見出し画像

100才

祖母は100才。
わたしが子どもの頃だと、100才というとすごく長寿な感じがして特別感があった。
なので、自分の身内が100才になるなんて想像もつかなかった。
やはり年々できなくなることも増えてきているし、かなりボケてはいるけれど。

その他のことはしないけど、自分でご飯をたべ、自分で風呂に入り、トイレもいく。
一応、家族の名前も忘れていなさそう。
あと、膝に湿布を貼るのは家族のだれよりもうまい。
それだけでも、すごいことだと改めて思う。

昔はあんこものが好きで、とにかく着道楽だった。
いまだにいつ誰が着るんだ?というぐらい恐ろしい数の洋服や靴がある。
今ではやらないけれど、一時期は新聞の広告にある通販の洋服や、雑誌の付録のバッグなどが載っていると切り抜いていた。
さすが着道楽は死ぬまで服や靴のことは忘れないんだな~、と思っていた。
あんまり知らなかったけれど、踊りも好きらしい。
ちょっと探し物をしていて祖母の手帳を見ていたら、ダンスって書いてあった!  そんなに好きだったとは。
そういえば、もうだいぶ経つけれど、EXILEの出ている番組を見てるのを見かけたことはある。私でもあんまり音楽番組みないのに、おばあさんでもEXILE見るんだ、、、と思った覚えが。

今は着るものへの興味はだいぶなくなってしまった感じがする。
残ったのは食欲だ。
朝起きる時に、食べるものがあると必ず起きる。
それまではなんだか何度も朝寝しているけれど、ごはんがあるとスクっと起きる。
人間が100才まで生きるには欲がなくなってはだめなんだなと実感させられる毎日である。

子どもは成長して色々まなんで自分でできるようになっていくけれども、老人はからだの衰えで自力でできることがどんどん少なくなっていく。
このままどこまで祖母が自力でできるのかは未知。
どうにか現状維持していってほしいとは思う。

さて、自分や兄弟に置き換えてみると。
兄弟は絶対に食だろうな。なんせ行った場所を食で覚えている人だから。
わたしにはその能力は欠けている。
自分だったら、何の欲が残るのだろう?
お笑いみたい欲かな~? とにかくなんか面白い番組やってないの?とか言ってそうな気がする。