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それぞれのケースに応じたアプローチ

 家族の介護は突然始まることが多いようです。こんな言い方は、適切ではないかもしれませんが、「育児」が始まるケースより突然と言っていいです。
 例えば・・・・・こんな相談・・・・
・入院していた病院から電話があった。親の退院が決まった。介護が必要なようだ。
・田舎に高齢の両親がいる。父が認知症、母が世話をしているが、その母が体調を壊し、入院することになった。どうしようか・・
・田舎の近所の方から電話があった。昨夜、母が警察に保護された。夜間徘徊していたらしい。
・一人暮らしの親から、体が痛くて、買い物や調理ができず、もう一人では生活できないと言われた。
・久しぶりに家に帰ったら、栄養剤ばかりを飲んでいてロクな食事をとっていない。なんだか痩せて顔色も悪い。
・最近、高額なものを買わされている。
・夏、脱水を起こして救急搬送された。
・薬の飲み忘れが目立つようになっている
・体のあちこちを痛がり、あざが絶えない
・足腰が弱くなった。家事炊事に援助が必要になった
などなど・・・・・
 ここに挙げた事例は、ほんの一例、介護がスタートするきっかけはホント十人十色、それぞれです。
 親御さんの介護の方向性については、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネさんが担うことになりますが、ご家族の「仕事と介護の両立支援」については、悲しいかな、援助してくれる人、伴走してくれる人がいない割合が断然多いです。
 会社の人事労務担当者の助言を受けて、介護休業を取得し、介護休業給付金を受給するに至っている方は、私の肌感覚ではあるが「育児休業」よりも少ないような気がします。近頃は、ワークサポートケアマネージャーという方もいると聞いてはいますが、私の住んでいるところが田舎なのか?出会ったこともないし、見たこともありません。
 また、今働いている当事者自身が、「家族の介護のこと」は自分のこと、会社には「我が家の介護のこと」など、相談しづらい、家族間でどうにか解決しているといった風潮が根強い側面もあります。
 制度作りも大切、しかし、それ以上に、当事者自身の「仕事と介護の両立」についての価値観を変えていくことは何よりも重要なことです。
「親の介護=自分が退職してどうにかする」
この考え方をどうにかしないと、本当の「介護離職防止」は先に進めないような気がします。
 そして様々なケースに対応できる技能者の育成は急務です。


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