第二回無人島 宇治島編

第一回の無人島から一年。
夏になり無人島の季節がやってきました。
メンバーは前回も一緒に行ったO君と、僕の兄が参加することに。
僕の兄も無人島に興味をもっており、ボランティアの一環で二回ほど無人島生活をしているみたいなので、心強いです。
今回は広島にある無人島ということで、車を運転できる兄の存在は非常にありがたかったです。僕もO君も当時は免許を持っていなかったので、兄を誘うことで広島県まで運転してもらおうという魂胆。
兄は働いているため、高速道路やガソリン代なども払うと言ってくれました。
当時はアルバイトなどもしていなかったため、お金もなく、非常にありがたかったです。
島の許可やチャーター船の予約は僕たちで済ませ、いざ出発。
車の中では色々な話をしました。
今回は、前回よりもレベルの高いサバイバル生活と、虫を食べてみるという目標を掲げていました。
前回は食料を最低限持って行きましたが、今回は何も持ってきていません。
水と調味料を持ち込み、いざ出発。
事故や渋滞もなく無事時間通り港に到着しました。
港からチャーターした船に乗り込み、宇治島を目指します。
港からは少し遠く、それだけ本島から離れているのだと考えると少し怖くなりました。
しかし、今回はワクワクが勝っています。
チャータ船は先払いということで、一人一万円を支払いました。
本当から少し離れているため、値段は少し高めでした。
島に着くと鹿がお出迎えしてくれました。
実はこの島には野生の鹿が生息しており、ざっと数えただけで10匹以上いました。
人間に興味津々なのか、怖がることもなく、寄ってきます。

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船長から鹿のエサをもらい、鹿にあげることになりました。
時々船長が島にやってきては鹿が飢えて死んでしまわないようにエサをあげるそうです。
それを知っているのか、鹿は船が来るとすぐに寄ってきました。
一度にたくさんあげすぎるのは良くないということで、一通りエサをあげると次の日にまたあげて欲しいと船長に言われ、鹿のエサをいただきました。
今考えると、僕たちの非常食としての役割も担っていたのかもしれません。
荷物を下ろし、いざサバイバル生活が始まります。
まずは拠点となりそうな場所を探していきます。
今回はテントを人数分持ってきていたので、テントが設営できそうな、平らでひらけた場所を探します。
島の反対側に行けるような細い道を見つけたので、ズンズンと進んでいきます。
膝下くらいの草をかき分けながらしばらく進むと、拠点に良さそうなひらけた場所を見つけました。
船を下りた場所からは少し遠いですが、ここを拠点とします。

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荷物を運ぶと、テントを設営します。
簡単に設営できるものなので、15分もかからずすぐに設営できました。
次に、食料を探して行きます。
僕は火起こしを、O君は釣りの準備を、兄は海の中へ入って海中の様子をうかがうことに。
火起こしはメタルマッチと麻紐を使った方法でしていきます。
今は結構慣れていますが、当時はまだ慣れておらず、メタルマッチでの火起こしは2回目か3回目くらいだったので少し時間がかかりました。
何度かチャレンジし、無事火起こしは完了。
この3人の中では僕が一番火を扱うのが得意だったため、今回の無人島から僕は火担当になりました。
釣りの準備もできたらしく、(僕の分も用意してくれた)O君と一緒に釣りをしに行くことに。
色々なポイントを試しますが、なかなか釣れません。
釣りに至ってもほぼ初心者のため、思うようにはいきません。やっと釣れたと思ったらフグばかりで、嫌になります。
僕が少し休憩している間、O君は釣りを続けます。いつも僕は諦めが早いのですが、O君は粘り強く、諦めが悪いです。今回は、O君の粘りが功を奏し、見事一匹のベラを釣ることができました。
しかも、これまで見てきたベラよりも大きく、大物と言えるでしょう。
ベラ自体がそんなに大きな魚ではないのですが、そのベラの中でもこれは大きい方と言えるでしょう。
二人のテンションも上がり、僕も釣りに参加します。が、結局僕だけ一匹も釣れませんでした。
一度釣りは諦め、海に潜ることにします。
釣りをしている間、兄は海に潜っていたのですが、その兄が言うには、ベラがたくさんいるとのことでした。
僕は泳ぎが苦手で、海に対する怖さもあったので、足が着くか着かないかのギリギリのところまでしか行けませんでしたが、それでもその深さのところにはたくさんのベラがいました。
じゃあなぜ釣れないんだとキレそうになりましたが、やはり実力が足りないのでしょうか。何が悪いのかがイマイチ分からないので、改善のしようがありませんでした。釣りの上手い人がいればぜひ教えてもらいたいですね。

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少し暗くなってきたので完全に暗くなる前に釣れた魚を焼いて食べます。
釣れたものだけでは消費カロリーに見合っていませんが、仕方がありません。
そして、昼の間に捕まえていた虫を食べることにします。
僕は最後まで抵抗していたのですが、O君が躊躇なく食べるのでコオロギを一匹食べてみることにします。
小さいものをよく焼いて食べたので、焦げた味でよく分かりませんでした。
食感は、外はカリっとしていて、中は少しムニっとしていました。
率直な感想を言えば、意外と食べれるな、というものです。
自分で捕まえ、それを木に刺し、そのまま焼いて食べるという工程に抵抗感はありますが、出されたものを食べるくらいならできそうだな、という感じでした。

すっかり暗くなったので、今回もギターを弾きます。前回は大きいアコースティックギターを持って行っていましたが、今回はマーチンのバックパッカーという、少し小さめのギターを持ってきていました。
やはり、歌を歌うと元気が出ますね。
外なので声も響きますし、何より騒音を気にする必要がありません。
疲れも少しは楽になったような気がします。
疲れには肉体的な疲れと精神的な疲れの二種類があります。
歌を歌うことは精神的な疲れによく効きますね。
しばらく歌を歌ったあとはそろそろ寝ることにします。
しかし、ここで問題が。
暑くて眠れないということです。
ひどい日差しの中、日焼け止めを塗っていなかったので、熱が体から抜けず、なかなか寝つけません。体中がずっと火照っているような感じがします。
テントの中は暑いと判断し、僕は砂浜で横になります。
(そもそも体が熱いので、どこにいても熱く感じますが。)
火の管理も並行して行いながら、少し寝ては起きてを繰り返し、火を絶やさないようにしていました。
風が当たり、少しは涼しいような気がします。
上を見上げると、星が綺麗でした。
寝転びながら星を見ると、吸い込まれるような気がしました。
徐々に夜が明けていく様子をじっと見ていました。まず遠くの空が明るくなって、徐々に周りが明るくなっていきます。
少しずつ太陽が昇ってきて、月と同時に空に現れ、のちに太陽だけになりました。

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完全に夜があけ、次の日がやってきました。
横になっているだけでも体力は回復して、今日も頑張れそうです。
しばらく火の管理をしていると、兄が起きてきました。
しばらくしてもO君が起きてこないので、様子を見に行ってみると、なにやらしんどそうにしています。
どうやら、僕と同じで体に熱がこもって眠れなかったようでした。
昨日、O君は僕よりも多く活動していたため、消費しているカロリーはその分多いでしょう。
しばらく木陰で休むように言うしかありません。
僕にできることは何もないのです。
もっと体調が悪くなれば早急に撤退することが必要ですが、もう少し様子を見ることにしました。
何度か吐いたみたいなので、持ってきた非常食や塩飴、塩分チャージなどをO君にフル投入し、また様子を見ます。
これで気分が戻らなかったら、撤退するという選択が正しいでしょう。
その頃僕や兄も体力的には厳しいところで、
何度か海に入って生き物を探したり、魚を釣ったりしますが、消費カロリーには見合っていません。
このままだと僕たちもやばいと感じたので、極力消費カロリーを抑えることにします。
お腹が空いたのと好奇心で、兄が船長にもらったエサを食べていました。
エサ、と言ってもほとんどビスケットのようなものだったので、人間でも普通に食べられそうです。
兄が美味しいと言って何個か食べていたので、僕も試しに一つ食べてみました。
、、、普通のビスケットの何ら変わらない。
甘さ、というのが日常的に存在していて、いかに美味しいものであるかを再確認させられました。
もっと食べたい気持ちはもちろんありましたが、今回はよりサバイバルな生活ということなので、我慢することにします。
しばらく木陰で休んでいると、O君が回復したようです。
軽い脱水症状だったようで、水分と塩分、エネルギーとなる食べ物を多く摂取したことで重症化せずに済みました。良かったです。
O君はこれまで休んでいた分を取り戻そうと活発に動いていたので、また同じような状況にならないかヒヤヒヤしながら見ていました。
昼頃海に入っていると、船長がやってきて、
今日の夜から明日にかけて大雨が降るという予報が出ているらしく、早めに撤退した方がいいと言っていて、さすがに雨の中は厳しいと判断したため、晴れているうちに無人島から脱出することにしました。
帰る時、荷物を船まで運び入れるのですが、個人的にはこの作業の時が一番しんどかったです。
船が止まるところから少し遠い場所に拠点を作ったため、重い荷物を持って船まで運ぶ作業は骨が折れました。
食べ物も充分に食べていませんし、暑さもピークで昨日の疲労も溜まっており、力がうまく入りませんでした。
頭もクラクラしていて、このままだとヤバいというのが自分でも分かりました。
無理のない程度で休憩を挟みつつ、荷物を運んでいきます。
O君の遅れを取り戻そうとする頑張りもあり、船まで荷物を運び終え、帰宅。
無人島から帰ってくると一番最初に何を食べたくなるか、というのをいつも少し楽しんでいるのですが、今回はティラミスでした。
すぐにスーパーにより、アイスと大きいティラミスを買って食べました。
少しずつ無人島やサバイバルの知識、経験が備わっていくのを感じ、楽しかったです。

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