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エリーツライブレポレポ

 5月16日。日曜日。ナ-35,36。
 東京流通センターでやってた文学フリマ東京に行った。午前中は中学のときの友人たちと草野球をしていて、少しだけ疲れてたから本当は行 くかどうか悩んでたんだけどこのイベントを口実に昼食のお誘いを断ってしまったから行くことにした。
 実はこの文学フリマ東京が僕にとっての初めての同人誌即売会で、普段から興味関心を向けているコミティアやコミケといったイベントより先に文学のイベントに参加することになってしまった。関西にいるときから近くで様々な同人誌即売会等のイベントがあることは知っていたが、カタログを買うのがめんどくさいだとか乗り換えがいっぱいあって大変そうだとか何かと理由をつけて避けていた。ここまで機会があったにもかかわらず避け続けていると、同人誌即売会になにかしら強い思いが生まれそうだけど、初めてだからといって特に過度な期待や不安は抱いていなかった。ただ近くて入場がフリーでいつも読んでる文章を書いている人が書いた文章が売られてるので、行った。
 東京流通センターには浜松町からモノレールに乗って行った。モノレールに乗るのも初めてだったかもしれないけど電車に興味がないので分からなかった。モノレールは普通の電車より多分遅くて、電車に興味がないから本当にそうなのかは分からないけど、距離の割には乗ってる時間が長くてその分ぼんやり考える時間が増えた。そのせいでなんとなく最も参加に近いことをしたコミティアについて考えたりしていた。最近のコミティアはコロナのせいでなくなったりなくならなかったりしてたけど、去年の秋ごろに参加しようとしたコミティアはちゃんと開催されて、しかも自分の原稿も完成してたのに、印刷するのが面倒だとかそもそも会場まで行くのが面倒だとか適当に理由をつけて一般参加すらしなかった。多分一番の理由は人に見せるのが恥ずかしかったからとかいう、ありがちな理由だった。でも一番の理由が一番重要というわけでもなくて、とりあえずコミティアが開催されるかどうかや参加への心理的障壁が解消されるかは今考えてもしょうがないからとりあえず思い立ったときに作るだけ作っておくのがいいのかなとぼんやりと思った。


 駅に着いて文学フリマの会場となっている建物へと向かう。初めて来た施設だったから道が分かるか少し不安だったけど同じ電車から降りた人たちと同じ方向に歩いたら入り口まで難なくたどり着けて、全然絶望的な気分にもならなかった。イベント会場に着くと出入口で検温やアルコール消毒といったここ一年ですっかりと慣れ親しんでしまったお決まりをやることになっていて、無意識のうちにそれらのことを行いながら会場を眺めていると、なんだか明るく和気あいあいとした雰囲気で拍子抜けしてしまった。こういったイベントはテレビのニュースやバラエティでも取り上げられることが偶にあって、そこで映像を見ていたどんな雰囲気かは知っているはずだった。同人誌即売会というのはライブハウスのように暗くてスモークがかかっていて見通しの悪い、じめじめとしたオタクの集まりではないことは流石に分かっていたはずなのだが、なんとなく拍子抜けしてしまった。やっぱり過度な期待や不安を少なからず抱いてしまっていたのだと思う。でもそれは仕方ないことだと思うから許して欲しい。初めてだったし。


 僕がもともと行こうと思っていたサークルさんは一つだけで場所も分かりやすかったので他の参加者さんたちは色んなサークルさんを見つつゆっくり歩いていてたけど、僕はお目当てのスペースがある一角へと早足で向かった。
 行こうと思っていたサークルの名前はエリーツといって、そのサークルのスペースの前は他のサークルさんと比べても有意に賑わっていた。そこではサークルの人たちと参加者さんたちがテーブルをはさんで談笑なんかしていて、僕がイメージしていた"同人誌即売会"という感じの光景がひろがっていて感動した。だけど僕は同人誌即売会初心者で、今日は本当に『ELITES vol.3』を買いに来ただけのお客さん気分だったのでサークルの方にまともに話しかけることもできず、スペースの前でうろうろして人が少し減ったタイミングでお目当ての同人誌を購入した。本当に名のある小説家の方がその本を手渡してくださっていたが残念ながら電車と同じくらい興味がなくて申し訳なく感じた。知らないことで価値が失われるというよりも知ることによって価値が生まれるのだと考えると素敵だなと思えるかなと心の中で知らないことへの言い訳をしていた。


 同人誌を手に入れて、文学フリマでやることが全て終了してしまったのでとりあえず落ち着いてTwitterに「エリーツ同人誌買えた」とだけ呟いた。Twitterを開いたときに『ななどなどなど』の宇崎うそ先生に何日か前に描いた7D-Oさんのファンアートをリツイートされていたことに気づいて普通に嬉しくて頭がふわふわし始めていた。ふわふわした頭のまま会場をうろつきながらTwitterを見ているといとうくん(前述のいつも読んでる文章を書いている人)からリプライが来ていて、エリーツのスペースに居たらしいので会いに行った。
 スペースに行くとすぐこちらを見付けて話しかけてくれた。ずっと頭がふわふわしていて、その状態で話し始めたので多分ふわふわしたことを言ってたんだけど、頭がふわふわしていたので最初の方はなにを言っていたか本当に覚えてない。同人誌を買ってすぐでまだ全く読んでおらず、文章の話をすることも出来なかったので、とりあえず最近僕が見始めたプリパラの話をしてお茶を濁そうとした。オタクはすぐアニメの話をしだすので本当に気持ちが悪い。プリパラの話はそこそこ盛り上がった気がしてよかった。その後、話の流れでコミティアの話題を振られて、コミティアについてはちょうど行きのモノレールでぼんやりと考えていたことだったので本当に驚いてしまった。自分がコミティアで作った創作物を思い出してると今日の僕は一般参加者でなにも作ってなかったのにも拘わらずだいぶ前のコミティアの作品について激励をいただいてとても恐縮だったが同時に作品を見てくれているということは本当に嬉しいんだなと実感した。なんだかんだこういったイベントで同様に創作をしている人同士が会うのは、単純に楽しいだろうしそういった活動を続けていく上でも本当に必要な刺激になるんだろうなとも思った。話していて次は僕も作品を作ってイベントに参加してみたいと切に感じた。東京に来てよかった。
 その後も少しだけ当たり障りない会話をして、またこういったイベントで(今度は僕も出展側として)会えるといいですねと言って、別れた。
 

 エリーツのスペースを離れてからは本当になにもせず真っ直ぐ出口に向かった。行きと同じようにモノレールに乗って帰った。空いていたので席に座っていとうくんの『エリーツライブレポ』を読むことが出来た。いつも横書きの文章ばかり読んでいたので縦書きというだけで緊張感があった。読んで思ったことを上手いことびしっと言おうとしたけど僕は文章のことが本当に分からないので好きだと思ったところだけ挙げたい。といっても好きなところは大体この記事で丸パクリしていて、直接挙げられていないところは”こんなことばっかりだ。”ぐらいだと思う。エリーツライブレポのレポの部分が一番短くなってしまったけど、僕は文章よりそれにまつわる出来事を忘れないように書き留めておきたかった。


 この記事の文章もサムネイル画像も他人のパクリばっかりなんだけど、僕もオリジナルで戦えるようになりたい。なんてことを考えてたら、浜松町からの乗り換えで逆回りの山手線に乗ってしまって、パクリが過ぎていて少し笑った。

かまばたー
2001年香川県生まれ。2020年上京。大学生。インターネットにイラストをあげてる。https://twitter.com/kamabata_kakaka

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