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「続・猫のいる街と冬の部活動を思い出す夕暮れ」2022年9月20日の日記

又吉直樹の「東京百景」という本を今読んでいる。東京での生活が場所ごとに記されているエッセイで、それぞれの中にクスッと笑える小咄が入っていて面白い。

NSCに通うのは苦痛だった。褒め言葉のように「変わってるね」と互いに言い合う人達が多くて気色悪かった。なぜ変わっている事が誇らしいのかが解らなかった。 僕にとって『個性』とは余分にある邪魔なものを隠して調節するものであり、少ないものを絞り出したり、無いものを捏造する事ではなかった。周囲を見て、無理して個性的なふりをしている奴等を見ると虫酸が走った。

この文章がすごく良い。他にも、「個性は隠そう隠そうとしてもどうしても隠しきれずに、ついポロッと表面に出てくる部分である」みたいなことを別のところで語っていて、そういう個性の捉え方は素敵だと思った。


昼に肉巻きおにぎりを作って食べた。弟も家にいたが、弟の分は面倒だったので自分で作らせた。
弟はほとんど料理ができないので、それを眺めつつ、致命的なミスだけを指摘した。料理ができない人が料理するのを眺めるのは結構楽しいと気付いた。料理ができる人の手際の良さとかを楽しむのも良いが、できない人の手際の悪さとか未熟さを微笑ましく見るのも良い。

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少し失敗したが、かなり美味しい。米を肉で巻いて焼肉のタレで味付けしただけなのになぜこんなにも美味しいのだろう。別で焼いて一緒に食べても味は同じはずなのに、ちゃんと肉巻きおにぎりとして作った方が格段に美味しいと感じるのは不思議だ。



三時頃から、弟とこの前行った猫がいるらしい場所まで行くことにした。家に自転車が二台(私が普段使っているロードバイクと、私が高校生の時に通学で使っていたママチャリ)あるので、空気を入れ、軽い探検へ出発。
30分ほど自転車を走らせ、近くに自転車を止めて歩いて探索する。ついでに近くの猫が生息していそうな場所も探すことに。

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かなり遠いが、猫がいた。ひっそりと静かに寝転んでいる。猫はこちらを一瞥すると、興味無さそうにまた体に顔をうずめて、寝る体勢に入った。

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ここにもいた。海の近くにあるテトラポッドの上だ。少し近づくと、スルスルとテトラポッドの中に入っていった。中で生活しているのだろうか。風は来なさそうだが、波が荒い日とかは大丈夫なんだろうか。

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おばさんが猫に餌をあげているらしいポイントに行くと、ちょうどおばさんが餌をあげているタイミングだったため、たくさんの猫がいた。七、八匹くらいはいるだろうか。

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何枚か写真を撮ったが、そこまで人懐っこい感じの猫でもない。野良猫でも人から餌をもらっている猫は人馴れしているものが多いのだが、ここの猫はかなり警戒心が強く、一定の距離まで近づくとすぐに逃げていってしまう。


そのあとは海を離れて坂を登っていく。坂の上は小さい街になっていて、良い景色だ。

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近くに自販機があったので、購入。自販機でしか売っていないらしく、試しに買ってみたが、あんまりオレンジの味はしなかった。普通の紅茶とあまり変わらない美味しさだ。

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街の中にも多少猫がいるみたいで、一匹だけ見つけることができた。何気なく近づき、しばらく並んで歩いていると、流石に警戒し始めたのか、少し早足になって逃げていった。

坂を登ってから一駅分くらい歩き、少し疲れてきたので帰ることにした。少し道を変えながら元の場所に戻る。

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まだ例の場所に猫がいた。


自転車で帰る。自転車を漕いでいると、冬の部活動を思い出すような体の感じを思い出した。体の芯はあったかいのに、体の表面はやけに冷たく、肌の隙間から冷気が体内に侵入してきそうになるあの感じ。

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