ピロリ菌ララバイ

ピロリ菌。
胃を荒らす原因菌で、慢性胃炎や胃潰瘍、ひどい場合は胃癌を引き起こす菌。

…が、わたくしの胃の中にいた。


憧れのアラフォーに片足を踏み入れた今年、今後の人生もまだまだエンジョイしたいので、産まれて初めて「人間ドッグ」なるものを受けた。なんせ胃カメラを飲むのも人生で初という始末。

血液検査の注射がびっくりするくらい無痛だったので看護師さんを褒め称えてしまったこと、
病院着のあの前面の打ち合わせの心許ないソワソワする感覚など、
私は途中まで存分に人間ドックをエンジョイしていた。

最大の難関は、胃カメラ。
ここの病院は市内で唯一の「鼻から入れる最新式カメラ選択可」がウリだ。(ど田舎です)
周囲から散々聞いてきた、胃カメラの苦痛。バリウムのしんどさ。それらが完全に私を震えあがらせていた。だから鼻からだ!技術の進歩ありがとう!と、期待に胸を膨らませて処置イスに腰かけたまでは良かったのだが、
その数分後…私は知らなかった自分の身体の現実を知らされる。

「あーーっと、…かこらさんね、あの、申し訳ない。鼻の奥が狭くて、これ、ね、やっぱこれは、入らない」

エーー、、、

「残念だけどね、ごめんなさいね、本当…申し訳ないわ。女性に多いんだけどね、奥が狭い人。すみませんが、今両方とも鼻に麻酔いれて何度か試してるけど、痛い?あ、痛いよね(激痛)うん…」

たいそう申し訳なさそうな看護師さん。

そう、両鼻に麻酔いれてもらってるのに、激痛すぎて器具が奥まで入らない。例えるならシャーペンとかを有り得ないくらい鼻奥まで突っ込んだくらい痛い。痛い。

結局、両鼻に局部麻酔をした状態で、更に追加で喉に麻酔を施し、口からカメラを入れる運びとなった。

嗚呼…あの、オエってなる噂の。

一番避けたかったなぁ。。と思うも、こうなりゃハラを括るしかない。

あっという間にベッドに寝かされ、噛み締め防止の?マウスピースみたいなものを装着され、黒い、ながーいカメラが入ってきた。

体感では、、せいぜい5分くらいだったのかなぁ。。
その時間、私はいままでの人生でオエってなった回数を超えるくらい、おそらくこれから先一生分というくらいオエっを繰り返していた。
人生で最大にえずいたわ。。しんど。。

ああいう時、頭の中は妙に冷静になってしまう不思議。
嗚呼〜、これあとで誰と誰に面白おかしく話そ。とか。
こんなにえずけるもんなんや人間って。とか。
嗚呼…背中をずーっと優しくトントンしてくれてる看護師さん。。めちゃくちゃ好きになってしまう。。とか。

で、お医者さんがカメラ入れながら「今ならピロリ菌の検査(胃壁をちょっぴり切り取る)出来るけど、大丈夫?もう出す?しんどい?」
とおっしゃるので、涙流してオエオエオエオエしながら頭だけ冷静なわたしは、
力強く左手で
サムズアップ。
それを見た女医さんが吹き出しながら、
サムズアップ。

おかげさまでピロリ菌検査もできた。

帰宅後、まあピロリ菌はいないだろうし胃も大丈夫だろうからこれでしばらくは健康に浸って気楽に生きられるなぁーなどと、呑気に考えていた。

まさか数日後にピロリ菌検査陽性の通知が届くとは。


「除菌パック」という
7日間も強い抗生物質を数種類とりつづける薬を受け取る。それを飲むと毎日身体に強烈な異変が起きた。
苦い味がずーーっとする。(とにかくずっと口の中が苦い!夜中に苦味で起きてしまい泣く泣く少量の麦茶を飲んでやり過ごす)
酷い吐き気が続いて、腹痛と頭痛、あと全身に蕁麻疹が出てカユイカユイ。。。

だが、7日間飲み切らねば効果が無になるので飲まねばならず、地獄の日々だった。
その後、病院で絶食を伴う除菌検査を行い、なんと一次除菌で7割成功する検査を失敗した。。

何故なの、我が腹のピロリよ。

あんなにも身体に異変でたからてっきり効いたと思うやん?すっかり治った気がして、何ならちょっと胃の調子良くなったと思ってたわ、まだおるんかい…あんた。
いや、そもそも今までよ、なんの悪さもせんかったやん?あんた。
いままで胃がキリキリ痛んだこととか無いし。
そんな大人しいのになんてしぶといん。。

げっそりしつつ二次除菌にトライ。毎日震える手で薬を飲む(蕁麻疹が怖い。)
幸いなことに2度めの薬は蕁麻疹は出なかった。

再び絶食を伴う除菌検査を行い、結果は…

除 菌 成 功

かくして スッキリと年末を迎えることが可能となった。。あーーよかったーー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?