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考え遊んでまわせまわせ

尾鷲"海と森”コース/3回目/2021年3月12~14日
三重大学生物資源学部所属

どうも、かまざえもんです…いやどうもどころじゃなくて超お久しぶりです。前回の更新から5か月もほったらかしにしてしまい、申し訳ありません。昨今の情勢(建前)と中の人自身の怠惰(本音)によりここまで引っ張ってきてしまいましたが、何とか時代に追いつかせます。

ということで今回は第3回の様子をお送りします。過去の実習記録は下のリンクからぜひどうぞ。

実習前の至福の28分

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相変わらず紀勢線の旅から始まるわけですが、尾鷲班は毎回の実習において多気9時43分発の新宮行き普通列車を利用しています。この列車、最寄駅にお昼頃に到着できるものの、途中の紀伊長島で28分のバカ停(いわゆる長時間停車)をしれかすという特徴を持っています。

その時間を利用して、駅前の「赤坂商店」さんの大内山アイスクリームを食するというのがメンバーのルーティーンとなっています。いやマジで濃厚なんですよこのアイス。コクにこだわる大内山酪農なだけあって定番バニラから抹茶、ストロベリーまでどれも絶品ですので、これからの季節ぜひ一度はご賞味あれ。

あ、写真は美味しさのあまり舌鼓を打つ…というよりは頭痛に悶絶するかまざえもんです。そうそうあの「キーン」ってやつです、「アイスクリーム頭痛」っていう正式名称があるらしいですよ、おいそこ笑うなよ。

〈1日目〉カヤックドラマ撮影

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1日目は実習ではなく尾鷲班がお願いして設けてもらった日なので、何かをレクチャーされたとかそういうわけではありません。では何のために余分に空けてもらったのか、それはカヤックに乗る様子を「撮影」するためでした。

しかも単なる記録ではなく「ドラマ」風に仕立てるという無茶ぶり。毎度お馴染み森田さんから防水使用のGoProをお借りして撮影に備えます。写真左にはドラマ主人公に抜擢された「まっつー」ことマツくん。どうですか、このカメラの使い方が分からず困惑する顔を以てしても溢れ出る真剣な眼差しは!!!

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主人公の他には友人A&B(写真手前右の2人)、死神(!?)、天国カヤック委員会会長(!!?)など個性豊かなキャストが出演。さらに監督の舞妓ちゃんや脚本・演出のTakeくん(写真左、赤の帽子を被る人)、編集担当など分担して1本のドラマを目指します。

最初、監督から「ドラマ作るで」と聞いたときは「何言ってんだこの京都の人は」と驚きましたが、いざ始まると熱のこもった指導、演技、編集で超楽しいのなんの。こんなことをするのは初めてなのではっちゃけた部分もあったかもしれませんが、一から自分たちで作り上げていくことの充実感をひしひしと感じました。

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この日は生憎の雨で、撮影日和とはお世辞にも言えない状況でした。それでも「結局濡れるんだから」と皆妥協したのか、無事に台本で予定されていたカットを撮り終えることができました。

note本編とは話題がずれるものの、作成したドラマを用いて誰かに伝えようとしている点では通ずるものがあります。いずれ詳細をお話ししたいところ(確証は持てません…)ですが、この一連の流れが良いようにも良くないようにも働いたのは事実ではあります。

〈2日目〉リスクを予知して滝を目指す

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お天気も良い2日目、今までの海とは離れ、今度は川に行ってみました。国道42号の矢ノ川トンネル手前を拠点に、その奥に位置する「デンガラの滝」を目指します。

さて、今回の尾鷲班で最も大事にしたいのは「リスクマネジメント」という考え方です。リスク(risk)をマネジメント(management)、すなわちあらゆる危険を予測して処理していく能力はどの場面でも必要です。

とくに海や川、山などアウトドアの場面では自然を相手にするだけあって、危険がそこら中に転がっています。自身のことだけでなく、周りのこと、いずれ誰かを連れてくるときのことも考えつつ注意しなければなりません。

写真は滝に至るまでの道中で、どこにリスクが潜んでいるか話し合っている場面です。「リスクの洗い出し」を行うことで、予め危険な箇所を把握し、とんでもないことになる前に防ぐ、もしも起こってしまった時にも素早く対応できるように準備することができます。

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さて滝の手前まで来たものの、命綱無しで極めるぜ!などという現実逃避した甘っちょろい考えでは人生やっていけないので、大人しく「ロープワーク」に励みます。

モデルの舞妓ちゃんの脇腹あたりからぶら下がっているのは、合成繊維で作られた丈夫なベルトである「スリング」と、留め具となる「カラビナ」です。これを組み合わせることで命綱となり、万が一滑落した際にもとりあえず命は救われます。

さらにロープにおける結び方に「エイトノット」と呼ばれるものがありまして、ねじれたシンプルな構造かつ短時間で形成することが可能なのに、トップクラスの強度を保つことができます。この満面の笑みも良いところ、写真左のかどくんも頑張っております。慣れるまでが大変なんだなこれが。

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さてさてやっとデンガラの滝に到着しました。ガイドさんに張っていただいたロープに沿う形でゴツゴツした岩場を進み、より滝のほうに近づいてみます。

コラ画像のように見えるかもしれませんが、実際こんな感じで本当に足元悪いですよ。なんならバランスボールかよってくらいプルプル揺れる岩もあったくらいです。

それでもマイナスイオンって言うんでしょうか、いや知ったかぶりは止めとくとして、「滝が滴る音」と「メンバーの歓喜(いや実は悲鳴かもしれん)」だけが響き渡る、街中の喧騒とはかけ離れたひとときを楽しむことができました。

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ここで先述の「リスクマネジメント」を振り返ることにします。例えばこの写真で「おいおい危ねえな」と感じる部分を挙げてみましょう。

「岩場から滑り落ちるかもしれない」「頭上から何か降ってくるかもしれない」「突然足元が崩れるかもしれない」「ロープが外れるかもしれない」「あまりの怖さに足元がすくんで前に進めなくなるかもしれない」「バランスを崩し、恋ダンスみたいな挙動になるかもしれない」「あ、ガッキー&源さん結婚おめでとう」

実際にはもっとありますが、ワンカットだけでこれだけの危険が伴うわけです。え、関係ないものがある?いやいや「逃げ恥ロス」もれっきとした(精神的)リスクですよ何言ってn(ry

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物事の管理を継続的に実施する手段として、Plan→Do→Check→Actionを繰り返す「PDCAサイクル」というものをご存じでしょうか。これに当てはめて考えるとリスクマネジメントは初期段階なわけでして、その基礎を以てして次のステップに進めるということになります。

極論を言えば命を懸けることにもなるアウトドアの世界では、ひとつの判断ミスでもその後の結果が大きく変わってきます。あらゆるリスクないし「実行」を考え、その「結果」が成功だとしても失敗だとしても、次の「計画」に向けてどのような「対策」を練るか、常にぐるぐる回しながら楽しむのが大鉄則でございます。

ですから、遊びたいという「実行」が一人走りするとその時点でサイクルが崩れ、とんでもない僻地に行きつく羽目になってしまいます。マネジメントするとはこういうことなんだと、身をもって体験することができました。

〈3日目〉PDCA実践の時 ~スラックライン~

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1日目は海、2日目は川、そして3日目は山へ。世界遺産「熊野古道」の一角でもあり、古くから「西国第一の難所」と恐れられた八鬼山にて様々なアクティビティを実施します。

とくに取り上げたいのが「スラックライン」と呼ばれるスポーツ。木々の間に張られたライン上でバランスを取りながら進む、おそらく一度はどこかで見たことがあるアレです。

ここでもリスクを洗い出すと、前日の滝辺と比べて異なるのは「山」であること。いやトンチを利かせろとかそういうことじゃなくてですね、常に足場が斜めっているので平地が全くないことが最大のポイントです。

「普通という状態がない」状態に晒されるわけですですから、一瞬たりとも油断してはいけません。その状況下でいかに安全に楽しめるかが勝負になってきます。

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さて、設営できたところでいざ挑戦。先程のPDCAサイクルに当てはめるとPlanが終わってDoに移っているところですね。さて危なっかしい場面はないでしょうか…Checkしていきます。

生贄という名のテストプレイを終え、いくら大学生とはいえ各所で補助が必要だということが判明。そしてお昼時だったので「コースを渡り終えたらお昼ご飯を渡そう」という先生らからのドS指令も追加されました。何だか余分なActionが入りましたが、そのほうがうめぇ飯が食えるってわけですねほんとかよ。

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今回は「川と山のリスクマネジメント」について学んでみました。危険だ危険だと口だけ達者でも、よく分からないままでは後々後悔する羽目になります。

「自然」という壮大なヤツを相手するだけあってその分岐は無限大。何パターンもの可能性を考えながら付き合っていくことこそが、自然の真髄まで遊び倒すための秘訣なのかもしれません。

そう考えるとアウトドアのガイドさんやその関係者の方々って凄いですよね。リスクを勘案しながら忍者の如くひょいひょい進んでいくその姿。自分のことだけでなく後ろから付いてくる参加者のことも考えるその器用さ。そこにシビれるあこがれるぅ…

「じゃあ、ガイドしてみる?」

「え?」

ということで次回、第4回カヤックツーリング編に続きます。最後までご覧頂きありがとうございました。

~続きはこちらから(2021/7/7追記)~



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