ニッチだと自認することは大事

このあいだ、人と話していて、自分がニッチなものが好きだということに、はじめて気が付いた。

テレビや新聞などは見ないが、SNS等のネット上のコミュニティやリアルな人づての情報によって、世の中の流れはなんとなく追えている気でいたが、想像以上に “世間の感覚” から逸脱した生活をしていたようだ。

今回の話でいうと、最近読んだ本を聞かれて答えたら、「全部知らない」と言われたのだ。しかも、その場にいた2名両方に。
そこで挙げた本は、エッセイのアンソロジーとデザイン関係の本と詩集の3冊だった。個人的には、それぞれの界隈の人からすればそこまでマイナーなものではないと思うし、むしろ、これくらいなら分かってもらえるかなという判断のもとで出したものだったのだけど、コミュニティの外の人たちからすると全然認知度がないんだなあと、世間とのギャップを強く感じた。

このギャップは、テレビや新聞などマスメディアをまったく見なくなったことが大きく影響していると思う。
“世間”との答えあわせのタイミングがないので、自分の生活圏にあるものがスタンダードに思えてしまうのかなと。

ただ、よく考えてみると、そもそも自分は元々がニッチ好きだったのかもなあとも思った。
思い出す前は、なんならミーハーな方だとすら思ってたから、自分でもちょっと意外だったけど。

小さい頃、戦隊モノはレッドよりも黒とかシルバーが好きだった。少年ジャンプではワンピースでなくホイッスル!の単行本を集めていた。サッカーチームはマリノスじゃなくてベルマーレが好きだった。

戦隊モノ見ているし、Jリーグに影響を受けてサッカーをやってたし、世の中の流れには乗っていた。でも、その中で好きになるものがちょっと変だったのだ。まあ、逆張り野郎である。

ちなみに、このニッチ好きな感じを自分では悪いとは思っていない。
企画を考えるうえで、世の中の売れているものを知っておく必要がある!みたいなことを言う人がたまにいるんだけど、自分はその論には否定派である。

いや、マーケットを知ることは大事なんだけど、そこで単純に流行っているもので勝負しようとすることこそ正義みたいな考えになっちゃってるのがどうかと思うのだ。もちろん、そこで勝負するのが得意な人もいるとは思うんだけど、流行っているってことはレッドオーシャンでもあるわけだし、そもそも、そういうこと言ってる人の企画が面白かったことがあまりないので信用できない。(人の企画にウダウダ言う割に、自分の企画はあんまり出さないし、出してもそんなに面白くない)
「売れる●●」とか「PV稼げる●●」みたいなことを言ってる人のことだ。そういう方向でそれなりに成果はあがっているのかもしれないけど、本質的ではないよなあと思う。少なくとも私はそういう活動に興味がない。

お金稼ぎの手段としてやっているんだろうけども、お金を稼ぎたいだけなら、他に方法はある。だから、自分が好きやっていることで「売れる●●」とか「PV稼げる●●」とかを無理してやる必要もないかなと。(万が一、それを「企画」と思っているとしたら、自分とは考えが合わない)
そういう数字をあげていくのが好きな人ならまだ理解できるのだけども、その方向で考えるなら、ジャンルとかやり方で、もっと効率のいいものがあるんじゃない?ってツッコミたくなる。結局は自分だって自分の興味の範囲で活動しているのに、それを棚にあげて中途半端にそれっぽい理屈を語ってる人は信用ならんのだ。
数字のためだけじゃなくて、ちゃんと自分の面白いと思うもので勝負しようよって。まあ、そういうのがないのかもしれないけど。だったら、そういう自己自認でいてほしいなあと思う。

利益とか効率を追求するなら、そういう話になってくる。
結局は、自分が面白いと思うものをやるべきだ。

まあ、現実的には、やりたいこととやるべきことがいつも同じにできるわけじゃないけど、根っこの部分の精神は、そういう方向性でいこうとしないとはじまらないので。いつの間にか、そこまで変わってしまっている人が多い気がする。みんなもっと自分が本当にやりたいことをやろうとしたほうがいいと思う。「現実」ってやつに引っ張られすぎると、本当の自分を見失って、いつの間にか誰だかわかんない人になってしまうから。

「やりたいこととやるべきとことが一致する時、世界の声が聞こえる」
スタードライバーってアニメにこういうセリフがあるんですが、座右の銘的な感じでお守りとして持っている言葉です。作品では、主人公がおじいちゃんから言われた言葉で、主人公もはじめはその意味を理解してなくて、ただ言われたことを反芻しているだけなんだけど、物語が進んで成長するにつれて、自分のやるべきこと、やりたいことが明確になっていき、それが一致した時に「“やりたいこととやるべきことが一致する” ってのは、こういうことかい!」って、その感覚を理解する瞬間が好きで、そういう状態になれるのが人生のひとつの到達点なのかなあと思っています。

ちなみに、ニッチなことがいいことだとも思っていなくって。
ましてや、自分の世界だけで、自分が好きなものだけを、わかる人たちだけで消費して生きていこうとも思っていない。

だから自分が、自分が思っている以上にニッチなものが好きだってことを気が付けたのは、いいことだと思った。

それを認識した上で色々立ち振る舞っていこう。

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