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鎌倉の初鰹のはなし

こんにちは❣
ちょっとご無沙汰気味の図書館たち読みひろい読み、さぼっていたわけではないのですが、すみません。令和4年度もできる限り頑張っていきたいと思っておりますので、暇なときにはのぞいてみてください。

さて、このところ図書館に関する告知が続いておりましたので、本日はこの季節に合わせたよもやま話をお届けします。
とはいえ、5月も終わってしまったので、ちょっとばかり旬を外したネタになってしまったのはご容赦ください。
では、気を取り直して。

皆さん、かつおはお好きですか?

春と秋、年に2回旬を迎える鰹ですが、この時期の鰹は脂肪分が少なくさっぱりとしているのが特徴とのこと。軽くあぶったタタキをたっぷりの薬味とともにいただきたいですね。
そんな鰹は初物の代表的な存在でもあり、こんな句もあります。

「目に青葉 山ほととぎす初鰹」(山口素堂)
「鎌倉を生て出けん初鰹」(松尾芭蕉)

で、ここがポイント👆この2つの句に出てくる「初鰹」、実は鎌倉で捕れた鰹のことなのですよ!😲

「むかしは、五月に入るとかならず由比ガ浜の波打ちぎわのどこかに朝早く烏帽子をつけた鰹が一尾跳ねあがり、それを最初に見つけた漁師はすぐにその鰹を鶴岡八幡宮へお初穂として奉納することになっていたといいます」

『かまくらむかしばなし』(澤寿郎/かまくら春秋社)

烏帽子えぼしをつけているかどうかはともかく、鎌倉で鰹が捕れたのは本当の話。江戸時代、捕れた鰹はすぐに船で江戸に送られたといいます。一刻も早く食べたい江戸っ子は、品川沖まで船で出て、鎌倉からやってくる船を待ち受けるのです。
船が見つかると漕ぎよせて、一両小判をぽんと投げ込む。そうすると相手の船からカツオが一匹投げてよこされるので、それを大急ぎで持って帰ったそうです。せっかちすぎるぞ江戸っ子!
初物を食べると寿命が延びるとかで、某番組でも初物を食べようという企画で、必死に初物GETしようとする姿を見ますが、逆に寿命を削っているのではないかと思うのは私だけでしょうか?それとも、そこまでするという気概で若返ったりするのかしら???いや、好きですよ、あの企画。

それはともかく、この鰹一匹一両って今の円にするといくらくらいなのでしょう?気になりませんか???

江戸時代のお金の換算はすごく難しいのですが、この話の18世紀ころでは6万円くらいでしょうか。鰹一匹6万円‼さすが江戸っ子、宵越しの金は持たねえぜ てやんでぇ!ってな感じでしょうが、庶民は一両なんてお金を持ってはいませんよね?「初鰹は女房子供を質に入れてでも食え」とか言われていたらしいですが、そんな、ねぇ(-_-;)。みんなでお金を出し合って買ったのかな?

そして、なんと!この鰹を追いかけて鎌倉沖にはくじらもやってきていたそうです‼特に江の島沖にはよくあらわれ、腰越では10メートル以上の鯨が打ちあがったこともあるとか。そういえば、由比ガ浜にもシロナガスクジラが打ち上げられましたが、あながち間違ったことではないのかしら。現代では、鎌倉で知名度のある美味しい魚と言えばシラスですが、大きな鯨が鎌倉沖で潮を吹いている時代もあったのですね。

おまけ

一両いくら?という話がでたので、昔のお金に興味のある方は、こちらも見てみてはいかがでしょうか。