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半分青、かった…

御前崎の海は、どこまでも青い。

お昼休みに休憩室でテレビがついていて
連続テレビ小説が始まったので
別に、見るとはなしに見ていた時。

バイト先の気になる男の子が尊敬している
漫画家が、実は自分だったってところ。

最後まで見てないから
鈴愛がカミングアウトしたかどうかは知らないけど

これに似た状態、わたしも経験ある。

昔々、小説家だったとき。
ある人に
「ひなこさんの小説を読んで、人生を生きる希望が湧いた」

と言われたの。
わたしは何も、
希望を与える話を書いていたわけではないのよ。

ジャンルで言うなら
近未来ジュブナイル(笑)

そして、わたしは当時、自分が楽しむために書いていた。
自分が書きたいから、書いていたの。
それなのに、そんな風に言われて
うれしいというよりもとまどった。

そして、こんなわたしが書く小説でさえ、
誰かに影響を与えることがあるんだ、
と気づいた。

私の知人で、息子を自死で失くした人がいる。
息子さんはプログラマーで、
彼のつくったシステムは当時、いろんなところで使われていた。
彼女は、息子さんを失くしたこと、
自死させるまで、そんなに追いつめられていたことに
気がつかなかったと自分を責めていた。

何年か経ったある日、彼女は息子さんの作ったシステムが、
未だにネットの世界に生きていることを知った。
顔も知らない誰か、見知らぬ誰かが、
今はもういない息子さんの作ったシステムを使って
ネットを活用していることを知った。
息子さんがいなくなったあとも、
彼が作りだしたものが、
ネットという世界に生きていることを知ったの。

私たちの、何気ないヒトコマが
ある人にとっては、とても重要な意味を成す。
それと同様に、あなたの、何気ない言動が
誰かの胸にいつまでも残るしぐさとなる。

それはきっと、わたしたちがいなくなっても
そこに残るもの。
誰かがきっと、覚えているもの。

あなたにもきっと、わすれられない言葉や、
忘れられない体験があるはず。

それを与えてくれた人は、
たとえばおばあちゃんだったり、
おじいちゃんだったりするかもしれない、

そして、その人はもう、いないかもしれないけれど
その人にもらった言葉や、その人がしていたこと、
あなたは覚えていて
だれに聞いたかそれは忘れてしまったとしても
何かの時に、
違う誰かにまったく同じ言葉で伝えるかもしれない。

そしてそれが
永遠に生きる、
ということだと思うの。

だから、
発する言葉のひとつひとつを、
見せる態度のひとつひとつを、
それがひょっとしたら、どこかの誰かの胸に響くかもと考えて
そうなったときに自分が恥じないように大事にしていきたいと
わたしは思っています。

まだまだ、後先考えないでべらべらしゃべっちゃうけどね。
同じように、あなたの言葉のひとつひとつ、
あなたの行動のひとつひとつが
どこかの誰かの心に響いて
いつか、その人はあなたの言葉を
誰かに伝えてくれるかもしれないから。
だから、大事にしようと思う。
だから、大事にしてほしいと思う。

わたしたちは、そうやって
永遠に生きる。

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