見出し画像

宮廷の響き(雅楽と琉球御座楽)鑑賞

2022年11月12日(土)、国立劇場で雅楽と琉球の音楽を聴いてきました。
雅楽、琉球音楽ともに、生で聴くのは初めてです。
メモを残します。

今回も、国立劇場の売店でパンフレットを購入しました。(パンフレットをPDFで私的に残した方がよいのかもしれませんね。)
雅楽は寺内直子先生、御座楽(うざがく)は比嘉悦子先生の解説が載ってあり、公演内でも30分の解説がありました。

■寺内先生の解説によると、雅楽は大きく3つの系統から成り立つようです。

  1. 日本列島で生まれたと考えられる国風歌(くにぶりのうた)

  2. 大陸に起源を持つ楽舞(唐楽、高麗楽)
    多種類の楽器による器楽合奏と、色彩豊かな舞からなる。
    唐楽には以下の形態がある。
    1)舞を伴う「舞楽」
    ・天皇の権威を示す大きな儀式における宮中や寺社の庭上
    ・左舞(さまい、唐楽伴奏)と右舞(うまい、高麗楽と一部唐楽伴奏)
    ・番舞(つがいまい)
    ・年中行事で演じられるが選曲に傾向がある
     正月の三節会→祝賀や春、花にちなんだ表題を持つ平舞
     勝負楽→闊達な舞ぶりの走舞と散楽系の一部の曲目
    2)音楽だけを楽しむ「管弦」
    ・室内の御遊(ぎょゆう)で少数の殿上人が自ら演奏

  3. 平安時代中期に成立した歌謡(催馬楽、朗詠)

■比嘉先生からは、御座楽について説明がありました。

  1. 御座楽の歴史
    ・明治12年(1879年)まで琉球は独立国
    ・琉球が明国と冊封関係を結んだ後、中国から移り住んで来た唐栄の人たちによって御座楽も継承され、琉球王府の男子に教授された。
    ・琉球が薩摩藩の支配を受けるようになった慶長14年(1609年)以降、徳川将軍の代替わり時などに慶賀の使者を江戸に派遣する「江戸立ち」(江戸上り)で、楽士や楽童子たちにより演奏された。
    ・明治における琉球王国の消滅や第二次世界大戦による消失により、忘れ去られるようになったが、平成5年復元しようという動きが始まった。

  2. 御座楽の楽曲
    ・「楽」→吹打楽器で演奏。重厚で厳かな曲想
    ・「唱」→歌を伴うもの。恋の歌や庶民的な題材の歌詞

■そして、それぞれ、楽器の説明、曲の演奏がありました。
演目は以下のとおりです。
・皇麞急(おうじょうのきゅう)(管弦)
・萬歳楽(まんざいらく)(舞楽)
・賀聖朝/萬年歡/天初暁/紗窓外/太平歌(御座楽)
・かぎやで風節(かじゃでぃふうぶし)(琉球古典音楽)

■最後の演目であった、萬歳楽は、左舞の平舞を代表する舞らしく、四人で舞われました。ゆったりと舞われて、荘厳な雰囲気を感じました。
雅楽は国立劇場では、毎年5月に大きいものがあるそうで、また聴いてみたいと思います。
他方、今回はメモばかりとなり反省しています。もう少しコメントにも気が回るよう、図書館で雅楽や琉球音楽の本を借りて、読んでみようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?