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寡黙な君の言えない秘密

女子1: かっきーおはよう!

男子1: 賀喜さんおはよう!

遥香: おはよう。

私の名前は賀喜遥香、高校二年生。自分で言うのはあれだけど結構友達は多い方だと思う。

??: かっきーおはよう。

??: かっきーおはよう!!

遥香: さく、まゆたん、おはよう。

この子は遠藤さくらと田村真佑。小学校からの大親友。

さくら: かっきー数学の課題やった?

遥香: うん、やったよ。

真佑: あ、忘れてた!かっきーお願い!課題見せて!

遥香: も~しょうがないなぁ。

さくら: ふふ、かっきーはいつもまゆに甘いね笑

ガラガラ

男子1: ○○だ……。

男子2: いつも何考えてんだろ。

女子1: ちょっと怖いよね笑

○○: ……。

遥香: ○○くん、おはよう。

○○: ……おはよう。

男子1: 賀喜さんに挨拶されて調子に乗りやがって……

この人は齋藤○○くん。二年生になって初めて同じクラスになったけど趣味とか無いって言ってた。

ガラガラ

担任: よし、HR始めるぞ~。

遥香: (ずっと思ってたけど、○○くんのこと全然知らない気がする。)

昼休み

遥香: …………。

真佑: かっきー、どうしたの?

遥香: ん、何でもないよ。

さくら: ○○くんのこと?

遥香: 何で分かったの!?

さくら: だってかっきー、ずっと○○くんのこと見てたんだもん笑

真佑: なになに~、気になってるの?笑

遥香: そういうわけではないよ笑
でも、○○くんのこと全然知らないなと思って。

真佑: 確かに○○くんについて知らないこと多い気がする。

さくら: 私も。

真佑: あ、良いこと思い付いた!


放課後

さくら: 本当にやるの?笑

真佑: もちろん!

遥香: 大丈夫かな~。

昼休みの時間、真佑が「○○くんについていってみようよ!」と訳の分からないことを言い出し今に至る。

真佑: あ!○○くん出てきた!ボソッ

遥香: あれ?駅とは反対方向に曲がったけど。

さくら: 近くに住んでるんじゃない?

真佑: 次の角も曲がった!ダッ

さくら: ちょっと待ってよ~。

真佑: 早く早く……あ。

遥香: まゆたん早い…よ…。

さくら: やっと追い付い…た。

三人が角を曲がると○○が待ち構えていた。

○○: 賀喜さんと遠藤さんに田村さん、何かあった?

真佑: や、やぁ奇遇だね○○くん。

○○: 学校からずっと着いてきてたよね、気づかないと思った?

遥香: ま、○○くんごめんね。私達○○くんのことを知りたかっただけなの。

男: 若、いかがいたしました?

○○: いや、何でもない。それじゃあまた明日。

ブーン🚗

真佑: 怖かった~😭

さくら: 背筋凍ったよ……

遥香: てか、若って呼ばれてなかった?

さくら: そういえば…。

真佑: 若ってなんだろう?もしかして若頭とか?笑

さくら: まさか~ヤクザなわけないよ。笑全然、そんな風に見えないもん。笑


○○の家

男達: お疲れさまです!!!!

○○: ただいま。

龍三: ○○、帰ったか。

○○: 父さん、ただいま。

この人は齋藤会の会長の齋藤龍三(りゅうぞう)。僕の父で、日本最大の暴力団の乃木坂組の組長でもある。

龍三: 最近の学校生活はどうだ。

○○: 特に何も。あ、そういえば…。

龍三: どうした。

○○は3人のことを話した。

龍三: そんなことがあったのか。まぁ、こんなところに生まれた以上、周りにも言えないことが多いだろうからな。笑

○○: いいよ別に、僕に興味もつ人なんていないから。



数日後
真佑の提案でショッピングモールに遊びに来ていた3人。

真佑: いや~、楽しかったね。

さくら: たくさん買い物しちゃった。

遥香: そろそろ帰ろうか。

男1: お姉ちゃんたち~

男2: 俺らと遊ばね?笑

遥香: ごめんなさい、ちょっと急いでるので……。

男3: いいじゃん、別に笑

真佑: どいてください!

さくら: け、警察呼びますよ!

男1: 俺らにそんなこと言っていいの?笑

男2: 俺ら乃木坂組の組員だぜ?

遥香: の、乃木坂組……。

男3: さすがに知ってんだな笑

真佑: さく、乃木坂組って何?ボソッ

さくら: 関東に拠点を置く暴力団。確か日本で一番規模がでかかったと思う。ボソッ

真佑: うそ……

男1: 逆らったらどうなるか分かるよな笑

??: 君たち乃木坂組なんだ。

男2: 誰だお前?

遥香: ま、○○くん?

男3: なんだ、知り合い?

○○: それよりも君ら乃木坂組って言ったよね?

男1: ああ、そうだ。

○○: 乃木坂組のどこ?

男2: 三代目梅澤会だ。

○○: あそこか…。電話してみるか。

??📱: ○○、珍しいじゃん。どうかした?

○○📱: 美波姉ちゃん?実はさ梅澤会だって言う男達に絡まれてて位置情報送るから誰か送ってくれない?

美波📱: 分かった。

○○: 少ししたら来るからちょっと待って。

男2: 何言ってんだ、お前?

○○: まぁまぁ。

10分後

梅澤会幹部: ○○、お待たせ。

○○: お久しぶりです。

男達: な、なんであなたが……

梅澤会幹部: いきなりお嬢から連絡が来たと思えば○○くんだって言うし、何かあったのか?

○○: 梅澤会だって言う人達に絡まれてたので……。

梅澤会幹部: あ?

男達: ビクッ

梅澤会幹部: まさかお前ら○○に絡んだんじゃねぇだろうな……。

男達: な、何で……こんなやつがうちの幹部と……

梅澤会幹部: こんなやつ?それでも乃木坂組の端くれか!今の乃木坂組の組長は誰か言ってみろ。

男1: さ、齋藤龍三組長です。

梅澤会幹部: その龍三組長の息子、つまり齋藤会の若頭だ。

男2: う、嘘だろ……。

男3: い、命だけは……😭

○○: 三人に謝って二度と顔見せなかったらそれでいいよ。ただ…
次同じことやってみろ、問答無用で消すからなボソッ

男達: ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

○○: じゃあこの人達よろしく。

梅澤会幹部: 任せろ。お前ら帰ったら覚悟しとけよ。

男達: チーン

○○: じゃあ僕はこれで。

遥香: ○○くん、ありがと。

○○: いいよ、別にこれくらい。あ、他の人に言っちゃダメだよ。もし言ったら……

真佑: 絶対言わない!!

さくら: うんうん!!

○○: じゃあね。


翌日

○○: 今日も学校か……

真佑: ○○くん、おはよー!

さくら: おはよう。

遥香: おはよう。

○○: お、おはよう。

真佑: なんでビックリしてるのよ笑

○○: 挨拶されると思ってなかったから。

遥香: 昨日のあれも何かの縁だろうしこれからよろしくね。

さくら: よろしくね。

○○: よろしく。


お昼休み 屋上

真佑: そういえば、何で教えてくれなかったの?齋藤会の若頭だって。

○○: もしヤクザだなんてバレたら何が起こるか分からないでしょ。

さくら: 確かに、とんでもない騒ぎになりそう。

遥香: 私達と○○くんだけの秘密だね笑

○○: そうだね。


fin.

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