見出し画像

楽曲振り返り③|Vampire with a Scarlet Sickle

目次



楽曲振り返り

こんにちは!かるぷぁです。
パイナップルの酵素に舌が負けました。ぴりぴりする。

楽曲振り返り第三弾は、"Vampire with a Scarlet Sickle"です!

ぶっちゃけこれについて語りたくてnoteやってます。

予言します。長くなる。
???「あなた……『覚悟して来てる人』……ですよね」

パソコンでこの記事をご覧になっている方は、もう1つタブを開いてこの曲を聴きながら読むと、よりこの記事の内容を深く理解できると思います。

それでは、よろしくお願いします!!!


製作過程

①製作開始

この曲も入院中、それも退院の目途が立った頃に作り始めた曲です。
完成したのは退院してからです。

体力も回復してきた&退院の目途が立って脳内ハッピー状態だったので、
何か1曲作ろう!と思い、製作を始めました。
入院期間が長かっただけに退院が決まった時の喜びは凄かった。約半年。

その時はなんというか、「冷たい」曲が作りたかったんですよ。

イメージは雪じゃなくて氷。
刺すような痛みの伴う、無慈悲なまでの冷たさ。転じて人の冷酷さ。


実際、この曲の仮タイトルは"AntarcticA"(南極大陸)でした。

製作途中「イメージと違う曲ができちゃった!」と思って一旦曲名が白紙に戻り、完成後に今の曲名を後付けしたのです。

曲名決定についてのエピソードもあるので、それはまた後程。

さらにこの曲はいつにも増して音ゲーを意識しています。
なので展開などにかなりこだわりました。


ここからのイントロは

・グロッケンパート
・ストリングスパート
・スパソパート

に分けて紹介します。


②イントロ|グロッケンパート

初期のイメージ案に則ってそれっぽいメロディーを打ち込む。

楽器は針のように鋭く、細いグロッケン。
他の曲よりも高音を利かせた細い音になるようにしました。

グロッケン(鉄琴)とはいえオルゴールみたいな役割です。
なので今後はオルゴールと呼ばせてください。

実はこのパートだけ、白鍵だけで構成されているんです。
これは私の曲としてはかなり珍しいです。
曲全体はFメジャーです。


③イントロ|ストリングスパート

静かなオルゴールからいきなりバーン。強そう。
イントロで聴き手の心をガッチリつかもうとして、こうなりました。

このストリングスやピコピコ音が入る構想はすぐに浮かびました。


④イントロ|スパソパート

またオルゴールが入ったのち、シンセが入ります。

要するに下げて上げてまた落として上げるというかなり抑揚をつけた展開に仕上げました。

ここ結構キックとかが暴れているんですけど、私は

曲の凶暴性が増す(つまり音ゲーでいう「発狂地帯」)
→楽器も音数も多くなっていく
→楽器同士がぶつかって濁った印象になりがち
→ミックスがかなり大事!

とこのように考えているので、音量調節など頑張りました。


⑤Artcore

ベルのようなシンセでメロディーを奏でる、王道(?)Artcoreです。

いやほんとにこのシンセは苦労した。
なかなか納得のいく音にならなかった。

編集手順としては

Woodland Adventures
→エコー&リバーブ
調整
Overdriveで存在感のある音にする
→EQ
で低音カット&高音持ち上げ
→Chorus
で揺らぎをつける
→Bitcrush
で劣化させる(完成)

ここまでしてやっとあの音が完成します。ぶっちゃけ面倒だった

このシンセと、左右のストリングスが迫力と緊迫感を演出します。
強そう。


⑥Hardcore

私はD'n'Bのリズム→4つ打ちの展開が好きなので、まずここで4つ打ちにすることは確定。

ただメロディーがなかなか浮かんでこなかったので、実際にピアノロールで打ち込みながら試行錯誤してました。

最終的にあの駆け上がっていくようなメロディーが採用されました。
こういうメロディーを作るのは結構珍しいです。24分が入るのも珍しい。

Hardcoreパートのメロディーの一部。24分も入れて勢いを。

最後の4小節はコードもメロディーもこだわりました。


⑦Chipcore

まずはサンプル(Topper)とキックベースを使った……

……ジャンルがわかりません。Hitech?

キックベースとは言うものの、実際には前回の記事にも登場した8bitシンセのBlockheadで鳴らしてます。

いろいろ試した結果この音が一番しっくりきました。

その後のリードの8bitシンセもBlockheadです。

そう、今回リード用とベース用で2つ使ってるんです。

Blockhead(リード)のEQ。
ガッツリ低音はカットして、高音が張るようにしている。

このメロディーでは珍しくハモリを使っています。頑張った。

その甲斐もあってか、かなり私好みのメロディーになりました。

また前述の通りこの曲は音ゲーを強く意識しているので、
音ゲーらしくなるために24分を入れてテクニカルに。

音ゲー曲において変化球ってめちゃくちゃ大事です。


⑧ブレイク

一気に静かになってオルゴールが入ります。
静かになるとはいっても、よく聴いてみるとノイズが鳴ってます。

そこからまた8bitシンセ。
ただ前のChipcoreとは対照的に、落ち着いたメロディーに仕上げました。


⑨ビルドアップ

いつもの感じのビルドです。
いつもの感じだから特にいうことない。

ビルド前と終盤の16分キック連打は音ゲーのコンボカッターを意識。
なんなら縦連。


⑩ドロップ

このメロディーは作るのに結構時間かかりました。

パッと降りてきたメロディーというよりかは、
ピアノロール画面で試行錯誤し続けてできたメロディー。

曲調に関しては超ストレートなHard Renaissanceです。
もろに音ゲーです。Evansだいすき。

また、私の曲としては(多分)初めてピアノバッキングを入れました。

この曲でピアノバッキングにハマって、色んな曲に入ってます。
大体うっすらと入れてますけど。

このドロップについては解説動画を作ってみたので、ぜひそちらをご覧ください!


⑪アウトロ

アウトロの構想もあっさりと浮かびました。

⑤Artcoreと同じシンセです。


曲名を考えよう!

きっかけとなったとある漫画

前述の通り仮タイトルとは違うイメージの曲ができたので、
新しい曲名を考えることにしました。

完成時この曲に対して抱いていたイメージはこんな感じ。

・強い ・儚い
・最初の「冷たい」イメージは残ってる

どんな曲名をつけようかと考えていた時、
ふと私の部屋の本棚を見ると、とある漫画が目に入りました。

それは甘党様の「となりの吸血鬼さん」。

「となりの吸血鬼さん」第一巻。
イマドキ吸血鬼のソフィー(右)と、高校生の灯(左)の日常を描く。
アニメ化もしている。観たい。

吸血鬼かー。いいなー。この曲は「強い」イメージだから鎌とか持たせてみよう。そして何故かその鎌赤くしてみよう。なんであかいんだろうなー。

この漫画はいわゆる「日常系」でシリアスな展開もほとんどなく、
ストレスフリーに読むことができるので大変おすすめです。
あと登場人物がちょくちょく可愛い。


イメージを固めたとあるキャラ

とこんな感じに曲名のプロットはふわふわと決まったのですが、
実はこの曲の製作時期に見ていたアニメがありまして。

それは「葬送のフリーレン」

そこに登場したリーニエちゃんが性癖に刺さった印象に残ったんです。

魔族のリーニエちゃん。もうなにもかもが好き。かわいい。
ロ○コンじゃないです。嘘です。

これらを踏まえて私の中での曲のイメージは

・吸血鬼の少女
・自分より大きな紅(意味深)の鎌を振りかざす
・今にも襲い掛かろうとしている
・できれば白髪がいい
・なんなら服はあえて血が目立つ白であってほしい
・無感情でクールキャラであってほしい

とこんな感じに決まりました。半分お前の性癖だろ
"Vampire Girl"にしてもよさそうだったけど曲名長くなるから今回は却下。


もろに「音ゲー」っぽい曲

目まぐるしく変わっていく展開、リバースキック、そして曲調はドシンプルな「Hard Renaissance」…

これまでのどの曲よりも「音ゲー」っぽい曲になりました。

1曲の中にかなりの数の展開を詰め込んでいるので、目まぐるしい曲調を楽しんで頂けたら嬉しいです!

また解説動画も作ったので、ぜひそちらもご参考にどうぞ!

次回は私のチャンネルでは初のリミックス曲、
"Unwelcome School (KaLPuxa. "CORE" Remix)"です!

それではまた!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?