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「人」が見える履歴書、「所」が分かる求人票を考える

適材適所を実現するための環境整備の一つとして、
①履歴書、求人票の項目見直し
ということを挙げた。
それについて述べていきたい。

「人」が見える履歴書

適材適所を実現するにあたって、「人」が自身を把握する必要があることを述べた。
「人」が自身を把握したことを前提として、働くにあたってそのことを表現できるのは履歴書である。

自身を把握するために、
・自身の長所と短所を知る
・自分は本当は何がしたいのかを知る
・自身の性質を知る
を行ったことを前提として、その結果を表現するには、
どのような履歴書であったらよいだろうか?

上記3つが分かるような項目として、下記のようなものを選んでみた。

・自分の性格(選択肢から選ぶ形でもよい)及びそれがあらわれている過去の出来事
(厚生労働省「マイジョブ・カード」参照)
→履歴書の項目にある「性格」欄にあたる。自分の長所や短所をあらわせる。

・自分が最も「自信があるもの」最も「自信があまりないもの」を選択肢から選ぶ。最も自信があるものについては、「強み」とし、それがあらわれている過去の出来事(人から褒められる、自身が充実しているという感覚)や表彰・実績
(厚生労働省「マイジョブ・カード」参照)
→履歴書の項目にある「長所」「特技」欄にあたる。ただしここでは、スキル的なものを選択肢として挙げ、そこから選択していく形の方が書きやすい。自分のスキル面の長所、強みをあらわせる。

・将来取り組みたい仕事あるいは働き方及びその理由
(厚生労働省「マイジョブ・カード」参照)
→履歴書の項目にある「将来の目標」「志望動機」「自己PR欄」にあたる。自分は何がしたいのかをあらわせる。

・仕事とは関係があっても関係が無くても将来的にやりたいと思うこと及びその理由
→履歴書の「将来の目標」「自己PR欄」にあたりそうだが、これは独自に項目があってもよいと思う。自分は本当は何がしたいのかをあらわせる。

・「挫折した経験」や「これまでの人生で辛かったこと」「深く後悔していること」といったマイナスの経験及びそのことが今の自分にどのような影響を与えていると思うか
→履歴書にあたる項目なし。自身の性質をあらわせる。

・仕事を選ぶ上で大事にしたい価値観、こだわりについて選択肢から選び、その価値観・こだわりを選んだ理由と思われる経験や出来事
(厚生労働省「マイジョブ・カード」参照)
→履歴書に当たる項目なし。しいて言えば「自己PR欄」。自身の性質をあらわせる。

今ある履歴書は、項目が非常に簡潔に一言で表されているため、上手く自身をそこにあらわせるかどうかは、その人の表現力、文章力に頼る事になってしまう。

そこで別紙をもうけ、項目に対して選択肢をつくり、そこから選ぶ。
さらに、記入した事に関する理由にあたるものを必ずセットで書くということにする。

ここまですると、履歴書の作成は大変かもしれないが、言葉足らずにならず、自身をあらわすことができるだろう。

このような履歴書ならば、把握した自身を可能な限り表現することができ、
他の人からすると、その「人」が見えてくるのではないだろうか。

「所」が分かる求人票

私が考える適材適所においては、
「人」が自ら適「所」に行けるようにすることを主眼とするため、
「人」から見て、その「所」がどのような「所」か分かるようなものが必要である。

それを表したような「求人票」が必要であるが、
元々求人票というのは、
「人をこのような待遇で求めている」「どのような人を求めているか」
という内容であるため、私が考えるような「求人票」は本来の求人票に会社紹介パンプレット・ホームページの要素を加えたイメージとなる。

求人票に必須の項目の他に、会社のホームページやパンフレットに書いてあるような、会社の特徴を捉えたものを表現する必要がある。

ただ、そういったものに書かれているのは、あくまで会社(組織)側から捉えたものであり、こちらに伝わりやすいように書かれているというより、良いように捉えられるように書かれているため、言葉のかざりをとりはらい、明瞭なものに変換することで、分かりやすくする必要がある。

求人票の必須項目は法定されているため、「所」の特徴をあらわすには、「会社概要」、「会社の特長」、あるいは「求人に関する特記事項」にうまく分散させる。

「所」の特徴をあらわすには、その「所」が明確にした目的・目標、理念や強みが伝わる事項を載せることだ。
たとえば以下のような項目である。

・企業理念(「企業がなぜ存在するのか」や「なんのために事業活動を行うのか」を表すもの)(HRブレイン「企業理念と経営理念の違いは?それらを社内に浸透させる方法について」参照)及びそれを実現するための指標や具体的手段に関する事
→その「所」の目的・目標にあたる。求人票に入れるなら「会社概要」か「会社の特長」

・経営理念(経営者が大切にする考えを反映させたもの)(HRブレイン「企業理念と経営理念の違いは?それらを社内に浸透させる方法について」参照)や代表者のプロフィールなど、代表者の考え方を自身で語ったもの
→その「所」の理念にあたる。求人票に入れるなら「会社概要」か「会社の特長」

・在職者のアンケートから成る、「自分の会社の好きなところランキング」(トップ3くらい)
→その「所」の強みをあらわせる。求人票に入れるなら「会社の特長」

既存の求人票に、上記のような内容が項目のどこかに入っていると、その「所」がどのような「所」かを「人」が知ることができるため、入ってから「思っていた所と違った」という初歩的なミスマッチを防ぎやすいのではないだろうか。


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