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一週間無人島生活[六日目]~大物の出現と調理編~

いつものように砂浜に寝袋を敷いて寝ていたのだが、朝方は特に寒かった。寝袋を頭まで被って、寒さに耐える。しばらくして寝袋から顔を出すと、少し明るくなっていた。星が消えつつあった。朝が始まろうとしていた。

森の中の拠点に向かっていくと、砂浜に変な模様がいくつもあるのを見つけた。おそらく蛇が通った跡だ。ハブなのかはっきりとしなかったが、砂浜で寝ていたのも実は結構危なかったのかもしれない(後でOと話して気付いたが、ヤドカリが通った跡かもしれない)。

朝起きて、まず最初に筏の解体から始める。私たちはできるだけ来たときと同じ形に戻す、むしろ綺麗にすることを主義としてやっているので、拠点の解体はもちろん、作った筏も全部解体する。

かなりしっかりと結んでいたので解体にも手間がかかったが、30分くらいで完了。固定していた紐は漂流物として流れ着いていたロープをほどいて使っていたが、持って帰れそうなので持って帰って捨てることにした。これでこの砂浜も少しは綺麗になるだろう。

拠点に戻り、Oが釣りの準備をする間に二つ目の籠を作り上げることにした。実は四日目から二つ目の籠作りに着手しており、完成間近となっていた。

今回は前回よりも浅く広い籠を作ろうと思い、底を広めにした。ただ、その影響なのか前回よりも歪んだものができてしまった。ある程度上手く作ることはできたが、次作るときはもっと上手く作れそうだ。

並べるとこんな感じ。生活のクオリティーがどんどんと上がってきている。この島で一ヶ月くらい生活したらどうなるのだろうか。より豊かな文明が出来上がっていくかもしれない。もし社会人を辞める時が来ればやってみます。


籠を作り終えたところで、最後の釣りへ向かう。

オジサンが釣れた。やった!昨日に引き続き、ダイソーで買ったルアーで釣れたので驚きだ。意外と釣れるものなんだな。


オジサンが釣れた位置の近くでルアーを投げていたら、また獲物がかかった。最初は完全に根掛かりしたと思ったのだが、引いてみると確かに何かがかかっている。あまりにも強い手応えで、少し持っていかれそうになる。

なんとか引き上げると、私がこれまで釣ったことのないサイズの魚が現れた。魚が釣れたという喜びよりもこんなサイズのものが浜辺から釣れるのかという衝撃の方が強かった。しかもこれもダイソーのルアーで釣れた。ダイソーのルアーってちゃんと釣れるんだな。

私の釣り上げた魚を見たOのリアクションも素晴らしいものだったので、大いに笑った。無人島に来て一番笑ったかもしれない。


調べてみると、アミノフエフキダイという魚で、ちゃんと食べられる魚みたいだ。無人島でこんな立派な魚が食べられるなんてめちゃくちゃ嬉しいな。

作った籠に入れると雰囲気が出る。ちゃんと作った甲斐があったな。

釣りを一段落させ、ドローン映像を撮ることにした。

ドローン操作にも慣れてきたところで油断してしまったのか、事故が発生。ドローンがバックしている途中で後ろの崖にぶつかってしまい、5メートルくらいの高さの場所にドローンが取り残されてしまい、動かなくなってしまった。友人から借りたものなので、大慌てで取りに行く。かなり危ない崖を登ることになるが、そんなことを言っている暇はない。Oよりも運動神経の良い私が代表して崖を登る。崖は一度海に入ってから登る必要があり、濡れている崖を登るのはかなり困難だった。それでも意地で登り、ドローンを回収。どうやら壊れていない様子だったので、そのまま飛ばしてもらい、Oの操作で回収する。ドローンは無事そうだったのでひとまずは安心だ。

ここにドローンが取り残されてしまった。

折角崖に登ったので、海に飛び込むところを撮影してもらった。海が綺麗。

ドローンの状態を確認したところ、羽に傷が入っている程度で本体は大丈夫そうだ。あのまま本体を回収できない可能性もあったし、崖に当たって海に落ちる可能性もあったから、不幸中の幸いといったところだろう。


ドローンの無事が確認できたところでお昼ご飯とする。今回の昼食は豪華だ。

まずはオジサンをそのまま焼いていく。

オジサンを焼いている間、ツワブキのきゃらぶきを作る。ツワブキのアクを取って、醤油と砂糖で炒めるだけだ。

ツワブキのきゃらぶきはすぐ完成したので、先に食べる。あく抜きが上手くできていなかったのか、クセが強くて美味しくはなかった。もっとちゃんとあく抜きをすれば良かったな。

アミノフエフキダイはマース煮で食べることにした。水と塩を入れて煮るというシンプルな料理だ。

かなりの大物だったので、鍋の中に入れるのにも苦労した。これは食べ応えがありそうだ。

三十分ほど火の中に入れたら完成!いざ実食。

ちゃんと鯛の味がしてめちゃくちゃ美味しい。身がふっくらとしている。

出汁がかなり出ていたので飲んでみると、これがめちゃくちゃ美味しかった。ちゃんと魚の出汁が出ている。これで味噌汁とか作ったら美味しかっただろうな~。


今日は、三日目に訪れた断崖絶壁のある山で寝る予定だったので、準備を進める。思わぬ釣果やドローンの事故があって予定よりも押しているが、テントや寝袋、食事の用意などを持って急いで山頂へ。

山頂へ到着。少し雲っているが、相変わらずの絶景だ。転げ落ちないような位置にテントを設営し、写真撮影を行う。

めちゃくちゃ良い写真だ。

その後、暗くなる前に食事を済ませることにした。この辺りは草原になっていたので、できるだけ地面にダメージがいかないように石を敷いた。

火の扱いもだいぶ上手くなってきて、最小限の薪と最小限の火力でお湯を沸かすことに成功した。

食事をした後はまたドローンを飛ばす。今回も大活躍だ。一応動作確認のためにも飛ばしてみたが、問題なさそうで良かった。

他にも色々と写真を撮った。やっぱりここが一番良い景色だ。


暗くなってきたので、テントの中に入る。この時間になるとすっかり眠くなってくるように生活リズムが作り変えられていて、完全に無人島に適応してきている。

今日は風がそこまで強くなく、この場所でも安全に眠れそうだった。


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