クラフトなんとか。なんとか麹。あと盛り蕎麦。

酒税法改正以降のある時期からクラフトビールをメニューに掲げるお店が街中に急激に増えた。少し経つと気の利いたスーパーの店頭にはクラフトビールを謳う少し高めの商品が顔を揃えるようになった。ばかりかクラフト何とかと銘打ったコーヒーやワインなど世はクラフト品過剰供給の様相を呈している。

同じように食品売り場を一巡するとなんとか麹やなんとか発酵の謳い文句がいつの間にか多くのパッケージに躍るようになっていた。

そもそもクラフトというのは限られた少数の職人だけが持つ特別な技術によって作られたモノやその行為を示す概念のことだったはずだ。 
希少性がある。だから価値がある。

麹も然り。
かつてはその扱いのむづかしさから限られた専門家集団によってのみ専売されていたという。

なーんつって技術や技を独占し希少性のみを拠り所にした結果世の中から忘れられ消えてしまった事やモノも沢山あるだろう。
反対にあまりに極端に希少性を取り払い過ぎると中身の伴わないイメージは直ぐに消費され忘れ去られる事になるのだろう。

達人と言われる蕎麦職人の店でやたらと少量の盛り蕎麦をありがたがって食べるのも悪くはないが、良質な蕎麦を良心的な値段で出してくれる立喰い蕎麦屋を沢山知っている方が毎日は楽しい気がするのは自分だけだろうか?

コマ撮りアニメーションはコマ撮りした事を売り文句にしているうちは少量の盛り蕎麦なんだと思っている。

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