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ピースのつもり(3月18日)

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実家から贈り物が届いた。


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定形外源氏パイ。


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「羽衣あられ」が入っていて興奮した。このお菓子知ってる? めちゃ好きなのよ。実家には当たり前のように常備されていたけど、他所ではあまり見たことがないな。

薄っぺらな形のあられで食べやすく、ぼりぼりと歯応えのあるお菓子だ。妻はこの商品どころか「あられ」自体を知らなかったので、僕が思っている以上にマイナー菓子なのかもしれない。ちなみに、あられとは小さいサイズのおかきのことだ。


ふと気になって調べてみたら、どうやらブルボン最古のお菓子らしい。そんな由緒正しい奴だとは知らなかった。西日本では人気だけど、東日本ではあまり知られてないんだって。公式ホームページでは神田伯山さんがPRを務めているが、彼もあられを知らなかったらしい。

全体的に「みなさんご存知ないでしょうが…」みたいな部分を表に出したプロモーションをしていて、「いやいや! 僕は知ってるよ! 好きだよ!」と声をかけたくなる。まんまと術中にハマっているということだろう。


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※公式ホームページより

他の商品と知名度を競うキャンペーンなんかも行われていたみたいだ。


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※公式ホームページ

勝てる相手しか選んでいない。意外と姑息な手段を使うんだな。いくら知名度が低いとはいえ、全国流通している羽衣あられをご当地ものと競わせるのはズルいだろ。


福岡の実家からの贈り物には、ご当地お菓子など東京では手に入りにくいものが詰められている。巧妙に里心をつけさせようという魂胆である。しかし、この羽衣あられは実家では当たり前すぎる存在なので、今まで送られてきたことがなかった。

久しぶりに食べたけど相変わらず美味しかった。妻と半分こするはずだったがどうにも止まらなくなって一人で食べ切ってしまった。バレたら怒られると思う。


羽衣あられの他にも、福岡名物なんばん往来や明太子、あとは思いつきで詰め込んだのであろうお菓子がぎゅう詰めにされており、生モノの明太子の巻き添えになる形で全てのお菓子が冷凍されて届いた。

母はこの世の全てを冷凍して良いと考えているのか、仕送りをするときは明らかに冷凍の必要がないものでもコールドスリープさせて送ってくる。以前、明太子の隣でリンスインシャンプーがカチコチになっていたこともあった。


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同封されていたメモ書きもキンキンに冷えているので毎回笑ってしまう。

届いた段ボールを開け、これは冷凍庫に…これはお菓子の棚に…と仕分けしてしばらくすると、お菓子箱の霜が解けてふやふやになってくる。このふやけたお菓子のパッケージを見ていると、「あぁ〜実家だな〜」と思う。

お菓子の他にも、今回はこんなものが入っていた。



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つくしだ。

カチコチに冷凍されたつくしが入っていた。



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実家では春になるとつくしを採って佃煮にする風習がある。僕はこのつくしの佃煮が子どもの頃から好きだったので、母は春になると仕送りの中に潜ませてくるのだ。


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ただ、この状態で届いたのは初めてのことだったので面食らった。これを食えと???

多分、母のことなので「佃煮の姿だと春っぽさのなかけんね。元のつくしも入れちゃろ〜」と思ってのことだと思う。だとしても、この格好でつくしを送るか? 研究機関に送るサンプルだろコレ。

妻はつくしの佃煮を見るのは初めてなので興味深げに眺めていた。最近はお互い忙しくて晩ご飯を揃って食べることができていない。落ち着いたら解凍して食卓に出そうと思う。

母にお礼の連絡をすると「ちゃ〜んと洗ったから犬のおしっこもついとらんばい!」と返ってきた。余計なことを言いやがって。妻も「そういうリスクあるんだ」と息を呑んでいた。我が家の食卓に犬の尿を想起させないでくれ。




昨日の日記が思いのほかたくさんの人に読んでいただいて、「そんなにショッキングな出来事だったんだ」と他人事みたいに思っていた。皆一様に戦慄していたが、僕は泣けるだけ泣いたのでもうどうでもよくなっている。何もやる気が起こらない。

うちの社長も「弁護士紹介するから!」と言ってくれたけど、今は不思議と全ての声がくぐもって遠くから聞こえるので生返事を返しておいた。鼓膜がダルダルになっているのかもしれない。


「せめてもの足しに」と金銭のサポートを施してくださる方もいた。本当にありがとうございます。

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ヨッピーさんからもジム会費ひと月分の支援をいただいた。このおっちゃん、やっぱカッコいいな。こんなことならひと月8万円とか嘘を書いておけばよかった。

ご支援下さった方々、支援などなくとも日記に目を通していただいた方々ももちろん、本当にありがとうございました。



膨大な量の「続報を待ってます!」をもらったが、続報はない。問い合わせメールの返信がまだきていないからだ。このまま無視されたらどうしようね? みんなからいただいた支援がジム会費の返済に溶けていくことになるのかな。

「消費者センターに問い合わせろ」と言ってくれる人もたくさんいたが、とにかく現状は不明瞭な点が多いので、何事もジムから返信を受け取ってからだと考えている。それまでに肉をいっぱい食べて戦う気力を培っておかなければならない。



「月9000円も引かれているのに気づかないなんてありえる?」とも言われていた。それについては僕もそう思う。お金に関してズボラなので、その辺は全く把握していないのだ。

その一方で、この指摘には無作法ながら言い訳したい気持ちもある。同じ状況に陥ったとき、あなたはこの出金に気づけただろうか。

なにせ僕もまだ今の状態を正確には把握していない。なぜならジム会費が引き落とされている口座は、僕の知る限り存在しないはずだからだ。


僕は3つの銀行口座を持っている。

①今メインで使っているネットバンク
②大学生の頃に使っていた地方銀行
③新卒で入社したとき給与口座として開設したもの

引き落としが発生するのはこのうちのどれかであるはずだ。しかし、僕が確認したところスポーツジムの月額費はどれとも紐づいていない。毎月9000円の出金など、どこを探しても見つからないのだ。怖くなってきたね。これってどういうことなんだろう?

これまで別件で支払いが滞り督促の連絡を受けたことは、恥ずかしながら何度も経験がある。しかし、そのタイミングではスポーツジムは何も連絡してこなかったのだ(だから9年間気づかなかった)。そして、全ての口座に余裕があるこのタイミングでなぜか9年ぶりに連絡をよこしてきたのである。全く不可解な動きだが、この点を踏まえても、上記3つとは独立した関係であるように思える。


考えられるケースは以下の2つだ。


(1)僕が覚えていない口座があって、9年間そこから月会費が引き落とされていた。

正直にいえば、一つだけ心当たりがある。新卒で入社した会社では給与口座とは別に、立替経費を精算するための口座を開設していた。仕事で電車代などを立て替えた際、その分のお金が会社から返ってくるがなぜかそれ専用の口座を作らされたのだ。第4の口座である。

今の今までその存在を忘れていたくらいなので、もちろんこの口座はもう使っていない。恐ろしいことにキャッシュカードのありかも一切不明だ。もし、この口座とスポーツジムがグルだとしたら、今回の事態も納得である。

しかし、あくまで立替精算用なので、この口座には大した金額は入っていないはずだ。使っていた当時もせいぜい数千円のお金がちまちま出入りしていた程度で、9年間もスポーツジムに会費を献上できる体力を持っているとは到底思えない。

こいつが無罪となったらもうお手上げである。僕にはもう思い至る口座が一つもない。スポーツジムはどこから金をとっていたのだろう。問い合わせのメールがまだ返ってこないことには、もはや確認することができない。



当初は「自分の知らない口座がある」と思い込んでいたが、その後もう一つの可能性に思い至った。もしこのケースだった場合、僕はとても悲しい思いをすることになる。


(2)昨日の督促の連絡は「今月分の引き落としができません」ではなく「これまでの滞納分を払え」という内容である。

要するに、僕は昨日受けた電話の内容を「これまで引き落とししていたけど、残金が尽きたみたいだから連絡をした」というものだと思っていたが、「ず〜〜〜〜〜っと我慢してきたけど、これ以上の滞納は許さない。お前いい加減に払えよ」という内容だった可能性がある。

大昔に口座がそこをつき支払いが滞ったタイミングで請求がとまり、それから数年の時を経て満を辞して回収にきたのだとしたら? 僕は督促の電話がくるまで気付きようがないし、その後も支出の履歴を追うこともできないだろう。そのくらいじゃないと、口座に履歴が残っていない説明がつかない気がするがどうだろう。

僕は昨日電話を受けた時点でかなり動転していたので、請求額について確認を怠っている。てっきり9000円分の振り込みを要求されるものだと思っていたが、振り込み用紙が家に届いた時、そこには「97万2000円、耳揃えて返せよ」と書いてあるかもしれない。

もしそうなったら、僕は海外に逃げるよ。みんなとはこれでサヨナラだね。

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