コント#37「弟子」
とある日の事だった。お笑い芸人をしている男性の弟子は楽屋で師匠を待っていた。
師匠をつかえてかれこれ10年。自分はあまり売れずにおり、師匠に笑顔で付くしかなかった。
しばらくすると、男性師匠が入ってきた。
師匠「おっ、お前いたのか」
弟子「はい。あの、ちょっといいですか?」
師匠「なんだ?」
弟子は少し恐縮そうな顔をすると
弟子「はい。実はちょっと大事な用事が出来まして、1ヵ月お休みを取りたいんです」
師匠が気になりそうな顔をしながら
師匠「大事な用事か。どうしたんだ?」
弟子「はい。ちょっとハワイに行きたいなって思って」
少し変な時間が続いた。これほど変な時間は体験したこともなかった。
師匠「は?」
弟子「だから、ハワイに行きたいと思って」
師匠「そ、それが大事な用事なの?」
弟子「はい」
弟子が笑顔で言うと、師匠は少しキレながら
師匠「はいじゃねぇよ。なんだよ1か月のハワイって、それってただのバカンスじゃねぇかよ」
弟子「はぁい」
また弟子が笑顔で言うと
師匠「てめぇ殴るぞ」
弟子「だって、めちゃくちゃ凄いことじゃないですか。師匠の出てる番組サボって、ハワイに行くって」
師匠「てめぇの根性叩きなおしてやろうか」
すると弟子は笑顔になりながら
弟子「ついに、俺もビートたけしかぁ」
師匠「お前、意味わかんないこと言ってないで、さっさと手伝えよ」
師匠が少し着物の準備をしていると
弟子「いやです。マカダミアナッツ買ってきます」
師匠「お前それ日本で出来るのから、ハワイ行かなくていいだろ」
弟子が腕時計を気にしながら
弟子「あっやべ、ちょっとハワイアンダンスのレッスンがあるので失礼します」
師匠が止めるすべもなく、その場を後にする弟子。
師匠「あいつ、お笑いの才能だけはあるんだよな。行動がクズなんだよな」
~終~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?