読みやすい文章

書くことを生業にして、というと少し大げさだけど、編集者になってからはもう10年以上経つ。自分でも書くし、誰かが書いたものを読む機会も多い仕事です。すごく短いものも入れたら関わった原稿の数は何千本にもなると思います。最近の僕しか知らない人からしたら「ウソでしょ!?」と思うかもしれないけれど。

だからといってうまい文章を書けるようになったわけではありません。でも、読みやすい文章は書けるようになったと思っています。逆に僕はそこくらいしか取り柄がないと言っていいかもしれない。では読みやすい文章とは何か?

“読み手に違和感を感じさせない”

僕が大事にしているのはこれですね。読むという行為って、見るとか聞くと比べてかなり能動的なアクションだと思うんです。読むことだけで、すでにある程度の神経を割いている。

「そんなの微々たるものでしょ」

そうかもしれない。でも、微々でも割いてる。だから負荷はそれ以上増やしたくないというのが僕の考え方です。

そしてその負荷こそが違和感です。「てにをは」の使い方、文末の締め方、導入、構成、その他文中に散りばめられる違和感のもとを潰していくことが、僕の大切にしていることなのだと思います。そしてそれは、文章に対して誠実に向き合えばわりと誰もができること。うまく書けないと悩む多くの人にもできることなんです。

違和感なく読ませられれば、伝えたいことはちゃんと伝わります。まだあまりメソッドみたいにはまとめられていないのですが、この考え方、もう少し広めたいなと思っています。

某IT企業の編集部所属のふたりで運用中のアカウント。「なにか書きたい」ということで毎日更新しております。