第五回無人島 黒島編

今回は家島諸島にある、黒島という島に行ってきた時のことを書いていこうと思います。
ちなみに、4回目に関しては少し前に無人島開拓記ということで、結構力を入れて書いているので、そちらの方を見ていただければ。

きっかけはO君と沖縄の無人島に行った帰りのホテル。
無人島から帰ってきてすぐに次の無人島の話をしていて、次はもう少し大人数で行ってみようということになり、自分たちの友人で行きたい人を募集したところ、僕たち以外に三人が名乗り出てくれたので、その人たち含めた五人で挑戦することに。
と言っても、今回はほとんどキャンプみたいなもので、食料や水、テントを持ち込んで行きました。
なので、そこまで過酷なわけではなく、比較的ワイワイとした雰囲気で生活しました。
いつも無人島に行く時は、どのくらいのサバイバルレベルなのかを決めるようにしていて、今回は今まででも一番サバイバルレベルを低く設定して行きました。
まあ、一緒に行く友人たちが初めて無人島に行く三人だったので、そこまで過酷にしても可哀想だと思いましてね。
行った時期は大学二回生の春休み。
実は大学二回生の春休みには無人島に三回行っていて、沖縄の無人島、O君の親戚が所有している無人島、そしてこの黒島という無人島。
結構怒涛のように、狂ったように無人島に行っていますが、狂ってはいないと思います。多分。
計画段階でO君は大島の方を進めていたため、今回の無人島は僕が計画を担当することに。
いつもはO君がわりと色々やってくれるのですが、今回は責任を背負いました。
メンバー集めや島への許可、チャーター船の確保などを行いました。
島への許可は簡単だったのですが、(許可証を提出するだけ)チャーター船の確保には少々の時間を費やしました。
夏にしか磯渡しをやっていないところが多く、大学の合間などに電話をしまくって情報を集め、なんとかやっているところを見つけました。
値段は少し高かったのですが、仕方ありません。まあ、五人で割るとそれほどでもありませした。

朝早く起きて軽く最終準備した後、友人の車で姫路港まで。
中には久しぶりに会う友人もいましたが、思ったよりも自然に喋れました。
男鹿島まで定期船で行き、チャーター船で無人島へ出発します。
大体20分くらいで到着しました。
風が気持ちいい。
荷物を下ろしてとりあえず探索へ向かいます。
砂浜は少なく、丸い砂利が多い砂利浜とゴツゴツした岩場が外側にあり、内側は完全な山になっている無人島でした。
島一周してみようかという話になり、みんなで岩場を進もうとしますが、潮も満ちており、なかなか難しそうだということでとりあえず断念します。
一人だけ先々行ってしまったので(本当はあまり良くない行動ですが、この人は自由奔放なので止められません笑)、放っておいて他のメンバーで島を探索します。
漂流物は結構充実しており、長い木や竹、薪となるものもたくさんありました。
問題はどこに家を建てるかで、砂利浜ばかりのため、寝転べるような平らな土地があまり見つかりませんでした。
山側も開けた土地あんまりなさそうだということでしばらく探索していると、山を少し入ったところに誰かが作ったであろう家がすでに建っていて、しかもなかなかの完成度を誇っていました。
どうやら、どこかの大学のサークルが少し前に来ていたようで、大人数で作ったんだろうなというような家ができていました。
木材も多く利用していて、これを分解すれば自分たちでも良い家が出来上がるほどの木材が揃っていました。
さっき島一周するために消えてしまった友人以外のみんなを呼び、(その人は1時間ほど帰ってきませんでした)拠点をこの家のとなりのスペースに置くことにしました。
まずは四本の支柱を建てます。
下が比較的柔らかい土だったので、深い穴を掘り、そこに支柱となる木を埋め、中くらいの石、小石、砂利で固めていきます。
四本のうち一本は自生している木を使ったので、なかなか安定しています。
四本の支柱を立てるのと同時進行くらいでそれを支える垂木を制作していきます。
四人で作業をすると流石に早いですね。
長い木や竹も結構あったので、それを通して麻紐や生えていたツルで固定していきます。
四本目の基礎を作っている時くらいに島一周友人が帰ってきたのですが、やけにテンションが下がっていました。
崖から落下したらしく、(本当か?)
足が濡れていて、すこし怪我をしたようです。やはり、単独行動は危険ですね。
その後はその友人も家づくりに参加し、無事に家の基礎が完成しました。

そのあとは支柱となる四本の柱に斜めに木を固定して強度を高めていきます。
基礎ができると家っぽい感じが出て楽しかったです。
前いた人が使っていたブルーシートが比較的綺麗な状態で残っていたので、それを屋根にすることにします。
屋根を作ると家感がより増して、みんなで声を出して盛り上がりました。
屋根もでき、一段落したところでお昼にすることにします。
1時間前からずっとお腹は空いていましたが、作業に夢中で食べていなかったため、とてもお腹が空いていました。
船長からもらった立派なタイが二匹あったので、それを焼いて食べました。
醤油をかけて食べると絶品でした。
買ってきた肉も食べ、体力を回復します。
食べると段違いに体力が回復しますし、精神的にも余裕が出てきます。
その後は釣りをする組と家づくりをする組に分かれて行動することに。
僕と友人二人は家づくり、O君ともう一人は釣りへ。
とりあえず基礎と屋根はほとんどできているので、寝るためのベットを基礎に付随させる形で枠組みを作っていきます。
麻縄が無くなってきたので、拾ってきたロープをほどいて使いました。
麻紐よりもロープの方が丈夫だし、縛りつけた時のフィット感があって使いやすいという発見ができたので、次回からはロープを拾ってやってみてもいいな。
板も落ちていたので、寝るところは板を敷き詰め、ベットが完成。
人一人寝られるスペースができました。
友人たちはテントを建てたところで休憩して、O君と僕で拠点作りを進めます。
ツルがたくさん自生していたので、それを使ってもう一つベットを作ることに。
麻縄を使い切ってしまったため、なかなか効率が上がらず、完成は翌日になりそうです。
長い間二人で作業をしていると、テント側の3人が夜ご飯の準備をしてくれていたみたいで、少し早めの夜ご飯にすることにします。
軽く強度を確かめたあと、3人と合流します。
余っていた肉などを食べました。
ずっとやってみたかった石焼き肉もうまくいって、テンションが上がりました。
ご飯を食べたあとはみんなで歌を歌いました。
僕はギターを弾き、友人の一人がジャンベやカリンバを持ってきてくれていたので、それを使ってオーシャンゼリゼを歌いました。
無人島でみんなで歌うことはずっとやりたかったことなので、また一つ夢が叶って嬉しかったです。
他にも色々歌い、そのあとはデザートタイム。
マシュマロを焼いたり、焼きりんごを作ってみたりしました。
みんなで焚き火を囲みながら食べるのは楽しかったです。
僕とO君で行く時は食事にあんまり気を遣わない(腹が満たせればいいみたいな感じ)
ので、食事をしっかり摂ったのも新鮮でした。
辺りは暗くなっていましたが、月明かりと街の明かり(黒島は比較的友人島に近い島だったので、近くが見えるくらいには明るかったです)作った拠点には戻らず、テントのある焚き火の近くでずっと過ごしました。
テントには僕とO君以外が交代で寝て、僕とO君はずっと寝ずに焚き火周りで話していました。
喋り相手はいたので、暇になることもなく、しんどくなることもなく、穏やかな夜でした。
夜の1時間くらいは友人の持ってきたカリンバをずっと弾いていました。
操作は簡単だったので、すぐに慣れました。
イントロドンとかをして楽しみました。
寝ないということにも少し慣れてきて、一日くらい寝なくても大丈夫かーと呑気に考える余裕も出てきました。

2日目
寝ていないのであんまり境目がないけれど、とりあえず分けて書いていくことにします。
徐々に日もあけてきて、活動できるようになってきました。
友人二人はずっとテントの中で寝ていて、僕、O君ともう一人で3時間くらいずっと喋っていました。
5時くらいになったので、僕とO君で拠点作りの続きをすることに。
ツルで作ったベットも無事完成し、朝ごはんを食べることにします。
食パンやフランスパン、ベーコン、卵、菓子パン、チーズなど、豪華な食事でした。
朝ごはんを食べ終わったあとは再び拠点作りへ。
次は煙突を作ってみることにします。
地面が粘土質の土だったので、石を並べ、粘土質の土を石の隙間に入れ込んでかまどを作り、節の開いた竹を立てかけて煙の誘導口を作りました。
少し入り口から煙は漏れるものの、うまく出口から煙が出て、うまくいきました。
あまり実用的ではない煙突ではあったものの、家の上の方から煙が出ているのを見ると満足感があったし、家っぽい雰囲気も生まれて良い感じでした。
もっと時間があれば、かまどに煙突をつける感じにしたかったのですが、それはできませんでした。
昼はお米を持ってきていたので、飯盒炊飯をしました。
事前に少しだけ調べて、あとは適当にやってみたのですが、焦げもほとんどなく、米の芯が固いということもなく、思ったよりもうまくできたので満足です。
持ってきたレトルトカレーを入れて食べました。
飯盒炊飯は失敗すると思っていたので、成功して嬉しいです。
O君と友人は釣りでアイナメを一匹ずつ釣ったらしく、お昼として食べていました。
友人は釣りをするのも初めてらしく、初めての釣りで魚を釣れて嬉しそうでした。
昼を食べたあとは軽く片付けをして、拠点を解体していきます。
今日の夕方頃に迎えの船が来るので、それまでに元の状態に戻しておきます。
できれば自然な状態して帰りたいというのが僕らの中にあります。
自然を守るという観点もそうですが、次に無人島に来たときに人の痕跡をできるだけ残したくないという思いがあるので、僕らは毎回できるだけ来たときの状態に戻すようにしています。
作るのには時間がかかりましたが、壊すのは意外と一瞬で終わりました。
船が来るまでにはあと1時間くらいあったので、友人一人と島一周を目指すことにしました。
基本的に岩場でゴツゴツしていて、少し危ないところもありました。
島の反対側には、おそらくアシカの死体と思われるモノが打ち上げられていて、びっくりしました。
崖みたいなところもあって、思わず足が震えました。
滑り落ちたら確実に骨折しますし、もし頭から落ちたら確実に死ぬような高さの崖を登ったりもして、本当に怖かったです。
進むには到底無理な崖に辿り着いたので、諦めて引き返すことにします。
荷物をまとめた付近でダラダラ喋っていると迎えの船が来ました。
帰りの船は海が荒れていたのか、めちゃくちゃ揺れました。
振り落とされるかと思うくらい揺れて、なかなかスリリングでした。
そんなわけで、今回も無事に帰ってくることができました。
友人の車で僕の家まで。
今回は不思議と全然疲れていない気がします。
普通は家に帰るころにはすっかり疲れているのですが、今回は全然それがありません。
2日目に入った時点で全く疲れてなくて、家に着いた後も走りに行こうかと思えるくらいに謎のやる気に満ち溢れていました。
家に帰って改めて足を見ると、蚊に刺されまくっていました。
おそらく第一回の太島のときよりもはるかにひどいです。
お風呂で蚊に刺された箇所を数えてみると、177箇所の虫刺されが見つかりました。
痒くて仕方がないので、しばらくは薬を塗り続ける生活になりそうです。
天気も晴れたし、家も完成したし、釣りもそこそこうまくいったし、今回は結構色々うまくいきました。
五人という大人数で行くのは初めてのことだったが、楽しかったです。
いつも少数精鋭で行くので、大人数というのは新鮮でしたし、また新しい発見をすることもできました。

そういえば、水曜日のダウンタウンでクロちゃんが行ってた島がこの黒島みたい。一緒に行った友人に言われて確認してみたら、本当に行ったところだったので驚いた。

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