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2022年のボジョレーヌーボ事情

38年前、七里ヶ浜高校から招請され産休代替教員として赴任するべく高輪から転居して初めは鵠沼藤ヶ谷,江ノ電柳小路駅が最寄りの平家の借家に住んだ。その年の秋、11月第3週木曜日の解禁日にどこの酒屋さんを探してもボジョレーヌーボは見つからなかった。ビックリして1ヶ月後の船便を待てばいいか、と思っていたら、しばらくして当時渡仏していたすぐ下の弟のところに遊びに行っていた高輪の知人が、お土産といってフランスで安価に売られてたから、との情報とともに新酒2本を届けてくれた。2年後鎌倉腰越に小さな家を建てた最初の秋、その日が来て近所の酒屋さんを探しても、やはりボジョレーヌーボの取扱いはなく、あの時はどうしたんだったかな、横浜まで探しにいったんだったろうか。途切れはしなかったはず。やがてすぐバブル期到来し、世界最速でボジョレーヌーボが堪能できるとかで、誰でも何処でも入手可能となって、流行後はコンビニでも買えるようになった。それ以後の認知度は説明不要だろう。この時期毎年大騒ぎが続いて,歳時記にも加わった。
むやみに高値の新酒もあったが、だいたい2000円前後で楽しめる、個人的風物詩で年月を重ねてきたが、今年は円安直撃で、我が家の近所限定かも知れないけれど、コンビニや安売り酒屋さんでの扱いなし。きちんとしたスーパーでも申し訳程度の本数販売という激変ぶりに加えて、最も一般的なジョルジュ・デュブッフがフルボディ3000円超えという驚くべき高値!黄桜,大関みたいなもんでしょ。ボジョレーヌーボは、安価なワインなんです,本来は。
個人的には2000円超えは高級ワインだから、ジョルジュ・デュブッフのボジョレーヌーボ3000円超えなんて納得できない。それでも、結局,買っちゃうんだけどね。しかし、サラッとした味わいであるべき新酒が、あまりの高値のせいで、どこか重みある味わいな気がして、なんか楽しめない。いかんよ、これは。 
せっかくの風物詩を堪能できない晩秋の一夜です。参ったなぁ。

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