持していた。
庶民はそれを当たり前と疑うことはなかった。

「市場価値」は「交換価値」を反映したもの。
市場で何かを交換するときの価値を示しているのが市場価値
真逆に位置するのが、「経験価値」
しかし、今はどれも商品という扱いにある。
EX 献血は有料化すると無料化の時に比べて血が集まりずらい。
お金ではなく人を助けたいという気持ちの人が減るから。

世界の大転換。生産の3要素が商品になったきっかけ。
造船技術の発展と羅針盤によるグローバル貿易がきっかけ。
英の「市場社会」への」歩みと共に農奴のインフラを奪った。
全て失った農奴は、労働力を売って生きるしか無くなった。
産業革命によるグローバル化は、「偉大なる矛盾」を生み出した。
「思いもよらない矛盾」と「言葉にできないほどの苦痛」の共存する社会。
産業革命が生んだ格差は、産業革命によりその差を膨大に広げた。
世界は、カネで回っている。
カネは目標を叶えるためのツールに過ぎない。
今は、カネさえ積めば買えないものはない。
交換価値>経験価値 「市場のある社会」→「市場社会」
生産とカネの流れが逆転し、利子・借金が必要になる。
農奴は、利益を出さねばならなくなる。借金に追われるハメになった。(借金に奴隷)

起業家は利益を出すしか無くなった。→競争が始まる
リソースと顧客に獲得。生産性アップ。低賃金。
新しいテクノロジーが競争優位の源泉になった。
そして、ワットの蒸気機関が使われ工場(生産性)が登場。
需要増え、テクノロジーは高くついた。
でも払わないと技術獲得はできない。払わないと破滅する。
ますます格差が生まれた。産業革命の原動力は石炭でなく借金だった
市場社会では、富は借金から生まれた。

現代の経済は生き物同様循環しなければ、崩壊してしまう。
1930年 恐慌 市場社会は突発的に循環機能を失うことがある。
その要因は、金融機関。金融機関は自由に金利を設定できるようになり大きな力を手にした。

ある時点で社会全体が借金漬けになり、経済の成長がそれに追いつけなくなる。
利益を出しても返済できなくなる。
思い描いていた未来はやってこないと気がつく。
未来から引っ張ってきた莫大な価値が実現しないと気づき、経済は破綻する。
経済を動かす燃料、それは借金。
国家が安定し借金を生み出しやすい安全な環境が生まれ、銀行はますますカネを貸すことができる。
そして、また不安定さ引き起こす。

預金者が預金を引き出してもすぐに現金に換金できるようにぴったりなのが、国債である
国債は、最も流動性のある資産。

市場社会が不安定な要因
「労働力」「マネー」

「労働市場に住む悪魔」
市場社会で利益を出そうとしてもがいている起業家は、他の多くの人たちが
どう考えているのかを憶測し、その憶測に動かされる。
集団全体が楽観的なら、楽観的な憶測が現実になる。
集合全体が悲観的なら、悲観的な憶測が現実になる。
労働市場は労働力の交換価値だけで動くものではない。
経済全体の先行きに対する楽観と悲観に左右される。
よって、一律に賃金を下げても雇用は増えないし、逆に失業が増える可能性もある

マネー・マーケット(短期金融市場)
予言の力が動かしている。
悪い予言を自ら実現したがる。

経済が社会の「エンジン」で、借金が「燃料」だとしたら、労働力はエンジンに点火するための「火花」で、お金はエンジンを滑らかに動かす「潤滑油」だ
労働力とお金は、エンジンを止める力と再起動を阻む機能もある。

人間らしさそのものが市場社会を苦しめている。
人は誰しも自分と他人の行動を振り返り、他人の行動を推し量りその行動を予測する。
どんなに賢く知恵があっても、自分を守りたい短期的衝動には勝てない。

今、経済の大変革の真っ最中にいる。
しかし、現在は変革の目標が人間と機械の調和ではなく
人間を機械に置き換えることになっている。この変革は、人間らしさを失うかもしれない

フランケンシュタイン症候郡
テクノロジーが普及したけれでも、貧困や貧富の差は無くなっていない。
ある意味その不安と真逆に向かっている。
企業はインベーターによる競争を強いられほとんどがこれらに縛られている。
テクノロジーに追いつかなければと焦っている。
テクノロジーは、人間に仕えるどころか、怪物となって人間を奴隷にし恐怖に陥れるかも

イカロスの翼
自働化を支えるのは利益であり、価格がコストを上回らなければ利益は蓄積されない。
問題としては、3つの力が価格をコスト以下に押し下げてしまっている。
1.自動化でコストが下がる。
2.他社との競争によって価格が上回らなくなる。
3.工場で働くロボットは製造では役に立っても、製品は買ってくれない。
  よって「需要」は下がる。

自動化がより進めば、事業が成り立たないほど価格が下がってしまう可能性がある。

経済危機が起きると、人も機械も余るようになる。
それにより、
多くのライバル企業は倒産し競争が少なくなる。
生き残った企業は、価格を釣り上げることができる。
機械を雇うより人間を雇う方が安くなる。
→機械に奪われた仕事を取り戻すことができる。

商品の生産から人間という要素を排除することはできない。
仕事が単純化され機械化が進み、賃金が下がりすぎると、ある時点でものは売れなくなる

災いと福は、表裏一体にある。
我々、人間はテクノロジーの可能性を余す事なく利用する一方で、
人間らしさを破壊せずに、一握りの人たちの奴隷になる事もない社会を実現すべきだ。
⇨機械を共同共有(サブスクリプション)する事で、機械が生み出す富を全ての人に分配した方がいい。機械の奴隷ではなく、全ての人がその主人になれるような社会を作る。

裁定取引(アービトラージ)ー ある市場で安く仕入れ、別の市場で高く売る事。
タバコは喫煙者には経験価値を提供し、非禁煙者には交換価値あったからタバコを欲した

爆撃が「デフレ」を起こした。EX タバコ1本=チョコ1個
逆に貨幣総量が増えると物価は、上昇する。「インフレ」

通貨の総量の変化をどう予測するかが、金利に大きな影響を与える。
インフレが起きれば金利は高くなる。通貨の価値が下がっているかもしれないから。

経済は、借金のコスト、金利は物価の予測に左右される。

イギリス人哲学者 ジョン・スチュワート・ミール
「満足したブタより不満な人間の方がいい。満足なバカより不満なソクラテスの方がいい。もしブタなりバカなりがそう思わないなら、彼らは自分の事しか見えていないから」

満足と不満の両方がなければ、本物の幸福を得る事はできない。
満足によって奴隷になるよりも、我々には不満になる自由が必要だ

大人になり社会に出ても精神を解放するには自立した考えを持つ事が必要だ。

「自分の身の回りで、そして遥か遠い世界で、誰が誰に何をしているのか?」

「私たちは探検を止めることはない
 そして全ての探検の終わりに
 出発した場所に辿り着く
 その時初めてその場所を知る」
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                              以上