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言葉でなく、行動を見よ。

駄目な男から、離れられない女性というのがいる。

どんな風に駄目なのかと言えば、例えば、何度も浮気をしているのに、「会いたい。僕には○○だけ。」と言ってくるような具合に。

その人の事を好きで仕方がない場合、離れるのは苦しいですが、そんな時、こんな考え方をしたらいいのでは、と解決策を1つ。

私は以前、常連のお客様ばかりが集まるような、小さな飲食店で働いていた。

初めてお店のカウンターに立った日。それまで接客業を経験したことがなく、とても緊張していた私。

そこへ、1人の男性のお客様が。

がたいがよく、あまり愛想はない。飲んでいるのは、キープボトルのウィスキーロック。

普段割り物のお酒を飲まないので、どういう量で注いだら良いか分からずいちいち困惑する私を、何を言うでもなく、じっと見守っている。

やがてお客様が次々に入りだして盛り上がっても、その方は積極的に他の人の会話に入ることはなく、その日は終わった。

それから数ヶ月仕事を続けてみて、気付いたことがある。

その方は、コロナ禍で経営が厳しいお店の事を心配してか、本当に、本当に、しょっちゅう足を運んでくれる。ちゃんと会話してみると、話も面白い。面倒見がいい。時に、お客様がいっぱいで、てんやわんやしている時は、気を利かせて、早くお店を出られる。

その方は、とある会社で営業をされている方。仕事は嫌いだと言っていて、休みになる度に、飛行機でどこかへひとっとび。帰ってきたら必ず、お土産を持ってきてくれる。自由気ままに暮らしているように見えるけど、きっととても仕事が出来る人で、そしてとても苦労をしてきた人。

数々の気遣いを受けるたび、そう感じてきた。

多くを語る人ではなかったけれど、情に熱い人だと、懐が深い人だと、その方の行動を見ていて分かった。

私は、文章を読んだり書いたりすることが好きなせいか、言葉の細部にこだわり過ぎるところがある。言葉は時として、毒にもなり得るから、言葉に気を付けるのは重要だが、あまりこだわり過ぎてもよくない。

言葉はあくまでも道具。所詮、言葉では何とでも言えるし、息をつくように嘘が言える人だっている。言葉をあまり、信用しすぎてはいけない。というか、間に受けすぎてはいけない。言葉が持つ魅力と魔力の両面を、認識しておかないといけない。

それよりもっと信用できるのは、その人の行動。人によって、または時と場合によって、行動を演出する事も出来るかもしれないけれど、長く付き合っていれば、そういう訳にはいかない。言葉で嘘をつけても、行動では中々嘘はつけない。

その人の人となりを知るには、「言葉でなく、行動を見る」こと。

冒頭の話で言えば、彼がどんなに自分を思ってくれる言葉を言ってくれたかではなく、どれだけ自分を思ってくれる行動を取ってくれたかで、判断する。そうすれば、その人を信用出来るか否か、見えてくるように思う。

逆に、自分が人から信頼されるには、「言葉と、行動で示す」こと。言葉をかける事も重要な感情表現だから、言葉で示すのも悪くない。でも必ず、言葉以上に、行動で示すこと。



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