見出し画像

手ごね調理パン生地(一次発酵まで)

手ごねパンの主に調理・総菜パンを作りたいときに使用する配合です。

形はアレンジして色々使いまわしています。

一度生地を作ってしまえば自宅で色々好きなものが作れるのが手ごねパンの楽しいところだと思います。レパートリーを増やすべく私も奮闘したいと思います!

1.作業工程


【手捏ね工程】 6分 → バター練り込み → 5分 → 強めに3分
【捏上温度】  27.0℃
【一次発酵】  30℃・50分
【分割重量】  作るものに応じて

2.配合

作りたいパンの個数・重量によって必要な生地量が変わるので、小麦粉を何gで作るかは毎回変更しています。

《基本ベーカーズ%》()内は小麦粉1kg仕込み時の重量

(材料)         ベーカーズ%  1㎏仕込み時  170g仕込み時

強力粉             100%  (1000g)      170g
インスタントドライイースト   1.8%   (18g)     3.06g
塩               1.8%   (18g)     3.06g
グラニュー糖          10%   (100g)                 17g
水               47%   (470g)                 79.9g
牛乳              10%   (100g)                 17g
全卵              10%   (100g)                 17g
無塩バター(室温に戻しておく) 10%   (100g)                 17g

合計             1906%      (1906g)              324.02g
          ベーカーズ%総量  生地重量    生地重量


小麦粉1kgで仕込んだ時に出来上がる生地重量が1906g 
 50gの生地玉が6個欲しいとき、必要な生地は300g(歩留を考慮して320gとします)
 320 ÷ 1906 = 0.16789...(㎏仕込み) なので、少し多めに切り上げて 0.17kg仕込み = 小麦粉170gで仕込む という計算になります。

ベーカーズ%は小麦粉100の重量に対して他の原材料を何パーセントで仕込むか?
という計算方法なので、仕込む小麦粉の重量が決まってしまえばあとは簡単だと思います。
小麦粉170gを100として、イーストが1.8%だとすると...

 1.7 × 1.8% = 3.06g こういった感じで他の材料の重量も計算できると思います。

0.1g単位で計れる計量器があるとかなり便利ですよね。
仕込む重量が少なくなるとイースト量や塩の量が微量になるので、発酵具合や生地の味にダイレクトに影響が出やすくなってしまうと思います。

私はボウルに小麦粉を計って入れ、その上にイースト、塩、グラニュー糖をどんどん計っては加えています。※塩とイーストは絶対にくっつかないようにだけ注意します(塩の力でイースト菌が殺されてしまう為)

※画像が見えにくいかもしれませんが、塩とイーストは隣接しないよう離してあります。

画像2

◇液体の物はあわせて計ってしまい(卵と牛乳、卵と生クリームなどの組み合わせ)、お水だけは単体で計ります。バターは冷蔵庫から出したてカッチカチの状態だと生地に馴染みにくいので、出来れば数時間前ないし前日にあらかじめ計って室温に用意しておきます。

◇小麦粉、室温、お水以外の液体材料の温度をここで一度それぞれ測ります。

◇その温度をもとにお水を何度で仕込むか決めます。

今日仕込む調理生地は捏ね上げ温度目標が27.0℃です。
※捏ね上げ温度=生地を捏ね上げた時の最終的な温度

この日は室温26.9℃、小麦粉25.6℃、液体材料(卵と牛乳)9.0℃だったので、お水は14.0℃に設定しました。

◇この段階で
・小麦粉とその他粉ものが入ったボウル
・お水以外の液体材料(卵と牛乳)のボウル
・お水
・バター

このセットが出来上がっていると思います。

3.手ごね工程

(工程)こね6分 → バター練り込み → こね5分 → 強めにこね3分

この流れで進みます。(捏ね上げ温度27.0℃目標)

◇まず、小麦粉の入ったボウルをゴムベラで他の材料が均一になるようにしっかり混ぜ合わせます。
◇中央を少しくぼませ、そこにお水以外の液体材料(卵と牛乳)、お水を流し入れます。
◇そのままゴムベラで粉っぽさがなくなり、ひとまとまりになるまで混ぜ合わせます。

画像2

◇合わさったら、スケッパー(無ければゴムベラでがんばって)で面台に生地を綺麗にかき出します。

画像5

※スケッパーは一つあると劇的に作業がしやすいです。100均にある安いもので全く問題ないのでオススメですね。


◇空いたボウルには薄~く油を塗っておきます。スプレー式の食用油があれば便利なのですが、無い場合はキッチンペーパーにサラダ油を浸して薄く塗り広げても大丈夫です。タコ焼き機に油を塗る感覚で、後から戻し入れる生地が張り付かなければそれでOKです。

画像4

◇キッチンタイマーを6分にセットし、いざ手ごねスタートです。
右手と左手の平部分で交互に生地を台に擦り付けていくイメージでこねて行きます。
6分は意外と長く感じるかもしれませんが、この6分間でバターを入れる前の生地形成をしっかりしたいので、一定のリズムで休むことなくしっかりとこねて行きます。

画像5

※面台の奥のほうに向かって擦り付けていく、、を左右交互に

◇途中スケッパーで台の上の生地を集め、指の間や手のひらにこびりついた生地をはがし、ひとまとまりにし直してからまたこねる。。という作業を6分間行います。

小麦粉にお水を加えて力の加えることで"グルテン膜”が形成されるのですが、この膜がパン独特のふっくらとした伸びに大きく関係します。

この後バターを加えていくのですが、バターやマーガリンなどの油脂と呼ばれる成分にはこのグルテン膜を壊してしまう働きがあるので、油脂成分を加える前にある程度しっかりとしたグルテンを形成することがとても大切です。

画像6

指の腹がうっすら透けて見えるくらいの膜が出来れば大丈夫です。
生地を引っ張ってみて、荒い繊維がぶちぶちとちぎれるような状態だとこねが足りませんが、6分間止まらずしっかりとこね続ければある程度膜はしっかり形成されると思います。

画像7

◇台と生地に付いた生地をまとめたら少し広げ、真ん中に室温に戻しておいたバターを乗せます。そのまま生地で包み込むようにして、先ほどと同じようにこねて行きます。タイマーは5分でスタート。

画像8

◇台に擦り付けてはがして、また擦り付けて...を5分間繰り返します。
バターが入ることで一旦まとまっていた生地がまた柔らかくなり、まとまりが無くなる状態になると思います。

こまめにスケッパーでかき集めて擦り付けて...を繰り返していると、再び生地がひとまとまりになり次第に伸びがよくなります。


画像9

5分こね終わった段階でこれ位の薄い膜が出来るくらいになります。
バターを入れる前に比べると、大分が柔らかくスムーズに伸びる生地に。

画像10

みょーんと引っ張ってみても、生地の表面自体がなめらかな状態になっていきます。見えにくくて本当すみません...!

◇あとは3分間今までよりも強めに生地に力を加えて行きます。
お家の環境で大きい音を出しても問題ない方は台に叩きつけるようにして生地を作っても良いと思います。

私は騒音が今のところ許されないので、利き手・手のひらの下部分で更に強い力でぐりぐりと台に擦り付けていきます。

画像11

◇ぐりぐりとやり、まとめてはまたぐりぐりとこねて行きます。

画像12

画像13


◇手のひらにこすれる生地の感覚が、荒い繊維膜が切れるようなものから、なめらかな膜の伸びを感じられるように変化していきます。
生地がどんどん強くなって膜の伸びが良くなるので、ちぎれる感覚が無くなっていきます。

画像14

画像15

またまた見えにくくてすみません。。綺麗に撮る技術が欲しい...!
この3分間でより滑らかに伸びる薄い膜を作っていくイメージでやっています。

◇出来上がった生地は表面を張らせた状態でまとめます。
ここで張りを持たせてあげることで、発酵した後の生地によりコシを持たせることが出来ます。

画像16


画像18


◇下から上に引っ張り上げながら持っていき二つ折にたたんだら、合わせたとじ目が下に入り込むように手前に引いてくる。

これを90℃向きを変えて2~3回繰り返すと、表面が綺麗につるっとなります。

画像19


◇温度計の先端が生地の中心部に行くように差し込み、温度を計ります(この日は捏ね上げ27.4℃でした)。

◇あらかじめ油を敷いておいたボウルに戻して、ラップを生地に直接付かないようボウルにぴたっとかけます。

画像19

これでこねる工程は終了です。一次発酵に移ります。

4.一次発酵

一次発酵は 30℃・50分でとっていきます。
※普段私はオーブンレンジの発酵機能を使って温度と湿度を設定しています。地域によって気温と湿度は大分差が出ると思いますが、機械の利点は一定にしやすい所だと。持っていなかった時より管理はしやすくなったのかなと思っています。
パン生地が乾かないように気を付けてあげれば、使用後のお風呂場で発酵を取ったり、部屋の温かい所(火を使ってるキッチン周りとか)でそのまま置いておくという方法でも問題ないと思います。
発酵具合はこまめに見てあげつつにはなると思いますが、その変化途中を見るのも楽しいですよね。。

捏ね上げ温度が1度上がるごとに、発酵時間を10分短くしていくように調節しています。0.5℃高ければ5分短縮、といった具合にやっています。

逆に捏ね上げ温度が1度低ければ10分発酵時間を延長しています。

この日は27.4℃でこね上がったので、45分の段階で一度状態を確認しました。

フィンガーテストと呼ばれる発酵状態の確認の仕方なのですが、強力粉を薄く発酵した生地の一部に振りかけます。
そこに指を一本第二関節部分までズボッと差し込み、時計回りに指を90℃回転させます。

画像20


指を抜いて生地の穴の開いたところをチェックチェック。。

発酵があまいと窪みが上のほうにせりあがってきて、あいた穴が元にもどります。しっかり発酵した状態だと、くぼんだ穴がそのままの状態でキープされます。

画像21

こういった状態になります。※ブレご容赦ください。


更に過発酵と呼ばれる発酵しすぎの状態になると、穴は元に戻らず、尚且つ生地全体が空気の抜けた風船のようにシュワーッとしぼんでいってしまいます。ここまでいってしまうと修復が難しくなってくるので、発酵状態の確認は大切にしています。

この後は作りたいパンによって分割重量を変え、切り分けていきます。

その後は、ベンチタイム(成形前の生地を休ませる時間)→成形(パンの形を作る工程)→二次発酵→仕上げ→焼成 といった流れで進みます。

作りたいものによって各工程の時間は少し変動しますが、一次発酵までは基本的に同じなのでここまで作ってしまえばあとは派生させていくだけ。

色々と使いまわしの出来る生地かとは思うので、しょっぱいパンを作りたいときは大抵この配合でこねています。

実際に作ったものに関してはまた次回以降上げようと思っているので、もし興味のある方は覗いて見てください。

他の方が普段どんな配合で作っているのか教えてもらえたらもの凄く嬉しいです...!


分かりずらい表現の部分もあったかと思いますが、ここまで読んで頂きありがとうございます!








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?