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一週間無人島生活[五日目]~筏で出港編~

昨日の夜はあまりよく眠れなかった。無人島は明かりがないので、夜は大体七時くらいに寝る生活になるのだが、十時くらいまではしっかり眠れて、そこからはずっと起きているような感じだった。

眠れない時でも、星空が綺麗だから気分は落ち込まない。目を開けるだけで満点の星空に目を奪われる。眠る暇もなく、星が輝き続ける。

朝日が昇ってきたので体を起こす。眠れていないにしては元気で、体も充分に休まった。


星空を撮っていたら靴を濡らしてしまったので、火を起こして乾かす。ついでにこれまでそのまま食べていた食パンも焼いて食べることにした。

私たちは箸を持ってきていないので、毎回食べるときには森の中で手頃な木の枝を拾って箸にしているのだが、森の中で「箸どこだ」と言いながら箸になりそうな枝を探すの、日常生活で無いシチュエーションすぎて笑ってしまう。


靴も乾いたので、探索へ向かう。まだ行ったことのない道を辿っていく。

和式トイレ跡があった。しかも結構状態が良くて、比較的新しそうなトイレだ。そのすぐ先は道が途切れていたので拠点へと戻った。とりあえずこの無人島にある道は全て制覇することができた。

地図にするとこんな感じだ。


午後からは我々としては初となる筏作りをしてみることにした。今回の無人島は色々とやりたいこともできて盛りだくさんだ。

まずは森の中を探索して、骨組みになりそうな木を探す。大きい木はあまりたくさん落ちてはいないが、何本か集まった。これを組み合わせて、筏の形を考える。

次は浮きだ。浮きは初日から集めていたので、かなり良いものがたくさん集まった。

木と浮きを固定する紐も、漂流物の中から入手した。全てが無人島で拾ったものだ。

完成。本来なら明日出港する予定だったのだが、あまりにも波が穏やかだったので、今日出港することに決めた。

いざ出港!ドローンで動画を撮影したかったこと、緊急時に助けに行く人が必要だったことから、二人で一気に乗り込むことはせず、一人ずつ交互に乗ることにした。

まずはOから。そもそも筏が浮くのか、人が乗って沈まないのかを心配していたが、無事に浮かんでいる。少しずつ沖へ出ていくと、ドローンでも陸が映らないようになり、かなり良い動画が撮れた。あまり沖に出すぎると流されてしまう危険性が高いので、程よいところで帰ってきてもらう。

Oも無事帰ってきたところで、次は私の番だ。泳ぐのは苦手なので怖さはあったが、何重にも安全対策をしているのでおそらく大丈夫だろう。


おそらく私の方がOよりも少しだけ体重が重いのだが、問題なく乗れた。乗ってみて分かるが、かなり安定している。少なくとも沈むことは無さそうだ。少しずつ漕いでいき、陸から離れる。すぐに足のつかないところまで到達した。

Oがドローンで撮影をしてくれていたので、しばらくそのままで待機し、流されないようにだけ気を付ける。

と、ここでトラブルが発生。万が一筏が流されても回収できるように、筏に長い紐を付けて陸に固定しておいたのだが、それが切れてしまった。それと同時に少しずつ筏が流されていく。焦って陸に向かって漕ぐものの、左側へ流されていって意味をなさない。

陸にいるOからの指示に従って、潮の流れに身を任せなんとか陸まで辿り着いた。離岸流の対処の方法をOが咄嗟に思い出して指示してくれたが、凄く焦った。そこまで沖に出ていなかったので、最悪筏を捨てて泳ぐことはできただろうが、海に筏を捨てると、船と筏が接触事故を起こしてしまう心配もあったので、筏ごと帰ってこれて一安心だ。

ちなみに、これがドローンで撮影していたものの一部だ。本当に最高の映像が撮れた。このレベルのものを二人だけでできたというのは自分で言うのもなんだがかなり凄いと思う。ほとんどテレビがやっているようなことをすることができて大満足だ。



夜、友人Sから奄美大島で地震があったらしいが大丈夫かという連絡が来た。どうやら北部の方で地震があったらしく、津波の心配はないとのことだ。私たちがいるのは奄美大島の南部で、揺れを感じることはなかったが、もし南部で地震が起きていたらと考えるとゾッとする。

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