モダンホライゾン3、ルールチェックの会
序
十分世間で認知されてるなってカードはもう今さら掘り下げることもないだろうってことで、今回はやや認知度の低いカードだったり誤解を受けやすそうなカードが中心です。基本的にコレクションナンバー順にカードを紹介していきます。
ルールチェック編
本質の誠意
自分のターンであれば自分のパーマネントを好きに手札に戻せるアーティファクトです。
この手の起動制限の中では「起動はソーサリーとしてのみ行う」ではないのはちょっと珍しいですね。
戻す範囲もタップした土地までいけるのは結構珍しく、一緒にオーラを戻す効果も自分のコントロールしているオーラだけでいいのも気遣いが効いてますね。
土地が手札にないときに実質これがマナアーティファクトとして機能すること、最終章の英雄譚を戻すとアドバンテージがかなり大きいことは頭の片隅程度に覚えていていいかもしれませんね。
骨の皇帝
1つ目の墓地追放能力、3つ目の疑似蘇生能力(6/18訂正)はそれぞれ関連していますね。
関連している能力についてはMTGwikiで調べたり身近なジャッジに確認してください。
本題に入るために優先権の話をします。
優先権は優先権の発生するフェイズ、ステップでまずはターンプレイヤーが優先権を得ます。
順番に呪文や能力を唱えたり起動するかを選択し、呪文や能力を唱えたり起動したプレイヤーはターンプレイヤーとは関係なく優先権を得ます。
またそのプレイヤーから順番に行動を決め、誰も優先権を使わなければスタックの呪文や能力を解決します。
この後に再度ターンプレイヤー(6/18訂正)が優先権を得て、順番に確認して誰も行動しないならそのフェイズやステップは終了します。
つまり何を言いたいかというと、4.の手順を見てもらえばわかる通り1つ目の能力を解決した後、すぐに順応能力を起動することができます。
なので、これを2BBが出る状態で戦場に出したターンにすぐに3つ目の疑似蘇生能力を使うことができるわけですね。
速いタイミングで使った悲嘆やカザド=ドゥームのトロール等は構築段階から意識しやすく狙いやすくていいですね。うっかり相手がアトラクサとかを落として来たらフィーバータイムです。
Twitter(現X)で調べたらこの点疑問に思ってる方を見かけたので一応ルールチェック編でとりあげましたが、モダン、レガシーでも意外と強いという評判がちらほら出てるいいカードですよ。
致命的な投げ落とし
特にルールに混乱する点はありませんが、一点今までのテンプレートから外れているように見えるテキストがあります。「クリーチャー1体を生け贄に捧げるか改善されているクリーチャー1体を生け贄に捧げる」の部分ですね。
類例になるカードを1枚挙げます。
このカードを見ると、一見上記のカードも追加コストとして書くテキストは「クリーチャー1体」だけで良さそうに見えますが、容疑や改善は一旦生け贄にささげてしまうと容疑マーカーや+1/+1カウンターも一緒に退けてしまったりして後からの「それって容疑(改善)クリーチャーだったっけ?」と言われてしまったときにトラブルになりそうですし、多分あったんだろうなという創造をしています。
その点、このカードはしっかり呪文の唱えた時点で何を生け贄にしたのかを明確に宣言するようなテキストになっているので、トラブル防止に繋がりそうですね。
ルール上は意味ありませんが、プレイヤーに寄り添った良いテキストだと思います。100点あげちゃう。
マリオネットの見習い
公式からのアナウンスが既にありますが、こちらはルール文章に重大な誤植があるのでリマインド及び再認知のために紹介します。
2番目の能力は「墓地から戦場に出るたび」という珍しい誘発条件になっているように見えますが、英語版では "put into a graveyard from the battlefield" つまり、戦場から墓地に送られたとき(死亡時)に誘発します。日本語版でプレイする際は注意しましょう。
可能性の輪
TwitterやYoutubeで話題になっていたので急遽取り上げました。
この項、少しややこしいので少し長くなります。お覚悟を。
上記107.3fを根拠にして、解決時にXの値を持っているエネルギーの数以上の数値を指定しながら支払わないことで「そうしたなら」等の文章がないため、実際の支払いの有無に関わらず好きな値を代入できるという話がありました。
当然できません。
総合ルールでも以下のルール、及び例文があります。
608.2dによって、持っているエネルギー以上のXを宣言すると言ったような不可能な選択肢は行えません。
また、例文でもできないことが明文化されています。「そうしたなら」「そうしないなら」という文章があるかは関係ありません。
類似カードとして戦いの同盟を挙げます。このカードの場合、Xは支払ったマナ合計を表しますが、宣言するというより支払ったものを後から参照しているような形ですね。事実上可能性の輪もこれと似たようなXの決め方をしていると見ていいでしょう。つまり、呪文を唱えるときのように宣言しているわけではなく、支払ったものに準じたXを代入します。
コレクションナンバー順からは逸れますが例外として、直下の鎮圧光線でもこの話を続けます。
鎮圧光線
このカードもX個のエネルギーの支払いを「してもよい」というような表現になっています。実は過去にはあまりXの支払いを「してもよい」というような表現はほとんどなかったので、今回この部分に関するテンプレートが変更されたのかもしれません。カードのテキストがちょっと今までと違う書き方に変わることって度々ありますからね。
今回からはこの文章の場合、こういう風に読み解くようになるんでしょう。
ちなみに、前項で示したように不可能な選択肢は選べないのでこれでタップされたクリーチャー以上の数のエネルギーは支払えません。
もちろん、これ以前にタップしていたクリーチャーにはカウンターは置けません。(6/18追記)
出産の儀
往年の名カード、出産の殻等に似た効果を持つカードで、生け贄にしたクリーチャーのマナ総量+1のクリーチャーをライブラリーから戦場に出します。しかしライブラリートップ7枚からしか選べない条件が加わったため、効果がかなり不安定になっている印象が出てしまいますね。
ただし、この手のカードでは珍しくクリーチャーを生け贄に捧げる前にカードを見ることができること、内容が気に入らなければ生け贄に捧げなくても良い点はかなり革新的な親切設計になっていて使い勝手に影響しますね。
クリーチャー中心のデッキであれば7枚は少なくない枚数なので、ふんわりちょうどマナ+1のカードを探すことも難しくないかもしれません。上手い構築が見つかれば何かするかもしれませんね。
概ねリミテッドで目にするカードだとは思いますが、「追加で+1/+1カウンターを置く」という誘発型能力を与える能力です。特にリミテッドでよく見かける「+1/+1カウンターが置かれたとき」の誘発型能力を持つカードのサポートカードですね。
実は土地でもエンチャントでもなんでも乗せる+1/+1カウンターを追加してくれるので、例えばオゾリスといったカード等がより使いやすくなりそうですね。
また、+1/+1カウンターが乗った状態で戦場に出る効果でも能力が誘発するので、例えばエルズペス、死に打ち勝つでプレインズウォーカーを戻して+1/+1カウンターを置いた場合もちゃんと追加でカウンターが置かれます。
移植1を持つ土地のラノワールの再生地、同じく接合1を持つ土地の魔力倉庫も同様ですね。
込み入った盗用
このカードもマリオネットの見習い同様のルール文章の重大な誤植です。
任意の色の支払いにする部分に翻訳ミスがあります。英語でその部分は"you may spend colorless mana as though it were mana of any color to cast that spell"なので、「その呪文を唱えるために無色マナを任意の色のマナであるかのように支払ってもよい」です。使用の際にはちゃんと無色マナを用意しましょう。
高名な装置技師、ケイス
記事掲載時時点でMTGアリーナ上のマナ・コストが本来とは違っているみたいです。
画像のように本来のコストから{1}マナ減って、3マナと表示されており、実際にプレイする際も3マナで唱えられてしまうようです。
注意喚起のために過去の例を一つ紹介します。
上記カードはマジック・オンラインで重大なバグを引き起こしていたカードで、特定の方法で対戦相手が一切の操作ができなくなりマッチ勝利することができていましたが、この問題にはウィザーズは厳格な対応をして悪用していたアカウントのBANをしていたようです。
ケイスの場合は気付かず使ってしまうことも多そうなのでそこまで心配する必要はないとは思いますが、念のため公式からのアナウンスがあるまで使用は避けておいた方がいいかもしれませんね。
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