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#3 「社会福祉協議会会長 兵藤芳郎氏に学ぶ、鎌倉の⾄るところに存在する素晴らしい『⼈間⼒』」

 社会福祉協議会には、⾼齢者の⽅や障がいのある⽅、⽣活困窮者の⽅などを対象とした、あらゆる分野の福祉を⽀える役割があります。
 福祉とは、社会の根底であり、⽣活の根底だと思っています。そういう意味で、福祉を成⻑させていくことが必要なのですが、私だけでそれができるわけではありません。
 2021年6⽉より、社会福祉法⼈鎌倉市社会福祉協議会の会⻑を務めさせていただいていますが、何よりも⼤切にしているのは職員です。職員あっての社会福祉協議会であり、鎌倉の福祉です。職員を通じて⾒聞きしたことは、私にとって宝です。それを糧に、⾃分の仕事をやっていこうと思っています。
 鎌倉に住んでいる⽅々に「鎌倉の福祉はいいね」と思っていただけるよう、鎌倉の福祉を底上げしていきたいです。⾏政だけではできないこともあるので、そこを社会福祉協議会でしていこうという思いを持っています。

 「重層的な相談業務」ということで、お⼦さん⽅、⾼齢者の⽅、障がいのある⽅、生活に困窮している方を対象に、⼀法⼈にだけ任せるのではなく、⾏政にも⼊ってもらって、鎌倉全体で問題を共有し、解決していこうという取り組みを、2021年11⽉から始めました。完全に解決するというのは、なかなか難しいことです。福祉を必要とする⼈の背後には、家族・仕事・住居・人間関係・収入のことなど、いろいろな課題が隠れています。単にお⾦をお渡しすれば良い、というわけではありません。どうすれば、少しでも良い⽅向に向かうことができるか。何をして差し上げれば、⼀⼈でも⼆⼈でも、ひと家族でも、ふた家族でも、⼤変な思いをしている⼈たちの⼿助けができるのか。それらを考えなくてはなりません。

兵藤会長2


 この取り組みには、当初、本当に⾃分たちでできるのかという不安もありました。ですが、私たちがしなかったら、どこがやるのかと。社会福祉協議会で挑戦してみようよということで始めました。困難にも⽴ち向かって、少しでも多くの⽅々の笑顔を増やすことができれば、私たちは⼗分に仕事を果たしていることになる、そんな思いを持っています。⼤変というよりも、やりがいを感じているところです。
 社会福祉協議会の会⻑として、今後も、⾃分なりにやれることはやっていきたいと思っています。きちんとした⽬を持ち、⾃分の経験も⽣かしながら、社会福祉協議会の本来のあり⽅を追求しつつ、新しいことにも挑戦していきたいです。もちろん社会福祉協議会だけでできることではありません。
私は、⼤学卒業後に鎌倉市役所に入職しました。それから、鎌倉市副市⻑や公益財団法⼈鎌倉⾵致保存会理事⻑、社会福祉法⼈ラファエル会理事⻑などを務めさせていただきましたが、それらの職務を通じて知り合った他地域の⽅々からは、「鎌倉はいいところですよね、羨ましい」とよく言われます。
鎌倉の魅⼒は、多種多様にあると感じています。⾝近に、豊かな⾃然があります。歴史や⽂化も根づいています。街並みも良いです。
 とりわけ、鎌倉の価値は“⼈”にあるのではないでしょうか。素晴らしい⼈たちがたくさん住んでいるところが、鎌倉の⼀番の魅⼒だと思います。まさに「⼈間⼒」が、鎌倉の⾄るところに存在しているのではないでしょうか。鎌倉の良さを支えています。
 この⼈間⼒を中⼼とした鎌倉の多様な魅⼒を⽣かして、鎌倉はまちづくりをすすめていかなくてはならないと考えています。そして、私たちは、この鎌倉の魅⼒を引き継ぎ、次の世代につなげていかなくてはなりません。
 いまの鎌倉が、なぜこういう⾵になっているのか。誰かが相当な努⼒をし、何らかの⼯夫があったからこそ、いまの鎌倉があると思います。次の世代を担う⽅々には、そういった歴史を学んでもらって、鎌倉への関⼼を⾼めていただきたい、⾃⾝でできることを実践していただきたいと思います。

兵藤会長3


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