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九州旅行2日目。

あまり眠れないままに目覚めた。少し眠気があるが、旅の間は眠れないことも多いので慣れている。


船を出発し、今日登る予定の山に向かう。車で3時間くらいだ。

湯布院が見えた。一部分だけ木が生えておらず、草原になっている。どうやったらこの地形が生まれるのだろう。めちゃくちゃ綺麗だった。

道の駅ゆふいんに到着。お土産などを一通り見た後、昼ご飯を食べることにした。

わかめうどんを食べた。麺がしっかりとしていて美味しい。Mは昨日の夜から何も食べていなかったらしく、美味しそうに食べていた。

山の麓に到着。
天気が怪しかったため、実行するか諦めるか散々悩んだ挙句、「行こう!」となって荷物をトランクから出した瞬間に大雨が降ってきた。急いで車に避難して、雨が止むのを待つ。
幸いにも雨はすぐに止み、雨雲レーダーを見ても大丈夫そうだったので出発することに。

いきなり階段が続く。
山は最初の10分が1番しんどいということをMにあらかじめ言っておいたのだが、Mは最初の階段でかなり精神的に参っているようだった。これが永遠と続くと思うとしんどくもなるよな.....。

しばらくすると道もなだらかになり、Mも少し慣れたのか、先頭を歩いてペースを上げるようになった。

標高が上がるにつれて霧がどんどんと深くなり、10メートル先の景色も見えないほどだった。3人であまり離れすぎないように注意しながら進む。電波も繋がりにくいし、はぐれてしまったらもう一度合流するのはかなり困難だろう。風も強く、声が届きにくいということもあり、できるだけ近い距離で登っていくことにした。


一つ目の避難小屋に向かっている途中で急激な雨に襲われた。小屋まではもうすぐだったので、走って小屋まで向かう。
雨が治まるまで小屋の中で過ごしていたのだが、この状況でもHは楽しいなということを言っていた。私もこの怖さをむしろ楽しんでいる部分があったので2人しておかしいなと笑い合った。


一つ目の避難小屋から次の避難小屋の間はMが先頭で行ったのだが、ここでMが脅威のスピードを見せた。
これまでMは少ししんどそうにしていたのだが、少しずつ慣れてきたようだ。
次の休憩地の避難小屋に着いた時点で、本来よりも2時間も早いペースになっていた。登山だから時間の目安が少しゆっくりめになっているとはいえ、2時間巻くというのはかなり早い。


霧の中だとどれくらい進んだか分かりづらいし、これからどこに向かうのかもイマイチよく分からない。逆に、目的地との距離を感じて絶望することもなく、目の前のことに集中できるのでそれはそれで楽だった。

山頂に到着!
予定よりも2時間早い到着だった。
景色が見れないのだけが残念だが、景色が見れたらこんなに早く着けなかっただろうな。

ここから降りて坊がつるキャンプ場に向かう。山頂からはさらに2時間近く歩かなければならない。


Hからは事前に初心者でも全然行ける山だから大丈夫と聞いていたのだが、これは全然初心者向けではないぞ。
どうやら、坊がつるに行くためにはもっと楽なルートがあったらしいのだが、色々な山に行きたいということで、かなり寄り道と遠回りをして進んだ結果、とんでもないルートになってしまったそうだ。Hも「こんなにしんどいとは思っていなかった」と言っていた。


徐々に足が震えてきて、転倒する回数も増えてくる。崖が近くにあったりするので、かなり危険だ。ただ、もう限界まで歩いているため、これは休憩したところで変わらず、慎重に進んでいくしかない。

ここからは道というよりは自然にできた川の跡を道だと言っているだけみたいな道で、地面が濡れていてかなり滑った。道も狭く、途中は猿のように木を持って滑り降りるような形で下っていった。

下り切った!!!この下りはめちゃくちゃ長く感じた。

あとは平地を進むだけというところで急激に大雨が降ってきた。
屋根もないので、走って山小屋まで向かうことに。散々疲れた体をさらにいたぶるように全力で走り続けて5分。雨に打たれながらも、無事に到着することができた。
にしても、私はこれまで六甲山縦走や屋久島登山をしてきているが、毎回最後に走っている。


山小屋で雨が止むのを待ち、キャンプ場まで行く。

これまでペグを打たずにテントを使ってきたので、ペグをしっかり打って使うのは初めてだった。Hが慣れていたので教わりながらテントを立てる。風が強いからペグはしっかりしておかないとな。
地面が濡れていたので心配していたが、薄い銀マットだけでなんとかなりそうだ。

テントの中は風も遮られ、かなり心地良い。一瞬で眠気がやってきたが、とりあえず夜ご飯を食べることにした。
Hがガスを持ってきていたので、それでカレーラーメンを食べた。
テントの外は風が強く寒いのだが、テントの中は驚くほどに暖かくて、半袖半ズボンでも平気なくらいだった。


キャンプ場は無料で、炊事場や水道もあって、さらにトイレもあるという、山の中にあるキャンプ場にしてはかなり恵まれた環境だった。
炊事場からキャンプ場を見渡すと、所々にテントがあって、それぞれが白や橙色の灯りをテントの中で照らしていた。この光景は生涯忘れられないだろうな。こんなに壮大な景色の中で、それぞれの営みが行われている。


夜も深まると星も綺麗に見え出した。うっとりするほど満点の星空だ。
星空を見ながら、Mが「今日は濃い1日やったな」とぼんやりと呟いていた。
デネブ、アルタイル、ベガ、と指をさしている人の声を聴きながら、またテントに潜った。ランタンの光を消したら、驚くほど真っ暗だった。

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