図3

「アイデア」を思いつく人がやっている5つのこと

皆さんこんにちは。ギャプライズ鎌田(@kamatec)です。

僕は普段Webマーケティングのコンサルタントとして、クライアントのサイト改善提案をする機会が多いのですが、その中でも割とよく聞かれる質問が、

「どうやってそんな改善アイデア思いつくんですか?」

という質問です。

でその質問に対して「色んなジャンルの人と話す」とか「色んなサイトを見て実際に使ってみる」とか答えていて、それはそれで嘘じゃないんですが、イマイチ再現性がないし、他にも無意識的にやってることあるよなーと思っていました。

そんな中最近いくつかの記事を見る中で、クリエイティブなアイデアを出す人が共通してやっていることがあるのではと思ったので、今日はそれをここに留めておこうと思います。

考えるきっかけになったのは下記2つの記事を見た時です。

それぞれ編集と料理という異なるジャンルではありますが、いずれもクリエイティビティが求められる世界。そんな中第一線で活躍される方々が共通してやっていること。

それは、

1.アイデアの種に触れる
2.アイデアを具体的要素に分解する
3.分解したら整理してストックする
4.ストックした要素を実践で使う
5.上記1~4を日常的に繰り返す

なのかなと。今まで言語化できてなかったわけですが、自分自身も割と上記を無意識的にやっているなと思ったわけです。

でこれだけ書いてもよくわからないと思うので、自分が普段やっていることについて、例を交えてご紹介します。

アイデアを具体的要素に分解してストックする

では具体的にどのようなことをやっているのか、僕の場合どのように「Webサイトの改善アイデア」を出しているのかという点について、事例を交えて紹介します。

まずは良質なアイデアの種に触れることが最初のステップになるわけですが、これはとにかく色々なサイトに触れるということです。まあただ闇雲にサイトに触れるよりも、なるべく競争の激しい業界、変化の激しい業界のほうが、生存競争に勝ち残っている良質なアイデアの種に触れやすくなります。

例えば僕がほぼ毎日と言ってもいいくらいチェックしているのが、Booking.com です。なぜかというと、OTAと呼ばれる競争激しい業界の中で、とにかくありとあらゆる点が日々テスト・改善されているからです。

少し古い記事ですが、どれくらいテストしているかは下記に紹介されてます。

ではアイデアの種からどのような具体的アイデアに昇華させているのか、Booking.comさんを例に挙げさせて頂き、少し紹介したいと思います。

では皆さん、

「急な出張が入った!明日泊まるホテルを取らなければいけない!」

というシチュエーションを想像してみてください。

Booking.comで探してみると日付も近いためか、めぼしい宿は満席、やっと見つけた空いているホテルをチェックしてみると、ページには下記のような表示が!

どうでしょう?

皆さんこれ見て焦りませんか?もしかしたら今予約しないと他の人に取られるかもしれない。ならば今予約しなくては!となりませんか?

この感情が揺り動いた瞬間、これがアイデアの種です。
ただしこのアイデアの種を、

そうか!「○○人が○○を見ています」と表示すればいいのか!

という理解では、実際に使えるアイデアにはなりません。アイデアが出ないと悩んでいる多くの方はココから先、分解するプロセスを踏めてないのではというのが僕の仮説です。

ではこれをどのように因数分解しているかを自身を例に解説します。僕はマーケティングの要素を大きくは

「誰に」「何を」「なぜ」「いつ」「どこで」「どのように」伝えるか?

で分解して考えるようにしています。これが料理であれば先の記事に書いてある「焼く、炒める、煮る、蒸す、揚げる」だったり、業種業界によって分類の型は違うと思いますが、サイト改善のアイデアに関しては割と上記で分解できます。偉そうに語ってますが、いわゆる5W1Hです。

今回の例でいえば

誰に…急いでいる人
何を…○○人が見ているという具体的数字
なぜ…なくなってしまうという焦りを与える
いつ…アクション前最後のひと押し
どこ…詳細ページのファーストビュー
どのように…赤で緊急性をもたせる形で

まずこうやって整理整頓してストックしておくことで、あとで引き出しやすいように整理しておく。これが自身のアイデアの元となる保管庫になります。

ただし、保管しただけでは使えるものにはなりません。このストックしたデータを組み合わせて引き出す訓練を日常的にすることで血肉になっていきます。

例えばどういうふうに引き出すかも少し紹介します。

アイデアの引き出し方

では実際にストックしたアイデアをどのようなプロセスで引き出しているのか?ここではヤフーショッピングの改善提案をすると仮定して、実際のプロセスをご紹介します。

例えば商品詳細ページまで来ているユーザーに、何かしら最後のひと押しをして購入を促進したいなと考えます。

そこでアイデアボックスの登場です。脳内で

「最後のひと押し 詳細ページ」

と検索して、ストックから使える要素を引き出します。

先程の「○○人が見ています」というアイデアは、「詳細ページ」の「最後のひと押し」で使えるというラベルを貼ってストックしてあるので、活用出来る可能性が高いアイデアとして引き出されます。ポイントとしては最低でも2軸以上の検索ワードで引き出すことです。1軸では共通項が薄すぎて使えません。

あとはそのアイデアを業界や商材にあった見せ方にアレンジすることで、アイデアを具体案へと昇華させるのです。

ちなみに実際、ヤフーショッピングでは商品詳細ページにて以下のような訴求が出てきます。

このようにアイデアを実際にストックから引き出し、そしてアレンジしてアウトプットすることによってそのアイデアは定着し、次回以降より鮮明なものとして引き出すことが出来るようになるのです。

そこから更に定着度を上げる方法としては実践することです。

僕の場合は改善案を実際にABテストをして結果まで確認することでそのアイデアが使えるか否かまでを脳内データとしてストックしています。

冒頭に挙げた方々も、料理であればお客様のリアクションであったり、漫画であればその売上・顧客の声によってフィードバックを得ることで、そのアイデアに対する検証と改善を繰り返しているのではないでしょうか。

あとはこれを日常的に、無意識レベルで、気づいたらやってしまっているレベルまで持っていき、膨大なアイデアを蓄積することで組み合わせのパターン数を増やしていく。

これがクリエイティブなアイデアを考えている人が日常的にやってることなのかなーと。

はじめたきっかけ

ちなみにこの記事を書きながら、なんで自分はこういうことをやるようになったのかなーとか考えていたのですが、恐らく僕の場合は下記のビデオを見てから、意識的にやるようになったんだと思います。

この中で

「笑いの要素を分解して、なぜおもろいかの共通項を見つける」

って話しがあるのですが、これ見たときに「笑い」という自分の中で最もセンスが必要と思っていたものが、実は分解出来るっていうのに衝撃を受けて、それ以来「感情」を分解して考えるっていうのをやり始めたのかなーと思います。

「紳竜の研究」はそれ以外にもマーケティングへ活かせるエッセンスが詰まっているので、見たことのない方はぜひ見てみてくださいね。

それではまた次回。

【ABテスト関連記事】

ABテストツールの選び方がわからない」という方向けに、失敗しないABテストツール選びのポイントをまとめました。よろしければご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?