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ナニかになりたくて、ナニかになる話

いつからカフェをやりたいと思っていたんだろう。

学生時代、美術系の学校に通っていた。絵を描くことが好きだと思って入学したが、自分より巧い人が当たり前に多くいて、絵に対する情熱なんかすぐに冷めてしまった。学校近くには沢山の楽器屋、レコード屋、書店、そして喫茶店やカフェがある街だった。絵より楽器、貸しCD、古本に触れている方が圧倒的に楽しかった。学校帰りにそれらの戦利品を喫茶店やカフェで一人広げていた。

当時のカフェは「カルチャーの最前線」だったと思う。その街の音楽好きやファッション好き、アンティーク好き、映画好きなど個性的なお兄さん/お姉さんが働いていて、店の中でDJイベントやライブ、写真展、語学教室が始まったりして、カフェは「ハコモノ」の魅力で一杯だった。

絵の情熱はなくなってしまったけど、アトリエで絵を描いている人をぼーっと眺めているのが好きになり、そんな人をサポートする立場になりたいという考えが変わっていた。そして、飽きっぽい自分には「ハコモノ」であるカフェは何でも表現できる「魔法のハコ」に思え、いつしかカフェをやりたいという夢を持った。

その後、カフェ・カルチャーは細分化していき「北欧」「古民家」、アパレルや図書館の中に進出など、「ハコ」だけの魅力だけでは商売にはならず、突如、「コンセプト」を持ち始めた。

なりたかった仕事についてもう10年。その間に大好きなお店は何個もなくなってしまいました。ただ、カフェ・カルチャーはリレーのバトンのように引き継ぎがあると思ってます。あの時代のあのカフェがやりたかった。だから、今でも自由でいられるために特にコンセプトを持たずにお店をやってます。

そんなに稼げる仕事ではないけど、やはり楽しい仕事。願わくば僕のお店を見て、自分もお店を持ちたいな、とそう思って言って頂けるのが次の新たな夢です。

頂いたお金は営業継続のために使わせて頂きます。サポート何卒宜しくよろしくお願いします。