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【仕事+釣り】社長!チヌは簡単に釣れません!

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出勤・通学途中の皆さんおはようございます。

毎週水曜日は【お仕事・びじねすマガジン】の記事を投稿させて頂いている50歳代社会人のかけうどんです。

色んなお仕事や業界がありますので、全ての方には当てはまらないかも知れませんが、今日は、趣味が繋いでくれた上司との関係について少しお話してみようと思います。


おい!かけうどん!出番だ!!

私が30代の頃のお話です。職場のボスが定期異動で交代になりました。

新しく赴任された上司の方は、見た目がとてもハンサムで、話し方もおだやかなナイスミドルな紳士でした。

ある日、会社で言うところの部長さんクラスのちょっと上の方に呼び出しを喰らった私。

…何がバレだんだろう?あれかな?それともコレかな?

と、怒られる前提でビクビクしながらその上司の所に行きました(笑)

要件は、「新しい親分が釣りをしたいと言ってるから、お前がお連れしろ」という見当違いな話。

職場で根っからの釣りキチで通っていた私が、その役目に抜擢されたわけです。

役職差がありすぎて、正直、雲の上のお方ですので、超緊張しつつリサーチ開始…

○まずは堤防でノンビリしたい

○アジやサバなどの小物釣りでよい

○ファミリーフィッシングを覚えたい

簡単に言うとこんなオーダーでした。

軽い軽い、楽勝や!

早速、行きつけの釣具屋や100均店に行き、必要物資をみつくろいます。

かけうどんは、釣りがしたいと言う人から釣りに連れて行って欲しいと頼まれると、100均や釣具屋に行って、必要最小限のスタートアップセットを超低価格で1式揃えてプレゼントします。

当時は釣り人の聖地の一つとも言える、熊本県の天草がホームベースだったので、ファミリーフィッシング向けの釣り場はいくらでも知ってました。

初回の堤防でのアジ・サバ釣りを含め、夏場の砂浜でのキス釣りなど、あちこちお連れしてご満悦頂いたのですが…

どうやら、その上司の最終目標は

「チヌが釣りたい」


…おっと、これは相当ヤバいオーダーが来た💦

黒鯛くろだい、通称『ちぬ』。

日本沿岸部に生息する魚で、比較的釣り人には身近かつ人気の魚種です。

お祝いの席などで重宝される真っ赤で美しい「タイ」は誰でも見たことがあると思うのですが、この黒鯛/チヌと言う魚は、都市部のスーパーなどに並ぶのはちょっと珍しかったり。

旬な時期は食べて美味しくもありますが、釣りの対象魚としては、ちょっとテクニカルと言うか、釣るのが難しい魚なんですよね。

釣り歴○○年と言うベテランの釣り師でさえ、坊主(←釣り用語で1匹も釣れなかった時と言う意味で使う言葉)上等な釣りです。

自称釣りキチの私でも心が折れかけたことなんて何回もあり、乗っ込み(産卵前の釣りやすい時期)以外では好んで狙おうとは思わない魚です。

結果ですが、数回以上の坊主が続きました。

ボスには、そもそもベテランのプロの釣り師でも苦労する釣りなので、とにかく忍耐が必要ですが、それでも構いませんか?と前置きはしていたものの、帰りの車の中は重たい空気が…。

チヌ釣りをメインにしている釣り仲間から情報を聞きまくり、あらゆる釣り場にリサーチにも行きましたが、とにかく釣れません。

…やばい、このままだと次の定期異動でとんでもない所に飛ばされてしまうかも!?とビビりまくる私。

ええい!やけくそだ!

いつも、アオリイカを狙いにエギングに行っている小さな波止場で、ダメ元で竿を出して見ました。

まさか、こんなトコで釣れる訳なかろう…

結果は爆釣…w

55cmの良い型…w;

タモ(魚をすくう網)久々に使った…w;;;


今までそんなところでチヌ釣ってる釣り人見たことなかったのですが、意外な穴場を、私は最初から知っていたことになります(笑)

次の週末、ボスをそのとっておきの穴場にお連れしたのですが、竿を出した1投目、ものの数分もしないうちに、撒き餌を数回ばらまいた瞬間、親分のウキが気持ちよく消えました。

「うを!マジか!?」

小気味よく曲がるボスの竿。

その日、数人で出かけましたが、平均1人3枚と言う好釣果を記録しました。それから、同じ釣り場によく通いましたが、坊主だった日は1日もありませんでした。

そこで絶大な信頼を得たのかどうかは分かりませんが、かなり上層部の上のお方だった上司が、気軽に私に話しかけてくれるようになりました。役職上、業務が多忙極まりないのに、少しの休憩時間でも私のデスクまでわざわざ直接来てくれて、次どこに釣りに行こうか?とか、こんな仕掛けを思いついたのだが、どうだろう?など、

職場では仕事の話は二の次で、ほぼ釣りの話がメインに…(笑)


周囲からは、「まるでハマちゃんとスーさんみたいだね」と言われる始末(笑)

とても偉い方だったので、すぐに他の部署に異動されましたが、同じ業界にいると思わぬところで再会することもあります。

何年後かに違う場所でたまたまお会いした時に嬉しかったのは、久しぶりに会っての開口一番が、「今いるところは、こんな大きな○○が釣れるんだ!」仕事の話よりも、釣りの話で盛り上がったことでしょうか。

職場での仕事の話はとても大事なことだと思います。

上司は自分にはない能力を持っていて、自分が経験していないたくさんのツライことや苦しい思いをされて、今の地位におられます。そんな方から頂けるお話はどれも尊いものが多い。仕事の話になると、それはもう宝に他なりません。

ですが、私がたまたま釣りが好きで、ちょっと上の上司の強制的な命令だったとは言え、心から釣りが好きな方と巡り合い、一緒に釣りを通じて幸せな時間を共有したことでできた人間関係は、それ以上に貴重なものになったと思います。

その方はもう定年退職されていますが、恐らく、仕事で困った時は色んな相談にも乗ってくれるんだろうとは思いますが、私は仕事面で困ったことがあっても、その方に頼ることは無いと思います。(たぶん頼むことは簡単だと思いますが…)

映画「釣りバカ日誌」が好き

釣りバカ日誌と言う映画がありましたが、あの話の一番良いところは、浜ちゃんもスーさんも、お互いに『釣り師』だったというところでしょうか。

偉い方の部屋に入る時はとても緊張するものですが、釣りを通じてボスにとても仲良くして頂いてたのもあって、とても部屋に入りやすかったです。

「でさぁ…かけうどんくん…」

仕事の話はものすごく短く終わって、

「ところでさ…あの魚なんだけど…」

と釣りの話に切り替わるのが早い早い(笑)

恐らく

打算的に

自分の都合で

仕事(自分)のために

と、割り切った感覚で上司とお付き合いしていたら、こんな素敵な関係にはなれていなかったのかも知れないと思いました。

今回の記事の【オチ】ですが、仕事に役立つスキルでも、効率よく働ける何らかの有益なメソッドでもなんでもありません。

良好な人間関係を作るのって難しいことですが、このような趣味を通じて仲良くなれた人とはずっとどこに行ってもその関係が続くと言う経験談でした。

趣味は無理やり作るものではないと私は思っています。

自分が少しでも興味を持ったり、これやってみようかな?と思った瞬間が、その人にとっての趣味の入り口ができた瞬間だと思うんです。

誰かに強制されたり、何かのため、仕事で上司に好かれるためとかのために始めるものではありません。

だいたい偉い方々は、殆どが釣りかゴルフに行きつく方が多いようにも思えますが、どちらもそれなりに初期投資だったり、お金がかかるのはあると思いますが、「一生幸せに過ごしたければ釣りをしなさい」と言った格言もあるように、仕事とは関係なく、自分の人生をより充実させたいなら、釣りはやってみる価値のある趣味だと思います。

映画、釣りバカ日誌では、主人公の浜ちゃんは釣りを通じて色々な業界や会社の重役さんたちと人脈を持っていましたが、それをあえて無理やり仕事の成果に繋げていなかったのも彼の人格を上手く表現していたのかなとも思えます。

私は浜ちゃんのような釣り師になりたいです(笑)

と言うか、もうなっていますが(笑笑)




今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。

季節もだんだん寒さが増してまいりましたが、皆さん風邪などひかれませんように。

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