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【評価・感想】『Wheelman』レビュー

『Wheelman』は、2009年に発売されたオープンワールドゲームです。

ヴィン・ディーゼルが主演するということで、話題を呼んだ(?)一作です。

あらすじ:CIA捜査官の主人公は、バルセロナで暗躍する犯罪組織の情報を集めるべく、運転手として、この街の裏社会に潜り込む。

※無料公開期間以降は有料になります


“CAR”アクションゲーム

“ヴィン・ディーゼルと言えば、ワイルド・スピード”ということで、本作はカーアクションを中心にしたゲームです。

カーチェイスではなく、カーアクションです。

“車は武器”という扱いで、敵の車両にガンガンぶつけて破壊していきます。まるで突進のような前方への急発進や左右への幅寄せ、車両の弱点を狙い撃つ特殊能力など、車関連のアクションが充実しており、これらを駆使して、敵とデッドヒートを繰り広げます。

たしかに、本作のカーアクションには問題も多いです。

敵の追跡と攻撃が執拗すぎて、ウンザリする時がありますし、クセのあるハンドリングのせいで、車が意図せず暴走するときも多々あります。他にも、車に飛び移る際の判定が甘く、スムーズに車を乗り換えられないこともあります(追われている際は割りと致命的)。

そうしたゲームなので、素材を活かしきれていない感はあるのですが、それでも本作の挑戦的なカーアクションは面白い方であり、アクションの爽快さとスリルが、このゲームならではの魅力になっています。

カーアクションとは別に、シューティング要素もあります。

はっきり言えば、洗練とは程遠い作りではあるのですが、基本的な部分は押さえられており、カーアクションのオマケだと思えば悪くはないです。銃撃戦はかなり簡単に突破できるバランスなので、粗削りな部分もある程度我慢できます。

遊んでいると、不満点が次々と出てきますが、カーアクションもシューティングも、なんとか遊べるレベルでまとまっています。

少し話が逸れますが、本作の後に発売されたオープンワールドゲームだと、車周りは『スリーピング・ドッグス』や『マッドマックス』に近いです。

本作を洗練させたものがこの二つだと言えます。

オープンワールドゲームとしては

一応、本作は「グランド・セフト・オート(以下GTA)」スタイルのオープンワールドゲームです。

オープンワールド化されたバルセロナには、メインミッションの他に、車関係のサイドミッションと収集物があり、いま遊べる範囲で、それらを好きな順番で遊んでいきます。サイドミッションは、車のアップグレードと絡んでいるので、必要であれば、コツコツと遊んでいきます(アプグレの必要性は低い)。

同時期に発売された『セインツロウ2』や『グランド・セフト・オート4』と比べると、オープンワールドゲームとしては、少し物足りないのですが、最低限遊べます。

もちろん、ミッションを遊ばずに街をウロウロすることもできます。

ただ、街のディテールはかなり甘く、あくまでもレースゲームの背景で、そこを歩けるだけと言った印象です。

ドライブ用の街としては、サグラダ・ファミリアをはじめ、見所は多く、良い街ではあるのですが、車から降りると、活気や生活感が無さすぎる点が気になり、すぐに車に戻りたくなります。

正直、”オープンワールドはドライブ用”とした方が良かったのではと思います。

総評

本作は、長所と短所が両極端なゲームで、面白くない方に気持ちが動く瞬間もあるのですが、それを真ん中に戻すくらいの面白さもあるゲームで、総じて、悪くはないゲームでした。

古いゲームと割り切って遊んだこともあり、それなりに楽しむことができました。

ちなみに、後半は、カットシーンなしでそのままミッションが始まるケースが目立ってきて、開発側の息切れを感じさせましたね...。

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