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潮岬灯台|和歌山県串本町

オーシャン東九フェリー船上から(2023年10月25日)
オーシャン東九フェリー船上から(2023年10月25日)

潮岬灯台(A)|和歌山県串本町 2023年5月2日

 1870年(明治3年)6月10日に樫野埼灯台同時に仮点灯。本点灯は1873年(明治6年)9月15日。1866年(慶応2年)の改税約書(江戸条約)により建設された8基の洋式灯台のひとつで、現在の潮岬灯台は二代目。初代はリチャード・H・ブラントンが設計した八角形の木造灯台だった。初代潮岬灯台は条約灯台としては唯一の木造灯台で、基礎から灯塔までの高さ23.9mは日本一高い灯台であった(神子元島灯台よりも20cm高い)。また隣接する樫野埼灯台と誤認しないように樫野埼の回転灯に対し潮岬灯台は不動灯としていた(昭和2年に単明暗白光 明10秒暗5秒に変更)。当初使用予定だった灯器はイギリスから灯器を輸送していた帆船エルレ―号が東シナ海で座礁沈没してまったため、ブラントンの要望により急遽アメリカから輸入した機関車のヘッドランプを灯器として利用した。
 1878年(明治11年)4月14日に現在の石造の灯台として建て替えらた二代目潮岬灯台はブラントンの帰国後に後任となったジェームズ・マクリッチの手による最初の灯台。石材は串本町の北、古座町産の砂岩。採取した場所は「虫食い岩」として現在も残っている。

 潮岬灯台は「のぼれる灯台16」として参観が可能。

参考
『燈光』2008年11月号 (燈光会)
『明治期灯台の保全』(財団法人 日本航路標識協会)

初代潮岬灯台(『燈光』2008年11月号より)


潮岬灯台は参観可能な「のぼれる灯台16」のひとつ
二代目となる現在の潮岬灯台の銘板には初点と改築の日が記されている。
石材は古座町産の砂石
潮岬灯台で大正4年から昭和32年まで使用されていた二等不動レンズ 
潮岬灯台から樫野埼灯台へ向かう途中に見える鵜島灯台

航路標識番号
[国際標識番号] 2902 [M5994]
位置 北緯33度26分15秒 東経135度45分16秒座標: 北緯33度26分15秒 東経135度45分16秒
所在地 和歌山県東牟婁郡串本町潮岬2877
塗色・構造 白色・塔形石造
レンズ LB-H120型灯器
灯質 単閃白光 毎15秒に1閃光
実効光度 970,000 cd
光達距離 19海里(約35km)
明弧 278度から130度まで
塔高 22.51 m (地上 - 塔頂)
灯火標高 49.47 m (平均海面 - 灯火)
初点灯 1873年9月15日
管轄 海上保安庁
第五管区海上保安本部
田辺海上保安部


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