自転車に跨って

私が病院で寝たきりになってる間に世の中はずいぶん進化してきたらしい。私が自転車に乗って旅行と洒落込んだのはもう遠い昔の話だ。サイクルスポーツの記事を読んで心を躍らせたものだ。(当時CSは400円しなかった。先日図書館で借りたのは1000円の値札がついていた。)当時はランドナーにサイドバックを4つ付けてTAのギヤに650Bの赤タイヤで真っ黒になりながらロングツーリングをするのが憧れだった。いつの間にか時代は変わりMTB全盛時代からロードバイク全盛へと変わって来た。カーボンの軽いフレームに軽量高剛性のホイル。タイヤはチューブレス。リヤスプロケは12速。STIは電動。ブレーキは油圧ディスク。ペダルはビンディングで三万以上するシューズをバッチリ取り付けクランクも軸一体型で訳のわからない4アーム。ポストと別になったステムにはガーミンを取り付け軽やかに距離を稼いでいく。そんな現代にあってこちらはリサイクルセンターでゲットする予定のママチャリ(堂々の5段変速に鉄リム8/3にカゴ付き)で走るつもりだ。ただのプラスチックペダルにブカブカのサドル。どう考えても距離を走る物とは思えないが、まだ真っ直ぐ走れるかどうかもわからない。杖無しで歩けるのはほんの少しでしかないのだから。こんな状態でまずはカスイチだ。江戸崎まで自宅からやく30キロ。そこからカスイチはさらに140キロある。腹が減ったら東の天龍に寄れば大丈夫だろう。軽量化も何もしてない車での事だから時間にして20キロはかなり厳しいだろう。いくら登りがほとんどない平坦なコースだとしても。しかも当日の風向きによって難易度は上がってくる。遮蔽物の何にもない湖畔でマトモに向かい風なんていったらどうなってしまうのか。春になって夜明けが早くなったらスタートだな。それまで少しでも体力を戻しておきたいものだ。カスイチが成功したら次は念願の鼠坂だ。それが終わればいよいよ畳平行きだ。いつになったら実現するのかな。とりあえず絶対に挑戦するつもりではいるけど。一人の部屋の中妄想だけが膨らんで行く今日この頃である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?