社会人に必要な「学校」の機能

記事で語られている「学校」について思っていることを書く。

「働き始めてからの方が勉強の大切さが分かる」という話はよく聞く。「だったら、本でも買って勉強すればよいではないか」という反論も同じぐらいよく聞く。

「過去のお前は『学校行って勉強する』。今のお前は『本を読んで勉強する』。そこになんの違いもありゃしねぇだろうが」

違うのだ!!

何が違うのか、といえば、締切の存在と、締切を監督する存在である。

人は「◯月☓日までに、これをやりなさい」と締切を提示されないと動かない。稀に、自分自身を追い込んで勉強する人もいるけれど、趣旨とズレるのでさておく。

この締切と管理を提供しているのが学校というサービスである。

広告として「分野の専門知識を提供する」「資格が取得できる」を掲げる学校が大半だと思いますが、それだけなら市販本で事足ります。テスト問題が必要なら、資格試験を受けるなり、問題集を解けばいい。

社会人に必要な「学校」の機能、つまり「自分で本を読んで勉強するのと、学校に通うことの違いはなにか」といえば、締切と締切を管理する人の存在なのです。

話はここで終わり。

あと、社会人向けの学校について個人的に思ってることを書きます。

・資格系の専門学校。

生徒としての体験談。「◯◯資格を取るなら」や「エンジニアになる」といった系統の学校のことです。広告の名に恥じず、資格取得の支援は当然、就職支援もしてくれたりします。生徒はお客様なので、講師も受付の人も親切です。授業料も高めですが、補助金で半額ぐらい賄えたりする場合もあるので、授業料だけが悩みであれば学校に相談しにいくと色々教えてくれます。ただし「資格が役に立つか」「自分が望んている仕事内容か」については罠も多いので、入学前に『その学校以外の窓口を使って』(ここ大事)自身でちゃんと調べましょう。

・大学のMBA講座

体験談ではないです。MBAや経営学などの講座を以前調べました。授業料が専門学校並に高い上に、客観的な証明(資格とか)に使えないので、割高な印象でした。生徒の属性をググってみた印象では、自腹で通うというより、大企業にお勤めの方が会社に払ってもらっていく、という印象でした。個人的にはもっとも縁のない話。

・有料ワークショップ・セミナー

生徒側、開催側、どちらも体験済み。入門者向けの情報をスライドにまとめて、『ノウハウ』と称した講師の経験談(雑談)で間をつなぐ形式がよくあります。受講している間は楽しいですが、受講後に資料を見返してもほとんど内容は思い返せませんし、大量に言われた「受講後によかったらやってみてください」をやる気にもなりません。価格はブランドによって異なるので、相場は存在しません。楽しむ目的で行くならアリです。

・資格取得の通信講座

生徒側の体験談。テキストを元にした講義の動画付きと、テキストのみで動画がないパターンがあります。特にレポート提出やテストがあるわけではないので、勉強スタイルは「本読んで勉強」とあまり変わりはないです。授業料は、単なる教材代として見て判断するのが良いと思います。個人的には、「モチベーションはあるんだけど、市販本の内容が難しくて挫けそう」なら、選択肢にいれてもいいかも、ぐらいです。

・放送大学

生徒側の体験談。現在も生徒です。テキストを基本として、動画講座か音声講座があります。どちらもインターネットで視聴可能ですが退屈なのが多いと思います。看護師や臨床心理士など資格取得を目的とした講義もありますが、私はよく知らないです。専門知識を得るというよりは、教養を得るのが主目的です。私は基本的にはテキストを読むようにしています。学期末=年に2回、テストがありますが、大半はテキストを一通り読んで過去問やれば解けるレベルです(英語や数学などは反復練習必須)。授業料は総額だと70万円近くになります。ただ、学期ごとの支払いなので、4年で卒業なら半年ごとに9万円ぐらい、最延長8年で卒業なら半年ごとに4.5万円程度です。個人的に好きな科目は「移動と定住の社会学」「海から見た産業と日本」「世界文学への招待」です。
「締切」がほしいならコレで良いのでは、と個人的イチオシです。

といった感じです。


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