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こういうサイエンスの文章が好き

文章執筆のために、自分なりのこだわりや好きポイントをまとめました。

最近、自分の文章を評価しながら書いているのですが、どこまで何をクリアすればいいのかわからなくなってきました。自分なりのゴールが見えた方がいいと思ったので、ここでまとめておこうと思います。

想定している文章は、高校生以上向けのサイエンスに関する説明文や紹介文です。そして他でもなく自分への注文です…いつもこれを満たすのは難しいけれど、執筆のときに迷ったら参考にしてほしい(自分へ)。


説明の姿勢

根本的な法則や枠組みが書いてある

まず、全体を支配する法則や枠組みを書いてあると嬉しい。天体の現象であれば万有引力による相互作用、農業と環境問題であれば窒素などの循環、といったように、そこで起きている本質的な現象を提示しておいてほしい。

なぜなら、何を考えるにしてもその本質的な現象がベースになるからである。天体のことをいくら説明していても、表面的に起こることだけでは、どうしてそれが起こるのかがわからず、応用して何かを考えるということができないというか、難しくなる。

現象の複雑さが提示されている

あまりに単純化せず、難しいところやリスクの残るところは包み隠さずに書いてくれると嬉しい。単純化しすぎると、「え、じゃあこんなときは?」とかえって混乱しやすくなる。単純化するならしたことを書いていてほしい。

また、現象と社会が関係するときには慎重に書いてほしい。科学的な目線は確かにとても重要なのだけど、それだけでは問題が解決しない場合もある。「正論」ほど取り扱いが難しい。

感情論ではなく論理的に説明してくれる

感情ではなくあくまで論理をわかりやすく説明してくれると嬉しい。感情を入れて書くのが有効なときもあるのだけれど、その感情を想起させられないと理解できないというのは科学的なのか少し疑いたくなってしまう。

研究者の動機などには感情に関する記述があってもおもしろい。また「こうなるだろう」という直感については書いてくれた方が嬉しい。一方各国の協力や組織の意思決定を書くときは特に、感情だけで書かないようにしたい。

先回りした検討

よくある見方を再検討してある

何かの現象を取り上げるときに、ウェブサイトを調べると出てくる解釈や説明があったらその再検討をしてくれると嬉しい。なぜそのような説明になっているのか、本当にその単純化程度が適切なのか考えるのも楽しい。

特に、いろいろなところで繰り返されている説明は、伝達の過程でそういった検討がない場合に微妙な説明になっていることもある。年代が関係するものは年代を確かめ、現象が関係するものは一度自分で導いてほしい。

反論に対する答えが書いてある

よくある反論に対しても検討してくれると嬉しい。特に書いている側が抱くような疑問は必ず読者も引っかかる。引っかかるところは私が読者なら「どう思ってるんだこの著者は…」となってしまうので書いておいてほしい。

ありがちな反論を検討して、書く必要があるなら書いてほしい。それが書いていないとただの伝聞になってしまう。伝聞でもいいのかもしれないけれど、気になるところは明らかにした方が楽しい。

データや出典

根拠がデータや出典で示されている

根拠はデータや出典を明らかにして示してくれると嬉しい。「多い」「少ない」と数量について述べるなら、実際にその数を書いてほしい。「など」と書くなら、そこに何が圧縮されているのか説明できるようにしてほしい。

「さまざま」「各国」と書く場合は、できれば他にどのようなものがあるのか、各国といえど偏りがあると思うので、どのあたりに偏っているのかを書いてほしい。「世界的に」というのも本当は気になっている…。

データや出典に偏りがない

データや出典は、一般書、論文、統計データベースなどあまり偏りがないようにしてほしい。というか、これは分野の様子をいろいろな角度、俯瞰度から観て書いてほしいという意味。

一般書だけだと孫引になることが多い。論文だけだと研究者間で発展中の議論のみを取り上げる可能性がある。統計データベースのみだとそのデータの読み方が適切か検討が足りないことが多い。

まとめ

まとめると…
あくまで論理的に、ただ論理をわかりやすく、
読者の直感的な感覚、疑問や反論に応え、
幅広いデータや出典をもとに書いてほしい。
ということでした。いや多い!でも、自分にはそう書いてほしい…。



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