不来方橋

また一つ上りの電車
南へ走り過ぎて行く
たった3時間
こんなに離れた心

さんさの夜に初めて二人
交わした小さな約束だけど

不来方橋の上から
落とした私の涙
流れよどうか伝えて
あなたの街へ


白い峰から下ろす
風はまだ冷たく
心を引き裂いて
柳を揺らし吹く

今度の休みには
必ず帰るからと
続きの便りを
いつまで待てはいいの

不来方橋のたもとで
震える私の叫び
北上よ運んで
あなたの元へ


テレビのニュースでは
あの街は春の中
あなたがいなけりゃ
コートも脱げやしない

風に震えながら
今日も待ち続けています
あなたの胸に飛び込む
温かな春の日を

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